木多康昭

あしたの、喜多善男
視聴率としては全く奮わなかったですが、数字ほどドラマの出来が酷かったとは思わないです。特に後半からは結構面白かったと思うんですが(オチは平凡でしたけど)、いかんせん序盤がグダグダすぎて定着する前に視聴者が離れてしまったわけで。序盤の喜多(小日向文世)がどうにも気持ち悪かったのが原因のような気がします。


脇で出てる役者が主演なみに豪華だったわけですが(主演がそもそも名脇役だ、という意味で並列扱いかもしれませんが)、松田龍平×栗山千明はどうしても「ハゲタカ」になってしまうし、小西真奈美は中途半端に悪役で割を喰った印象。生瀬勝久は毎度の如く上手かったのでさほど印象的でもなく。こう考えると得したのは要潤なのかな、と。保険金殺人の犯人だったわけだし。でも一番得した、というか印象に残ったのは宵町しのぶを演じた吉高由里子だろう。


大雑把な分類をするとサスペンスに属すると思うのですが、やはり連ドラでサスペンスをやるには初回からの緊張感の持続が必要なわけで、どうしても中だるみをしてしまうものは数字が苦しくなる。その点では「眠れる森」や「アンフェア」なんかはやっぱり連ドラとして上手かったんだなあと改めて思う。日経エンタのテレビ証券でも指摘されていたが、無理やり11話にしなくても5〜6話でもっと簡潔にまとめていたらもっとすんなり面白かったのかも。個人的には嫌いじゃなかったけども、他人にオススメするほどのものではなかったという感じ。惜しい。☆3つ。