そして伝説か

ラーメンズ小林賢太郎が引退を発表。

 

ただ引退とはいっても「表舞台からの引退」であり、作家活動などは続ける模様。要するに「出役としてはもうやりませんよ」ということである。その中にはもちろん「ラーメンズ」は含まれるわけです。

 

「できればもう1回ラーメンズとして何か見たかったなあ」という思いがないわけではないが、かといって「悲しいです、残念です」的な言説になるかといえばそれもまた違う。自分は現在進行形で小林賢太郎の活動を逐一追いかけているわけではないし、また今現在ラーメンズに対して悲しみのニュアンスを出すほどの熱量があるわけではないからだ。

 

内田裕也の時にも書いたけども、こういう報道が流れれば日本人はさほど思い入れがなくても、自分のかすかな記憶を頼りに「寂しさ」を表明するものである。大してそんなこと思ってもいないのに。それがある種礼儀のようになっているわけで、悪いことではないと思うが、別にいい慣習だとも思っていない。

 

んでまあラーメンズ、ひいては小林賢太郎の話に戻るわけだけど、自分はラーメンズ小林賢太郎を「お笑い」だと思っています。今でも。「当たり前だろ」と言われるかもしれませんが、後期のラーメンズ及び小林賢太郎のソロや劇団の舞台はすでに「お笑い」ではなくなり、小林賢太郎の内なる芸術性を発揮するものとなっていました。それはそれで間違いではないと思います。

 

しかし自分が見たかったのはただの「お笑い」であり、それ以外のなんやかんやは余計なものでしかなかった。その最たるものがラーメンズそのものが目的となっていた「ラーメンズのファン」であり、自分にはそれが端的に言うと「気持ちわりい」と感じ、そこから徐々に「まあいいか」くらいの気持ちになっていきました。決してラーメンズのネタそのものを否定するわけではありませんが、最後のほうは「そこまで大絶賛されるようなものじゃなかったよ」とは思ってます。主観です。

 

今はネタのほとんどがYouTubeで公開されており、ライブの順番でまとめて見るのがベストですが、単独で見てもじゅうぶん面白いネタばかりです。なので「そこまで大絶賛されるようなネタ」かどうかは各自判断してもらえればよいのです。

 

ラーメンズが作り上げてきたネタというのは当時画期的であり、人を引き付ける魅力のあるネタであったことに異論はありません。しかしその一方で、その魅力の一面のみがピックアップされ信者のようなファンが拡大することにより、ネタが手段から目的になってきたような側面が自分には合いませんでした。あくまで面白いネタが見たい自分に対して、ラーメンズが見たいファン。そりゃ合わない。そんなことを書いたこともありました。

 

nageyarism.hatenablog.com

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 熱狂的なファンを生み、そして今のお笑いに影響を与えたラーメンズがこのまま終了する。小林賢太郎が表舞台から姿を消す。このことで小林賢太郎という人はある意味「伝説」になるんだろう。もちろんそれはそれで構わないのだけど、「お笑いからちょっと逸れて芸術分野に片足突っ込んだ人」という面においては、個人的に「片岡鶴太郎のようなもの」としておいたほうが据わりがいいので、小林賢太郎さんには「令和の片岡鶴太郎」という称号を送りたいと思います。何もかも間違っているのだろうが、自分にとってはそのくらいなもんなのです。これでしれっとパラリンピックの開会式でバリバリ出てきたらそれは笑います。

 

 

 

 

トイレタイムを逆手に

世にも奇妙な物語'20秋の特別編」の感想を。

 

コインランドリー

濱田岳(へいひの)主演。派遣先をリストラされフリーターのさえない主人公。ある日コインランドリーで「冷たいビールが飲みたい」と呟くと、洗濯機からビールが。不思議に思っていると、清掃員(コロッケ)から「これに願えば欲しいものが出てくる。ただし1日しかもたないから気を付けて」を言われる。彼女が欲しいというささやかな願望を毎日満たしていくうちに、コインランドリーで知り合った就活生の近藤(岡崎紗絵)に「変わってしまった」と言われる。そんなこと気にせずに毎日違うタイプの女性を出し続けていくが、清掃員に「人間だけはダメだ」と言われる。理由を聞けないままでいると、急に意識を失い、自分がその洗濯機から出てくる。変わってしまった近藤が「以前の主人公に戻ってほしい」と願われたためだった。テレビから流れるニュースで目にしたのは、自分が出したお金がどこか別の場所から消えているという事実。そして最終的に「自分も1日後に消えてしまう」ことを悟るのである。

