あけましておめでとうございます

もう2月でまたオリンピックやってるんだってね。

 

気付いたら2022の2月になっていました。あんまり1月の記憶がありません。年末年始も仕事してましたし、1月も仕事してました。こんなに仕事していると自分が仕事大好き人間だと錯覚してしまいますが、全く仕事したくないです。仕事したくないしたくない言いながら仕事たくさんしてるんだから饅頭怖いと同じ現象ですね。本当に仕事はしたくないんですけども。わたしゃテレビが見たいのですよ。いや、見てるんですよテレビも。ずっと仕事してテレビ見て仕事してテレビ見てます。全部見てるわけじゃあありませんけども、自分の見始めた1月期のドラマがつまんなくて、ドラマ制作者が全員オミクロンで休養しているとしか思えないとか勝手に思ってます。大河朝ドラは面白いのにね。

 

もう「テレビがオワコン」とかいうのは現代人の共通認識なのかもしれませんが、そのくせアンジャッシュの渡部がテレビの地上波復帰とか言い出すとすげえ文句言うのな。舞台ならいいのか?ネットならいいのか?テレビがオワコンなら「オワコンで復帰するあたり渡部らしい」とか言ってあげるべきじゃないのかね。日テレのプロデューサーがabemaで文句垂れてましたけど、どこのテレビ局が最初に復帰させようとしたんでしたっけ?とか言ってはいけないんでしょうね。

 

ただまあテレビの勢いのなさと、自分の尿圧の勢いのなさがどっこいであることは認めなければいけない哀しい事実であります。もちろん自分の尿圧の勢いがバリバリだという可能性は否定しませんが、自分ももう40手前ですし(もうこんなもの足かけ20年やってると思うと自分でも虫酸が走ります)そこは推して知るべしなのです。テレビで話題になるのはいまや「あの番組も終了」という後ろ向きなものばかり。ワクワクする新番組の話はねえのか、と思ってしまいます。

 

北海道ではなぜかドラマ「ウォーターボーイズ」の再放送が始まったんですよね。山田孝之が主演のやつ。全裸監督になるまえに半裸で主演やってる。森山未來瑛太田中圭星野源も出てる。これだけ今もバリバリ活躍している男性陣に対してヒロインが宮地真緒ってのが今では笑えてしまうのですが(当時からすれば朝ドラヒロイン経験者なので、全然おかしくないのだけど)、なかなかどうして面白い。それは放送当時自分が夢中になって見ていたドラマである、ということもあるのかもしれないけど、やっぱり単純に作品として面白いってだけなんだと思う。今のドラマより全然凝ってないし、話も単純。けどその単純さにパワーがあった。役者の力も大きいのだろうけど。

 

今見ているドラマを20年後見たいと思うかどうか、それはどうなんだろう。20年後還暦だぞ自分。そんなこと言ってる場合じゃない気がする。20年後もこんなこと書いているのか。吐きそう。仕事やめたい。誰か仕事ください。

 

 

逆行

「M-1」で死闘が繰り広げられる直前、「笑点」では林家三平が年内での番組卒業を発表。

 

先週「重大発表がある」というお決まりの常套句が持ち出され、「どうせ大した話じゃあないんだろう」と思っていたら三平卒業である。「卒業」という言葉を使ってはいるが、なかなかどうして「戦力外通告」という言葉が頭を過る。

 

とまあ訳知り顔で書いてはいるが、ここ数年はとんと「笑点」を見る機会も減っていた。もちろんこの重大発表のフリもそして発表そのものも見ていない。ニュースとして流れてきたものを見て「ああ、三平やめちゃうんだ」と思っただけだ。だから三平が現時点で本当に戦力外だったのか、はたまた実はちゃんと機能していたのかを自分で判断できる材料はない。

 

これだけ長く、しかもほぼ同じようなメンバーで続いている笑点に新規参入するのはどんな落語家だってハードルが高い。今司会をしている春風亭昇太だって新メンバーに加わった時はかなり苦戦していて、「いい歳こいて独身」(当時)キャラが定着するまでは時間がかかった。だから三平もなんだかんだで落ち着くのかと思ったら、どうもそうじゃないらしい。

 