 

世にも大定番の「自分も」パターン。それ以上でもそれ以下でもない。へいひのがやればそれは全てドラマとして成立するんだから仕方ない。へいひの32歳。まだまだ若者の役もやれる。「教場2」も楽しみにしてるぞ。

 

タテモトマサコ

大竹しのぶ主演。婚約者が急に自殺した志倉(成海璃子)は、その死を不審に思う。前日に館本(大竹)と揉めていたことを聞きつけた志倉は館本に問い詰めるも、翌日何事もなかったかのように出社する。婚約指輪を見て「何かを忘れていた」ことに気づく志倉。その後館本の周囲で不審な自殺が続いていたことが発覚。館本に屋上に呼び出され、館本が「他の人間より言霊の力が強い人間」(=言ったことが実現してしまう)であることを明かされるも、全て忘れて会社から去るように告げられてしまう。館本の言霊通り志倉が会社を去るも、予めそうなることを見越していた志倉は、屋上でのやり取りを録音し、腕にメモしていたおかげで音声ファイルで会社じゅうにばらまくことに成功。「私のことは忘れなさい」という館本の音声が会社の人間に伝わり、誰も自分の存在を認めない館本はどこかへ消えてしまう。

 

今回のナンバーワン。大竹しのぶが不気味なオバサンを演じるというだけで勝ちなのだけど、ストーリーもしっかり起承転結がついていて面白かった。ともすればただの「自業自得」系で終わってしまうのだけど、そこは大竹しのぶ。不気味さを維持したまま最後まで緊張感を保って終了。さすがだよさすが。

 

イマジナリーフレンド

広瀬すず主演。小さい頃に自己防衛本能として見えていた「イマジナリーフレンド」のぬいぐるみユキがまた見えるようになった大学生の主人公(広瀬)。大学でパシリに使われる幼なじみのことを助けることが出来ずにやきもき。そんな中大学内で優しくされた男と仲良くなるも、自宅で男に襲われそうになる。その状況を救ってくれたのは、いざこざがあり狂暴化したかに見えたユキだった。襲われたあとで見つけた写真に写っていたのは、主人公の姉の友希(ゆき)であり、イマジナリーフレンドの正体が姉であると分かる。

 

あらすじだけを読めばどうにもこうにも陳腐ファンタジーであり、実際ドラマもそんな感じだった。しかし今回の裏MVPはこの作品である。なぜならユキの正体が姉と判明した直後にCMが入り、そこに登場したのが広瀬アリス(言うまでもなくすずの姉)という離れ業をやってのけました。「アメトーーク」の嵐SPでCMがずっと嵐もなかなかな力技でしたけども、CMという本来邪魔くさいトイレタイム(©乱一世)を逆手にとってこういうお遊び(あるいはただの偶然)を出来るのはとてもいいですよね。

 

アップデート家族

高橋克実主演。安月給で家族の扱いも悪い主人公(高橋)が見つけたチラシには「家族のアップデート」の文字が。実際試してみると母親は得意分野の分担と主人公のやる気を出させるために5人の美女に。兄と弟は一体化され、ペットの犬はVTR化。祖父と祖母はGとBの無機物に。怒り狂う娘(吉川愛)をよけようとした主人公は頭を打って気絶。死んだのかもしれない。その後アップデートが行われ、父親はイケメン外国人に、そして娘はアニメに。

 

今回の完全なるバカ枠。吉川愛ちゃんこと吉田里琴ちゃんの立派な姿に岡田将生も泣いている。たぶん。

 

これ書くにあたって前回('20夏)の文章を見直したら「オープニングちゃんとやれ」と、今回思ったことと同じことを書いていて「全く進歩がないな自分も世にもも」と思いました。そして前回の最後に今回の予告が流れていたことなんてすっかり忘れてました。広瀬すずがコロナ復帰後のリハビリ演技だなあと思っていたけど、全然コロナ前でしたね。感想とはかくも適当なものです。また次回(来年春くらいかな)お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