三平が自分の評価の低さにあえいでいたのは容易に想像がつく。伊集院光が「終身名誉いっ平」を与えているように、昭和の爆笑王であり父の名前である林家三平を襲名するのはとてもじゃないが名前負け。同じ笑点メンバーの林家でも木久蔵を襲名したきくおとはレベルが違うのだ。どこまでいっても名前負け。最初は上手いこと言うキャラで推し進めていたが(今もそうだったのかな)、どうにもこうにも上滑り。ただまあいっ平の落語家人生が総じてそんな感じ(めちゃくちゃ失礼)なので、それはそれで面白いんじゃないかと自分は思っていた。まあ見ていないからこそ言えることではあるけど。

 

この卒業を番組から打診されたのか、それともいっ平が自ら申し出たのかは分からない*1。しかしひとつだけ言えることがあるならば「一番若いメンバー辞めさせてどうするんだ」ではある。

 

「ガッテン」「生活笑百科」という長寿番組の終了が次々と発表されている。番組そのものの寿命をまっとうしたという言い方も出来るが、それと同時に「視聴者層の若返りを狙っている」という目的も少なからずある。「噂の東京マガジン」が地上波から追い出されたのは記憶に新しい。ジリ貧のテレビがこれからのことを考えると「正しい動き」ではあるんだけど、かといって今の体勢で若者をテレビに繋ぎとめておくことが出来るかどうか、を考えたときに「長寿番組を改めることが若者に対するアピールじゃあないだろう」とも思う。でもそういう流れになってるんだよななぜか。

 

日テレが「笑点」をどこまで続けて行こうと思っているのかは分からない。ただ昇太を司会に据えたのだから、まだしばらくは続けるつもりではあるだろう。にも関わらず、いつ倒れてもおかしくないお歴々を差し置いて、「つまんないからいっ平退場!」はさすがに「え?笑点の平均年齢を下げるつもりがないの?」となる。昨今の流れから行けば「ギャラも高いし高齢化も激しいので、木久扇も小遊三も好楽も圓楽も全員卒業!」だろうよ。ここだけ時空が歪んでいる感すらある。

 

いっ平がいなくなるのなら、いっそのこととびきり若くて場違いの人間を連れてきてほしいな。もはや落語家じゃなくてもいい。みちょぱ連れてこいみちょぱ

 

 

 

*1:一応三平からの申し出という発表はされているし、引き留めがあったことも本人が語っている

ライフイズビューティフル

M-1グランプリ2021の感想を敗者復活から手短に。

 

敗者復活戦

キュウ

こんなにトップバッターに向かない漫才があるか。

 

アインシュタイン

もう見た目に頼らない漫才でもいいのかも。

 

ダイタク

昨年に引き続き日本で二番目に面白い双子(1位は引き続きおすピー)。

 

見取り図

昨年の自分たちの漫才と今年の忙しさというハードル。いや面白かったんだけど。

 

ハライチ

制限時間のブザーにキレる澤部にはさすがに笑うけど、それをノーペナルティ(かどうかは分からないけど、少なくとも見ていたぶんには説明されず)で敗者復活を通してしまうと、やったもん勝ちになってしまうわな。

 

マユリカ

近年稀に見る大ビンタ。

 

ヨネダ2000

THEWで決勝進んでたらこのネタやったのかなあ。個人的敗者復活2位。

 

ヘンダーソン

途中から少しクドかったかなあ。ハマれば強いけど。

 

アルコ&ピース

ひいきが強すぎてマトモな判断が出来ないけど、少なくとも勝ち残りではなかった。夢をありがとう。

 

カベポスター

去年よりも分かりやすく分かりにくくて。個人的3位。

 

ニューヨーク

持ち味が出てないよ。

 

男性ブランコ

「全治癒」というワードの強さ。勢いある。

 

東京ホテイソン

年々力強くなっていくなあ。

 

金属バット

なぜ勝てなかったのか分からないくらい個人的には圧勝。もっといえ坊主に。

 

からし蓮根

決め手があればなあ。

 

さや香

清々しいまでの力技。

 

 

決勝

モグライダー

さそり座の女テンダラーの必殺仕事人を彷彿とさせるイントロとボケのリフレイン。結局さそり座の女にたどり着かないんだろうな、と思いきやちゃんとたどり着く優しさ(と感じたのは自分だけか)。トップバッターとしてこれだけ盛り上がるのは素晴らしい!

 

ランジャタイ

猫。自分がこの1年でランジャタイに慣れてしまったのか、思ったほどぶっ飛んでると感じなかった時点でランジャタイの勝ちなのかなあ。点数がつかないのは「面白くない」とか「漫才じゃない」ではなくて、単に「点数として評価しにくい」ですよね。審査員泣かせ。富澤のコメントはただの照れ隠し。

 

ゆにばーす

ディベート。男女コンビなら1万回は聞かれるであろう「恋愛感情は?」という質問を最高の形でネタに。審査員も触れていたがはらちゃんのスキルが上がっていて、単純に漫才の面白さがエグい。

 

ハライチ

やりたいこと。敗者復活のやつをそのまま持ってくるかと思いきや、全然別でかつ「たぶんこれがやりたかったんだろうなあ」というネタをちゃんとぶん投げてくる強さ。「出るからには勝つ」という意思を感じました。

 

真空ジェシカ

一日市長。単発のボケを大量に放り込んでくる旧M1スタイル。ただしどのボケも個人的にあまり見た事のないタイプであり、巧いこと裏切られる。おばあちゃんのハンドサインは吹き出した。これで尻上がりの構造になったら無敵じゃないのか。

 

オズワルド

友達。いやあ、これは圧巻。最初から最後まで非の打ちどころがない構成で、今年の大本命だと言われるのも納得の出来。頭一つ抜けた1位もなんら不思議なところがない。畠中の気持ち悪い、ともすれば荒唐無稽なボケをちゃんと漫才の形にしている伊藤のツッコミ。来年は自分たちとの闘いじゃないか。

 

ロングコートダディ

生まれ変わる。生まれ変わる先が「肉うどん」というパワーワードと、そしてボケが来るなと分かってはいるけど、見ていてじわじわ欲してしまう独特の感覚。爆発力には欠けるかもしれないけど、ずーっと見てられるやつ。4分は短い!

 

錦鯉

合コン。最初から最後までバカな50歳がボケ倒すという錦鯉にしか出来ない漫才。錦鯉を最初に見たときに感じた「尻すぼみ」がここまで見事に解消されるか、という感動。「ひざ」の二文字でこれだけ爆笑を生むM1出場者はいない(寄席にはいるだろうけど)。これまた納得の2位。

 

インディアンス

怖い動画。今までのインディアンスは田渕の手数の多いボケが先行しすぎていた感があったけども、そこにしっかりきむのツッコミがかみ合ってくることによってひとつひとつのパンチが重くなった印象。一発の重いパンチを食らわす錦鯉に対して、ひとつひとつの重さでは負けるけど手数の多いインディアンス。これまた納得。

 

もも

欲しいもの。見た目とズレているというテンプレートが出来上がっているので、あとはもうここからもう一裏切りするかどうか、だよなあ。「ネタパレ」のショートで見るものと4分のものの差があまりなく、ここからうねるような展開があればそれこそ「来年優勝顔」になるのかも。「EXILEオーディションで1次審査で落ちる顔」のときに上戸彩のカメラに切り替えたのはスイッチャ―のファインプレー。相変わらず上戸彩愛に溢れているM1スタッフ。

 

 

最終決戦

インディアンス

売れたい。こっちのほうが従来のインディアンス感があって見やすかった。見やすかったけども、それは同時に決め手に欠けるということでもある。

 

錦鯉

サル捕獲。「(サルが)森に逃げた」「もうじゃあいいじゃねえかよ」が最高。そしてオチの「ライフイズビューティフル」。ちゃんと前半で介護のネタフリをしているところも進化よ進化。

 

オズワルド

1本目と同じく奇妙な畠中なのだけど、1本目の出来が良すぎて「さっきと比べるとそこまで爆発しない」という難しい状態に。前2組の作った空気を戻しきることが出来なかったのだなあ。

 

 