優一落選

花田優一、紅白も裏紅白も落選。

 

今年も年末ちょっと前恒例である「紅白」と「裏紅白」の出場者が発表されました。ホンモノこと「紅白」のほうはそこそこ普通です。AKB48が漏れてしまったことに驚きがあるようですが、坂道が全部出ているので「これまとめたらAKB出れたじゃねえか」とか思います。もっと酷いのは白組でジャニーズ祭りが加速していて、そのうち「紅組」「白組」「滝沢組」くらいに分かれそうな気がしますね。退所者が多くても問題なし。

 

もう何年も「紅白オワコン」みたいなことを言われているのに、いまだにあらゆる歌手が紅白落選になると騒がれるってのも不思議なもんです。やっぱり「紅白歌手」ってのは今でも大きな肩書きになるんでしょうね。暗くて汚いライブハウスから来たSuchmosのファンとか未だに紅白待望しているんですかね。それはそれで面白い気もします。

 

一方もはやこちらをネットでいいから流してくれ、でお馴染み「裏紅白」ですが、今年から「きいろ組」と「紫組」に改称(理由は「音楽ナタリー」の記事に詳しいんで、気になる方は読んでください)され、てっきり玉井さんと高城さんの出番かと思いましたが、そちらは「ももいろ歌合戦」であり、もう何のことか分からない人もいると思いますけど、各自調べてください。

natalie.mu

裏紅白のネタがどれだけ分かるか、で自分の今年の芸能習熟度が分かります。そして紅白と微妙にリンクしているところも面白かったりします。例えば「裏紅白」では上沼恵美子とろサーモン久保田との対決になっているのはもちろん「M-1」の遺恨対決ですが、時事ネタとしては少々古い。しかしこれは上沼恵美子が歌手としての紅白初出場を狙っている、という飛ばし記事を受けたもの。どうでもいい記事が「裏紅白」がちゃんとネタにすることで成仏されます。

 

そういや「紅白」では島津亜矢がまさかの落選だったので、今からでも「白日」で裏紅白に出場できませんかね?とは思う。

 

 

 

と、長い前置きを経て花田優一である。

 

先日歌手デビューして「紅白出場を狙っている」とアピールしたにも関わらず、「紅白」はもちろん、「裏紅白」からも落選した優一。「ミヤネ屋」の毎度おなじみ「興味があるフリして全く興味ない感じの取材」があったくらいで、あまりに話題が小さいので「裏紅白」のほうはまさかのネタ漏れか?とも思ったが、ちゃんと落選者一覧に名前があるので「裏紅白の基準ですら取るに足らない」と判断されてしまったらしい。YZS(優一を雑に扱う推進委員 委員長は神田伯山)の自分としては、「紅白」はおろか「裏紅白」すら選考漏れになってしまった事実に、本人以上に落胆と遺憾の意を表明しておきたい。

 

来年こそは是非、花田優一「純青」VS吉岡里帆の弟「おらこんな弟子いやだ」で対決してほしい。

 

 

そんなことより「姉ちゃんの恋人」の話とか書きたかったんだけど、疲れたからまた今度。

 

鬼軍曹ミキティ

「ローカル路線バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」第6弾を見る。

 

前回第5弾の放送が「北海道が舞台」「アルピー平子が出ている」という条件が揃い、何となく見たらこれが想像以上に面白く、完全に「次あったら見よう」モードに。しかも今回は「ちゃんれに」(自分が勝手に呼んでいる)こと、ももいろクローバー高城れにが出演することもあり、マストで見なければいけない番組に。そしてこちらの上がった期待値を裏切らない面白さ。敬服。

 

番組の概要としては、バスチームと電車チームがそれぞれ路線を乗り継いでチェックポイントを巡り、そこで与えられたミッションをこなし、最終目的地に先にたどり着いたほうが勝ち。スマホでの路線検索は禁止されており聞き込みはOK。そして各チームとも1万円ぶんまでタクシーの使用が許可されており、このタクシーの使いどころがチームの勝敗を分けるカギとなる。とまあ細かいルールはあるのだが、基本的にはどっちが先に着くか、という単純明快な話。