錦鯉まで終わった時点で「これは1本目と同じレベルのネタが出てきたらオズワルドだなあ」と思ったのだけど、オズワルドがそれほどハネなかったことによって錦鯉に勝利の女神がほほ笑んだ。どの組も決定打がなく、本当に紙一重の戦いだったように思うのだけど、審査員が最後に錦鯉に入れたくなる「何か」があったんじゃないかと思う。もう本当にそれくらいの差。

 

優勝が決まったときにオジサン二人が抱き合い、そして長谷川が泣く。それを見てサンドウィッチマン富澤もナイツ塙も泣く。オジサンがオジサンを見て泣き、またそれを見て自分(オジサン)も泣くというオジサンの涙の連鎖。でも最後にそれくらい熱くこみ上げるものがあったということなのだ。

 

錦鯉の最終決戦のオチの一言が「ライフイズビューティフル」だったが、紆余曲折を経てM1チャンピオンという栄光をつかみ取ったこの二人に相応しすぎる。M1終了後の「テレビ千鳥」における千鳥とアルピーの佇まいにも同じく「ライフイズビューティフル」と叫んでおきたい。ここ2年、暗い話題の多かった世界を反映してなのか、M1の決勝に残った漫才はどれもこれも素敵なバカばかり。やっぱりみんな笑いたいんだと思います。自分含めて。

 

来年はもっとバカバカしく楽しい年になるといいですね。

 

 

奇跡じゃないか

「THH W」が面白かったので久々に更新してみよう。

 

Aブロック

・ヨネダ2000

めっちゃボケそうな愛さんがずっとドスコイ言ってる。クセが強いけど構成がしっかりしていて、大爆笑はないけど終始ずっとうっすら笑えるやつ。

 

・紅しょうが

安定の関西の笑い。なかなか優勝できないけど、腐らずにやってほしいよなあ。絶対に報われる時がくる。

 

・茶々

この手のタイプのネタは面白いけど勝ちきれないんだよなあ。でもこの後いろんな需要がありそうで。

 

TEAM BANANA

ライブの中盤に出てきて安心するタイプ。

 

・オダウエダ

昨年の頭のおかしさをブラッシュアップしてもっと頭おかしいとかどうかしてる。

 

勝ち残りがオダウエダ。

 

Bブロック

・天才ピアニスト

設定が巧みよね。どうしても上沼恵美子のモノマネの人って印象なんだけど、それをいい意味で覆す普通に笑えるコント。

 

・女ガールズ

ちょっと相手が悪かった。充分面白い。

 

・ヒコロヒー

0票の出来じゃあないけど、この大会の意義において、どちらかといえば天才ピアニストという審査員の判断はごくまっとう。しかしヒコロヒーは今年MVP級の売れ方であり、僅差なら負ける(勝たせなくてよいかなと思わせる)というのは名誉なことだと思ってほしい。

 

・スパイク

とりあえずは昨年のぶんの借りは返したわけで、来年が勝負よ。

 

・Aマッソ

なすなかにしを放り込んだことで勝負アリ。

 

昨年の4対3の悪夢を振り払い、今度は4対3でAマッソの勝ち。アンガールズ田中の投票が今年はAマッソだったことに興奮する。

 

決勝

・Aマッソ

去年披露したプロジェクションマッピング漫才の進化版。完全に温存してたし「獲りにきた」完成度。どれもこれもばっちり面白く、これを見た時点では「ああ、遂に勝ったかな」と思った。マジで。

 

・天才ピアニスト

買い物から献立を当てるレジのおばさん、というだけなのになぜこんなに面白いのか。力あるなあと思ったよ。

 

・オダウエダ

カニのストーカー。何度も言うがどうかしてる。どうかしてるんだよ。面白いんだもん。

 

 

見終わった時点で「これはAマッソか天才ピアニストか、さあどっちなんだろう」と思っていた。オダウエダは面白かったけど、さすがにこれで勝つネタじゃあないよなあと思っていた。けど「これでオダウエダ優勝したらTHE W最高すぎるな」と思っていた。んで結果発表。Aマッソと天才ピアニストに票が集まりつつも、後半追い上げるオダウエダ。そして最終的にAマッソ2票天才ピアニスト2票、そしてオダウエダ3票で、まさかの優勝。自分はこの瞬間にガッツポーズしてしまった。

 

こんなことがあるから、賞レースって最高だよね!

 

普通の感覚でいけば、Aマッソか天才ピアニストなんだろう。けどここでオダウエダがエアポケットに入ったがごとく3票入って優勝してしまう。審査の妙だ。審査員3人がついうっかり入れてしまいたくなる魅力がオダウエダにあったんだもん。これはしゃあない。視聴者が納得しようがしまいが、これは結果だ。オダウエダに勝利の女神がほほ笑んだのだ。実力的にはAマッソと天才ピアニストのほうが上だろう。けど賞レースは実力があるから勝つとは限らないのだ。何かのイタズラでこういうことが起こり得る。こんな奇跡的な瞬間を目の当たりにしたことに興奮しないことがあるか。文句を言ってる人間の気が知れない。奇跡を目の当たりにしたんだ。喜べよ!

 

今回勝てなかったとはいえ、Aマッソも天才ピアニストも、その実力を見せつけたのだ。もう既にAマッソは売れかけているが、これで本格的に売れるだろう。天才ピアニストも同じ。オダウエダは逆にこれだけで売れるかどうか分からないところも含めて本当に最高だ。去年も書いたけども、誰も損しない。それでいいじゃないか。

 

来週はM-1だ。アルピーが敗者復活から優勝という奇跡を目の当たりにすべく、自分は死んだ目で仕事をして、一切の情報を遮断したのちに夜通し敗者復活から全て見るという来週末の未来予想図。

 

それはともかく、オダウエダ、胸を張ってくれ!最高だ!

 

 

 

メンタルが心配

世にも奇妙な物語」21夏秋をまとめて。理由は先日まとめて見たから。

 

21夏

あと15秒で死ぬ

吉瀬美智子主演。何者かに心臓を打たれ死んでしまう主人公。その間際にいわゆる死神が登場し、自分の寿命があと15秒だと告げられる。残り15秒で誰が犯人だったか、そして犯人に対して一矢報いようと画策する。

 

初手はオーソドックス。人気声優梶裕貴がキャスティングされているが、まあ、特に個人的にはなし。話としてもまあ。

 

三途の川アウトレットパーク

加藤シゲアキ主演。思いを寄せる女性の手術台を捻出するために、金持ちそうな女性からひったくりを行い、その挙句死んでしまう主人公。気付くとそこはあの世の手前の三途の川であり、アウトレットパークまである。そこでは来世生まれ変わるときに有利となるオプションが、現世での行いによって売買されていた。特に望みのない主人公であったが、アウトレットパーク内で出会った少年、さらには手術に失敗し亡くなっていた思いを寄せる女性と出会い、自分が行ったことの因果を知る。そして人間に生まれ変われるはずだった主人公は、償いのためにある決断を下す。

 

一応感動枠になるのだろうか。マンガ原作ということもあるのか、詰めの甘い部分とバレバレな伏線がオジサンにはキツい。そもそもなんで「アウトレットパーク」なのか。ただの「大型ショッピングセンター」でよくないか、とか、なんで来世のパーツは買えるのに、来世に生まれ変わる選択肢だけはくじ引きなのよ、とか、伏線へのご都合がちょっとねえ。お子様向け。

 

デジャヴ

上白石萌歌主演。自宅に強盗が入った時の記憶が何度も繰り返す主人公。それは脳科学者である父親が、自宅に侵入した強盗の正体を暴くために記憶をリピートしていたかただった。何度も繰り返しリピートすることでやがてその犯人の正体を掴む、が。

 

やりたいことは分かるけど、ちゃんとオチてない気がした。上白石萌歌ちゃんの驚き顔と苦しみ顔が見たいがために制作された疑惑です。

 

成る

又吉直樹主演。AI棋士との対局に挑む主人公。AI棋士が打つ一手は、敵陣に入り駒が成ると、見たこともないものに変化する。その「成り」に苦しめられる主人公であるが、最終的にオーバーヒートしたAI棋士が倒れてきて巻き込まれてしまう。

 

短めのバカ枠。もっと長くバカバカしくやっても良かったのになあと思った。あと読み上げとして元棋士で現フジテレビアナウンサーの竹俣紅がクレジットされていて「はいはい、こういうとこだよなフジテレビ」とは思った。いまだにこのノリでやってんのかよ。