 

バスチームを率いるのは「ローカル路線バスの旅」で盟友蛭子能収と様々な場所を巡った、バス旅のレジェンド太川陽介。この番組内でも如何なくそのリーダーっぷりを発揮し、「さすが太川陽介」と思わせてくれる。それに対して電車チームを率いるのが村井美樹。電車好きで知られる村井であるが、番組を見る前は正直「太川陽介のレジェンドっぷりに対して、村井は相手として弱いのではないか?」と思う部分はあった。ところがどっこい、この番組を見てどんどん好きになるのは村井さんである。番組中ではその厳しさから「鬼軍曹」と呼ばれる村井さん。今まで正直殆ど興味がなかった村井さんの良さがガンガンあふれてくる。

 

以下は「対決旅」の面白さとともに、「村井美樹推しポイント」も説明してみたい。

 

① 結局は体力勝負だ

「バスと電車を乗り継いで目的地に到着する」対決なので、基本的には「いかに上手いこと乗り継いで時間を短縮するか」が見どころのひとつになるのだと思うが、ローカル路線は本数が多いわけでもなく、またルートもある程度限られる(特に電車)ため、「いかに時間に間に合うか」が重要になってくる。また、チェックポイントによっては電車もバスもそうそう通ってないところもあり、そこは歩くしかない。なのでこの番組の大半は「乗り物に乗っている」より「ひたすら歩いている」のである。「乗り継ぎ」の知略を凝らした対決かと思いきや、ほぼほぼ体力勝負。ここらへんの泥臭さが素晴らしい。

 

場合によっては「〇キロ歩く」とか「〇分で〇キロを行かなければいけない」とか、体力と脚力にものを言わせる箇所が多い。今回は鉄道チームのパンクブーブー黒瀬が足を負傷し、電車の時間にギリギリ間に合わないというシーンがあった。その電車に乗れなかった時の村井軍曹の哀しそうな顔ときたらない。そう、いつだって村井軍曹は本気なのだ。その謎の本気さに惚れる。

 

②両チームとも本気だ

正確に言えば両チームのリーダーが本気だ、である。太川陽介も村井軍曹も、完全に本気。前回北海道編で太川チームが勝利し3連勝で対決成績を3勝2敗にした。そのエンディングで村井軍曹が涙したシーンは今回も挿入されている。こういう番組は「対決というていを成しながらも、全体的にはユルい旅番組」であることが多いが、この番組だけは本当にもう対決が主眼。旅番組でありがちなユルい観光や食事シーンは殆ど無く(一切ないわけではない)、常に気持ちが勝負に向いている。

 

だからこそ前回勝負に負けた村井軍曹は涙を流し、太川は本気で喜ぶ。最初はお気楽旅番組のつもりで来ていたゲストも、両リーダーに感化されるように本気になっていく。今回ちゃんれにが村井軍曹と意気投合していたが、これは「何にでも全力で取り組む姿勢」に惹かれあうところがあったのではないかと勝手に思っている(番組中では村井軍曹の趣味こけしに感化されたちゃんれにがサンタクロースの人形を持ってくるという謎の共感になっていたけども)。

 

よくよく考えればバカっぽい対決なのだが、このバカっぽいことを本気でやることにエンタテインメントの神髄を感じる。大袈裟。

 

③リーダー同士が互いに認め合っている

常に両リーダーは「気を抜いていると負ける」と思っている。バス旅のレジェンドである太川の実力を村井軍曹が認めているのはもちろんだが、そのレジェンド太川をもってしても油断ならないのが村井軍曹ということになる。

 

今回電車チームが電車の単純な乗り継ぎではなく、タクシーを使ったショートカットを画策した場面があった。結果その乗り継ぎは失敗するのだが、その策(太川は番組中では敬意をもって「奇策」と表現する)に気づいた太川は、こう語る。

 

太川「想像以上にくるもんな、こっちの。それきたか、といつも思わせるもんね。」

 

太川「出来る女だね」

 

相手の策に気づいた自分を褒めることはせず、その策を思いつき実行してくる村井軍曹を賞賛、なおかつ「出来る女」だと褒め称えるシーンは今回のベストシーンだった。相手をリスペクトしてこその勝負。これは人気が出る。基本バカバカしい勝負なのに。

 

そしてこの「出来る女だね」に対して、テレビを見ていた自分は「そうだよな!さすが太川陽介分かってる!最高だよ!」とひとり悶絶した。村井軍曹は出来る女なのである。しかし番組を見ている限りあんまりそういう風に見えない。その報われない感がさらに好きになる。

 

 

この番組のフォーマットも素晴らしいけども、何より素晴らしいのは太川陽介というレジェンドの相手に遜色ない村井美樹を電車チームのリーダーに据えたことだろう。このファインプレーが第6弾まで番組を続けさせている。間違いなく第7弾はあるだろう。次回放送予告が発表されれば、それまで楽しく生きていける。ネットではないテレビがここにあるよ。

 

 

龍チャレンジ

大泉洋、紅白の白組司会に決まる。

 

おそらく自分と同世代かそれより上の北海道民は「まさか洋ちゃんが紅白の司会までやるようになるとは…」と嬉しさ半分驚き半分だろう。深夜番組で乳首だけ切り抜かれた全身タイツで出演していた片田舎のお調子者の大学生が、いまや北海道のローカルスターを飛び越え、日本でも名の知れた俳優に。それどころか天下のNHK、しかも紅白の司会を任されるのだから、人生とは本当に分からないものである。

 

人生分からない、といえば伊藤健太郎。今年大活躍した若手俳優の一人だったのに、ひき逃げで逮捕。あっという間に色々なものがダメになった。個人的には「なんでLIFE!はこんなに中川大志伊藤健太郎を推すんだろうか」と思っていたが、こんなことになるとは思っていなかった。LIFEのtwitterからはことごとく伊藤健太郎の形跡が消えているが、仕方ないと思えど「なんだろうなあ」とは思う。消せばいいってもんじゃあないんだけど、馬鹿が突撃するから仕方ないよな。

 

ワイドナショー」でEXIT兼近が言及していたが、逮捕報道のあとにバッシングが始まるさまは確かに醜い。「ひき逃げする奴はそもそもがクソ」と言いたくてたまらないかのようである。しかし現実に事故を起こしてしまったら「誰しも逃げる可能性がある」わけで、そこに想像力が至らない人間のほうがクソなのだ。そうやって他人を下に置いておくことで自分が安心したい、というメンタリティのほうがクソだと言っておく。もちろん伊藤健太郎が逃げて捕まった事実は変わらないし、それは擁護できないが、かといって伊藤健太郎の「そもそも」を必要以上に叩くのは荒んでいるなあと思う。

 

EXILEのATSUSHIがソロ活動に移行するらしい。「ふるさと」1曲でやっていくのかと思ってたんだけど違うのか。

 

先週の「カンブリア宮殿」は「カンロ」。ここに書いたことあったかどうか忘れてしまったのだけど、最後の編集後記で村上龍が一言添えて署名するというシーンがあるのだけど、そこに書かれる言葉を当てる、いわゆる(というか自分しか言ってないと思うが)「龍チャレンジ」を毎週やっている。今回は「ゆったりとした時間」だった。

↓これ(HPより拝借)

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自分は今回「ゆっくりとした時間」だと思ったので、けっこう惜しかった。だから何と言われても困る。自分の人生の99%は「だから何」で構成されているのだから。

 

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誰か「村上龍編集後記メーカー」作ってくれないか。

あ、あと完全におふざけなので怒られたら跡形もなく消します。

好きじゃないけど

「まっちゃんねる」が面白かったです。

 

土曜の2時間枠で松本人志が自分の実験的企画を用意。大喜利が苦手な芸人を摘発して追い込む「大喜利警察」、漫才×ファッションで争う「コーデ寄席」、そして自身がAmazonPrimeで企画しシーズン8まで配信されている人気コンテンツ「ドキュメンタル」の女性タレント版「女子メンタル」。前2つも面白かったが、やはりコンテンツとして確立されている「女子メンタル」が頭8つくらい抜けて面白かった。