 

夏は全体的に小粒。

 

21秋

スキップ

赤楚衛二主演。大学生の主人公。イジメてくる先輩がいるサッカー部の合宿の前日、自殺を図った男が落とした鍵を拾う。その鍵は自宅の開かずの扉の鍵であり、その部屋に入り出ると、合宿は終わっていた。同じく大学の試験をその部屋でスキップする。すると片想いの女性とは付き合っており、身に覚えのない暴力事件まで起こっていた。そのとき自殺を図った男性が自分の兄であることに気づき、自分がスキップしている間は、今まで自分が兄と認識していた「何者か」が自分の代わりに生活していることに気づく。そして無理やり「何者か」に部屋に引きずり込まれ10年の歳月をスキップしていた主人公は、自分の人生が乗っ取られていることに気づき絶望する。

 

よく出来ているウェルメイド「世にも」。ただこれ系の「不気味なやつ」が最近坂口涼太郎に依存されすぎているような気がして、坂口涼太郎のメンタルが心配。

 

優等生

森七菜主演。全然勉強が出来ない主人公。一般常識レベルのテストでも全然答えることが出来なかったが、適当に書いたガチエモ神社に「テストで100点が取れるように」とお祈りをすると、自分の書いた答えが全て正解になる能力が備わる。世界に変化が起きないように勉強を始めたり、自分の家族の状態を元に戻そうと奮闘する。

 

バカ枠ですが、これも世にもっぽい。最後のオチ含めて。あと森七菜は今が完全に旬なので、事務所移籍うんぬんの理屈もあるんでしょうが、どんどん起用すべきだなあと。

 

ふっかつのじゅもん

桐谷健太主演。自分の息子がDQ2のふっかつのじゅもん(途中からゲーム再会をするのに必要なパスワード)を入れてゲームをはじめると、亡くなったはずの友人がそこに登場する。亡くなった友人はゲームをクリアしない限り同じように川に溺れて亡くなってしまうのだが、ゲームをクリアしたときに運命が変わる。運命が変わりかけたときに自分の息子が消えそうになっていたこともあり(友人が生きていたら主人公の妻と友人が結婚していて、未来が変わるかもしれない)不安だったが、息子も妻も消えることなく安堵の涙を流す主人公。しかし妻が手にしたDQ3を起動すると、冒険の書(バックアップデータ)は消えてしまい、二人の関係も消えてしまう。

 

DQの35周年記念タイアップだったようですが、それがどうした感ですね。それこそDQ2や3を実際にプレイしてきた立場ですから、最後のオチもなんとなく読めてしまったところも含めてファンサービスなのだろうか。あと野波麻帆のちょうどよさ。

 

 

金の卵

山口紗弥加主演。ある日スーパーで買った卵の中に金色に輝く卵を見つける主人公。その卵を手にしてから宝くじが当たるなど幸運が舞い込んでくる。しかしその卵を狙う人物が現れることで、主人公の生活が大きく変化してしまう。

 

ショート枠なのだけど、ショートにするあまり説明不足が否めない。話としての面白さも広がりもこれ以上でもこれ以下でもないので、大した説明もいらないのだけど、それにしてもなんだか「やっつけた感」がある一本でした。

 

連続で見た故だろうが、夏よりは出来がよかった。全体的に見れば普通。安定の面白さと言えばそれまでだが、突き抜けた何かを期待しちゃうのよねえ。また来年。

 

 

空気読むし、読まない人

いやあ、10月更新しなかった。すっかりサボってしまった。仕事が忙しいせいです。自分のせいではありません。

 

爆笑問題太田光の選挙特番での振る舞いが叩かれているらしい。バカすぎる。もちろん叩いているほうである。

 

自分は太田光という芸人を尊敬している。それはテレビに出る人間として「芸人とはかくあるべき」を何ら高尚な次元ではなく、太田本人が思うがままに実践しているからである。簡単にいえば「自分が芸人としてやるべきことを分かって無茶苦茶に振る舞っている」ということだ。

 