 

参加者は朝日奈央ファーストサマーウイカゆきぽよ峯岸みなみ、松野明美浜口京子金田朋子(公式HP掲載順というかコピペ)の8人。1人勝ち残ることはなかったけども、審議の結果峯岸みなみが優勝。坊主謝罪、剛力ダンス、ガチャピンと自身の持ちうる武器を全て活用したアグレッシブな攻撃姿勢、そして終了時間間際の朝日の面白マスクによる怒涛の攻撃に耐えきったのが勝因だろう。

 

これを見てバカほど笑ったわけですが、同時に「ああ、峯岸みなみは好きじゃないけど面白いなあ」と思いました。あんまり出てくる感覚じゃないと思います。

 

「好きな芸人」「嫌いな芸人」みたいなランキングがあって、その芸人を挙げる理由として「好き」のほうは「面白い」が前提になっている。一方で嫌いのほうは「(個人的に)面白くない」が前提になっています。あんまり「面白くないけど好き」あるいは「面白いけど嫌い」って言われ方はしません。自然と「面白い」と「好き」が相関関係になっているような気がします。そりゃあ「面白くないのに好き」ってのはあまり意味が分からないですから。

 

しかし一方で「嫌いだけど面白い」っていう評価はもっとあっていいんじゃないかと思うんですよね。例えば炎上芸人としてお馴染みのとろサーモン久保田は好感度低めで割と「嫌いな芸人」にランクインしますが、だからといって面白くないっていう評価はちょっと違う気がします。好き嫌いはあれどM-1王者ですからね。にも関わらず「人間的には好きじゃないけど面白い」って、芸人同士では言ってるのかもしれませんが、世間の声で耳にすることはあんまりない。嫌いだと思っている人で笑うのはなんか違うという感覚があるのかもしれません。

 

で、話を戻すのですが、自分は峯岸みなみという人間は全然好きじゃないんですよね。坊主謝罪のときの印象が強く、自分勝手な人間だなあというイメージが強いからです。かなり前の話になるので今は全然違うのかもしれませんが、そのイメージを更新するような話題もないし、そもそも興味もないのですからそれは仕方ない。

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だから坊主謝罪をネタにして笑いを取りにいくことなど「反省してねえなあ」とか思えて笑えないような気もするのですが、普通に面白いですよね。自分がAKBに対して何の思い入れもないからこそ、のような気もしますけど、ということはAKBに思い入れのない人たちにはストレートに面白いつうことですから、それは正解だということです。むしろここまでネタとしてぶん回してくることに潔さすら感じる。ただかといって好きになるわけではないんですよね。

 

この感情は何に似ているかと考えたら、たぶんキングコング西野に対するものと同じです。オンラインサロンとか発言とか生き様とか、自分の考えと相容れる部分が少なく、とてもじゃないけど「好き」と公言するのが憚られるのが西野さんという人間です。しかし年に1度必ず呼ばれる「ゴッドタン」で劇団ひとりに肛門を近づけられ悶絶したり、シャツをビリビリに破かれたりして、ちゃんと「芸人」をする西野さんには「笑いに対する信頼」がありますよね。好きじゃないけど笑いの部分を否定することはできません。

 

芸人の評価として「嫌いだけど面白い」はアリなのですが、一応現役アイドルでありタレントである峯岸にとって「嫌いだけど面白い」という評価はプラスなのかマイナスなのかは微妙なところです。芸人は「面白い」が重要ですが、アイドルは「好き」のほうが重要ですから。

 

峯岸の話はこれくらいにして、あとは「女子メンタル」で思ったことを羅列しておきます。

 

金田朋子が思った以上に策士。「伯山カレンの反省だ!」で共演し伝授されたザコシの誇張ものまねをぶっ込んできたのは別の意味で笑った。

 

朝日奈央バカリズムの教えを感じる戦い方。

 

ファーストサマーウイカの「はたけ写真」によるフリオチは教科書のような完成度。ちゃんと研究している。笑わせ方が真面目。

 

ゆきぽよはしたたか。

 

・松野明美浜口京子は思った通り。

 

 