甘利明に「ご愁傷様」と言ってみたり、二階俊博に「いつまで政治やるの」と言ってキレさせたり、普通に考えればまあ余計なこと言いまくりでした。テレ東の池上彰が聞きにくいことをズバズバ聞くのと同じ、と言えば聞こえはいいが、もっと下世話な感じで見ている人が不快に思ってもなんら不思議ではない。

 

これだけ長いこと太田がテレビに出ているのに、未だに太田がそのような振る舞いをすることで目くじらを立てるバカがいる。選挙特番はTBSだけやっているわけじゃないのだから、それこそ別の局を見ればいいだけだ。自分は選挙特番をザッピングして見ていたが、大半はNHKだった。なぜなら「余計な情報がそれほど入ってこない」からだ。テレ東が独自色を出して成功した池上無双以降、候補者のどうでもいいミニ情報は各局取り扱うし、今回の太田の起用は「池上とは違う次元で好き放題やってほしい」というTBSの思惑があるんだろう。しかし自分にとってそれらの情報は「各局こぞってやることじゃない」くらいの感じで、邪魔。だからこそNHKを見る。そういうのが好きな人は見ればいいし、嫌いなら見なければよい。それだけの話なのに。

 

太田からすれば、自分が起用された意味なんて「空気を読まない芸人として振る舞ってくれ」しかないと思っていたはずだ。だからこそ太田は失礼を承知で、失礼に振る舞う。芸人という立場でこういう場所に出てくると、何をやっても批判されるのだから、そこんところ込みで暴れる。一番空気を読んでいるのは太田なのだ。にも関わらず、その期待に応えて批判されるのだから大変な仕事である。

 

ただ自分は手放しに太田の振る舞いを絶賛しているわけではない。自分は以前から政治家に対してイチャモン的に噛みつきがちな太田の振る舞いがあまり得意ではない。だからこそ今回も「たぶんそうなるんだろうな」と思ってTBSではなくNHKを見ていたわけで、太田のその発言や意図を理解出来たとしても、それが自分の好みかどうかはまた別物である。また、太田が「空気を読んでやっている」と書いたけども、それは一側面に過ぎず、太田本人が暴走する側面があるのもまた確か。そこが批判の対象になっているというのも分からないではない。

 

TBSが今回の(事前も含めて)選挙特番で失敗したのは「太田を起用した」ことではなく、「太田の暴走に備えてちゃんと田中のツッコミを用意しなかったこと」だ。太田がいくら無礼に振る舞っても、田中が「すいませんこいつバカですから」と言えば済む話も、それがないから太田が全部浴びてしまうのだ。もっとも田中がツッコミ間違いで余計失礼なことになることもあるが、それも込みで面白くなるのだから、やっぱり田中はいるべきだったなあと。

 

あと笑ってしまうのは、普段政治家に対して露ほどの敬意も払っていなさそうなバカが「敬意が足りない」とか「失礼」とか言って口汚く批判している感じがするんだよなあ。どの口が言ってるんだ、とも思う。太田に対する敬意はなくていいのか。いいんだろうな。

 

望まれるがままにふるまって望まれない批判をされることが分かっているのに、それでも暴れる太田光という芸人はやっぱり愛おしくて不器用なのです。自分は基本的に他人を、人間を信用しておりませんが、「他人の期待に応える振る舞いができる人間」はちょっとだけ信用しています。そういう意味で太田光は「信用に足る人間」だと思うんだけどなあ。二階を怒らせた質問は無礼であるとともに「バカなフリして核心ついた質問」だったってことが、ちゃんと理解できる人にも理解できない人にも選挙権は等しく与えられるのです。それが民主主義。

 

それはともかく、この顛末は2日火曜深夜の「爆笑問題カーボーイ」で語られるのでしょう。この日はアルピーのラジオ「チョコナナ」「DCガレージ」もあり、ラジオ好きにはお祭りでしかないな。それが言いたくて1か月ぶりの更新でした。

 

ほどよくまとまる

今年の「高校生クイズ」を見ました。感想としては「ほどよくまとまっている」でした。

 

3年1周期の高校生クイズは今年から新ターム。司会も枡アナから安村アナに変更され、パーソナリティも千鳥からかまいたちへ。リニューアルといえばリニューアルだが、縮小再生産といえば縮小再生産である。ただまあ悪くはなっていないのでアリ。