評判がよければ第2弾がありそうだけど、どうなのでしょうね。自分は「どっちでもいい」かな。無駄に期待値があがると反動があるからなあ。

 

 

スッペシャルウィ~クじゃん

気付いたら全ては終わっていた。

 

翌日(つまり今日)の仕事がちょいと早かったもんで、普段ならまだ寝るか起きてるかくらいの24時半にいつもより早めの目覚ましアラームを携帯に設定し就寝した。なんだか携帯の着信ランプが光ってるなあと気付いて、そのニュースを見たのが朝の4時半。自分が気を失っていた(寝ていた)のは実に4時間。その間にナイナイ岡村隆史は結婚を発表し、そして生放送のラジオでは大いに盛り上がり、自分が気付いたときには全て終わっていたのだ。仕事行かなきゃいけないのに、あまりに悔しくて起き抜けに更新している。

 

今週はラジオ業界でいう聴取率週間、いわゆるスペシャルウィークである。最近またナイナイのANNは聴かなくなっていたのでまた通常回も生放送に戻ったのかどうかは分からないのだけど(そういう情報は目にしていない)、今週はスペシャルウィークなので生だったのだろう。入籍は既に済ませていたようで、岡村が生で発表することを目的として調整していたのだろう。番組中でも「最初の報告はラジオで」と言っていたようだし。申し訳ないが全てはネット記事からの引用だ。だってまだ聴けてないんだもの。

 

ラジオでの結婚報告なんてただでさえ盛り上がるのに、そこにゲストに呼ばれていたaikoは生歌で祝福するし(そういやaikoは山里結婚のときにもゲストで呼ばれていた)、裏のおぎやはぎが生電話するわで、生放送ラジオの醍醐味を全て詰め込んだような、GW前の騒動とは全く逆方向での「全員が楽しい祭り」を、たった数時間気絶していた自分は全てやり過ごしたのだ。後悔しかない。

 

もちろん今はradikoという超絶便利なツールがあるので、放送そのものを聴くことは出来る。しかしその時の興奮だとか熱量だとか息遣いってのはやっぱり「生」で聴いてこそ、だと思う。あくまでradikoの後追いはその時の空気の疑似体験であり本物ではない。岡村が結婚したという報道はANNが始まる寸前にリークされたようなので、自分もあと数十分起きていたら目にした可能性はあったのだ。そうすれば聴かないという選択肢はなくなり、おそらく今日は眠たい目をこすりながらも、その瞬間に立ち会えたことの充足感とともにあっただろう。本当に悔やまれる。

 

スペシャルウィークは「通常回ではない特別なことをやって普段聴いていない人に聴いてもらう」という性質上、普段聴かれている数字が反映していないのではという批判は分かる。その点でTBSラジオがいち早くスペシャルウィークという概念を廃止し、radikoの再生回数などを指針に取り入れたことも理解できなくはない。

 

しかし岡村が既に入籍を済ませておきながら、ここまで発表を先延ばしにしたのは「スペシャルウィーク(および生放送にしてどこより先に報告する口実)があるから」に他ならないだろう。古い慣習かもしれないが、それだけ「スペシャル」なことが起きるからこそ、リスナーはワクワクするのだ。

 

スペシャルウィークはなくなった」と言いながら、スペシャルウィーク週に企画としてはさほど面白くもない「メシに一番合うおかずを決める」という「山里秋のハン祭り」を行い、そのゲストに「本の宣伝」という名目で間違いなく数字を持っている伊集院をブッキングするTBSラジオの「なんだかよく分からなさ」と「このままだと裏の乃木坂ANN(しかも卒業を控えた白石麻衣出演)に完敗しそうでヤバい」感(実際伊集院は自身のラジオで前回のレイティングで山里が負けていたことをほのめかしていた)は、あんまり面白くはない。じゃあスペシャルウィークやればいいのに、と素直に思う。

 

それはともかく、あの騒動(個人的には割となあなあになった感はあったけど)が結婚の契機になったのかと考えれば、人生何が起こるか分からないものだ。

 

忘れていたけども、最後に、結婚おめでとうございます!この後眠い目をこすりながら仕事行きつつradikoで聴くよ!

(10/23 7:45更新)