 

コロナ禍での開催ということもあり、大勢のチームがスタジオに来られないのは昨年と同じ。1回戦はリモートで2回戦に進出したチームからスタジオというのも致し方ない。ただまあだからこそ1回戦は「せっかく全国大会に進出したチームに少しでも楽しんでもらいたい」という気持ちが欲しいのだけど、毎度毎度扱いが軽くて哀しい。

 

2回戦からはスタジオで大小のボール仕分け問題。決勝の砂トロフィー引っこ抜きもそうだけど、奇抜なアイディアもさることながら最終的に「理系の実地知識が必要」という着地点は、「東大王」との差別化において非常に重要。結局「知の甲子園(クイズおたくドヤ顔選手権)」時代の高校生クイズは「東大王」が継承した形になり、そこに憧れがあるクイズ研究会の面々はそちらに流れた。今回高校生クイズにはクイズ研究会系の出場者がめっきり減っていた。予選ではじかれたのもあるのだろうが、そもそもこちらを狙ってこなくなったのだろう。自分はそれでいいと思う。棲み分けは必要だ。

 

ボール大小の仕分け問題に関して言えば、自分はずるい大人なのでこんなことを考えていた。仕分けミスは+5秒のペナルティ。200個あるボールを全て大の箱に分ければミスは100個で500秒(=8分20秒)加算。全てを箱に入れるだけで30秒くらいはかかるとしても、それでも8分50秒になる。次のクイズに進んだ高校の一番遅かったタイムが8分49秒だったので、手早くやればこれでも勝てたんじゃないかと、見ながら思っていた。

 

3回戦は3チーム合同の協力戦。やっぱり高校生クイズにはこれが必要なのよ。クイズそのものは「さもありなん」な問題だったが、共同戦線を張るクイズがあるからこそ、次の展開がある。問題そのもので関係性はそこまで見えなかったけども、これは有効打だったなあと。

 

準決勝でマトモなクイズ。ただし単なる知識クイズではなく、今回の高校生クイズのテーマである「ソウゾウ力」を生かした問題。「東大王」との差別化になれば、もうこの路線しかないわけですよ。「オリンピックのサッカーのハーフタイムの時間帯にトイレに行く人が増えるので、その時間帯に水道使用量が上がる」という問題は、ワールドカップのときの高校生クイズの過去問にあったと思う(それとも「雑学王」だっただろうか、定かじゃない)のだけど、一応知識側にも配慮してんのかなあとも少し思いました。

 

決勝は近年恒例の「体力実地知識ミックス問題」。今回は砂に埋まった巨大優勝トロフィーを引き抜く問題。体力も必要といいながら、砂に埋まったトロフィーを引き抜くには明らかに「理系の知識」が必要。ボール仕分け問題で灘高校が「ボールに光を当てて、影の大きさで仕分けする」なんてことをして失敗していたが、自分の持つ知識を基に実地に役立てるというのがいかに難しいかが分かる。この路線は最終的に「知識のみを持つ人間よりも、そこそこの知識を持ちながら発想力や行動力を持った人間が最後にまくっていく」というカタルシスを生み、「これなら自分たちでも勝てるかもしれん」となった高校生が戻ってくる可能性が以前より少し上がったのかなあ、なんてことは思う。

 

高校生クイズはこの路線をブラッシュアップし、あとは高校生同士の友情を生む仕組みさえちゃんと整えれば息を吹き返すんじゃないだろうか。周期1年めにしてはほどよくまとまっており、またかまいたちの有能さが目立った(高校生相手では千鳥よりもかまいたちのほうが優秀)。何百回も書いているけども、高校生クイズは「クイズ大会」ではあるけども、それよりも「青春を軸にした人間ドラマ」であってほしいのよ。クイズマニアのためのクイズは「東大王」に押し付けておいて、高校生クイズは「人間ドラマの復権」を目指そうぜ。自分は高校生が仲良く盛り上がったり、いがみあったりする瞬間が見たいのです。

 

あと最後に声を大にして言っておきたいが「トトトトラーイ」はやめよう。