ライフイズビューティフル

M-1グランプリ2021の感想を敗者復活から手短に。

 

敗者復活戦

キュウ

こんなにトップバッターに向かない漫才があるか。

 

アインシュタイン

もう見た目に頼らない漫才でもいいのかも。

 

ダイタク

昨年に引き続き日本で二番目に面白い双子(1位は引き続きおすピー)。

 

見取り図

昨年の自分たちの漫才と今年の忙しさというハードル。いや面白かったんだけど。

 

ハライチ

制限時間のブザーにキレる澤部にはさすがに笑うけど、それをノーペナルティ(かどうかは分からないけど、少なくとも見ていたぶんには説明されず)で敗者復活を通してしまうと、やったもん勝ちになってしまうわな。

 

マユリカ

近年稀に見る大ビンタ。

 

ヨネダ2000

THEWで決勝進んでたらこのネタやったのかなあ。個人的敗者復活2位。

 

ヘンダーソン

途中から少しクドかったかなあ。ハマれば強いけど。

 

アルコ&ピース

ひいきが強すぎてマトモな判断が出来ないけど、少なくとも勝ち残りではなかった。夢をありがとう。

 

カベポスター

去年よりも分かりやすく分かりにくくて。個人的3位。

 

ニューヨーク

持ち味が出てないよ。

 

男性ブランコ

「全治癒」というワードの強さ。勢いある。

 

東京ホテイソン

年々力強くなっていくなあ。

 

金属バット

なぜ勝てなかったのか分からないくらい個人的には圧勝。もっといえ坊主に。

 

からし蓮根

決め手があればなあ。

 

さや香

清々しいまでの力技。

 

 

決勝

モグライダー

さそり座の女テンダラーの必殺仕事人を彷彿とさせるイントロとボケのリフレイン。結局さそり座の女にたどり着かないんだろうな、と思いきやちゃんとたどり着く優しさ(と感じたのは自分だけか)。トップバッターとしてこれだけ盛り上がるのは素晴らしい!

 

ランジャタイ

猫。自分がこの1年でランジャタイに慣れてしまったのか、思ったほどぶっ飛んでると感じなかった時点でランジャタイの勝ちなのかなあ。点数がつかないのは「面白くない」とか「漫才じゃない」ではなくて、単に「点数として評価しにくい」ですよね。審査員泣かせ。富澤のコメントはただの照れ隠し。

 

ゆにばーす

ディベート。男女コンビなら1万回は聞かれるであろう「恋愛感情は?」という質問を最高の形でネタに。審査員も触れていたがはらちゃんのスキルが上がっていて、単純に漫才の面白さがエグい。

 

ハライチ

やりたいこと。敗者復活のやつをそのまま持ってくるかと思いきや、全然別でかつ「たぶんこれがやりたかったんだろうなあ」というネタをちゃんとぶん投げてくる強さ。「出るからには勝つ」という意思を感じました。

 

真空ジェシカ

一日市長。単発のボケを大量に放り込んでくる旧M1スタイル。ただしどのボケも個人的にあまり見た事のないタイプであり、巧いこと裏切られる。おばあちゃんのハンドサインは吹き出した。これで尻上がりの構造になったら無敵じゃないのか。

 

オズワルド

友達。いやあ、これは圧巻。最初から最後まで非の打ちどころがない構成で、今年の大本命だと言われるのも納得の出来。頭一つ抜けた1位もなんら不思議なところがない。畠中の気持ち悪い、ともすれば荒唐無稽なボケをちゃんと漫才の形にしている伊藤のツッコミ。来年は自分たちとの闘いじゃないか。

 

ロングコートダディ

生まれ変わる。生まれ変わる先が「肉うどん」というパワーワードと、そしてボケが来るなと分かってはいるけど、見ていてじわじわ欲してしまう独特の感覚。爆発力には欠けるかもしれないけど、ずーっと見てられるやつ。4分は短い!

 

錦鯉

合コン。最初から最後までバカな50歳がボケ倒すという錦鯉にしか出来ない漫才。錦鯉を最初に見たときに感じた「尻すぼみ」がここまで見事に解消されるか、という感動。「ひざ」の二文字でこれだけ爆笑を生むM1出場者はいない(寄席にはいるだろうけど)。これまた納得の2位。

 

インディアンス

怖い動画。今までのインディアンスは田渕の手数の多いボケが先行しすぎていた感があったけども、そこにしっかりきむのツッコミがかみ合ってくることによってひとつひとつのパンチが重くなった印象。一発の重いパンチを食らわす錦鯉に対して、ひとつひとつの重さでは負けるけど手数の多いインディアンス。これまた納得。

 

もも

欲しいもの。見た目とズレているというテンプレートが出来上がっているので、あとはもうここからもう一裏切りするかどうか、だよなあ。「ネタパレ」のショートで見るものと4分のものの差があまりなく、ここからうねるような展開があればそれこそ「来年優勝顔」になるのかも。「EXILEオーディションで1次審査で落ちる顔」のときに上戸彩のカメラに切り替えたのはスイッチャ―のファインプレー。相変わらず上戸彩愛に溢れているM1スタッフ。

 

 

最終決戦

インディアンス

売れたい。こっちのほうが従来のインディアンス感があって見やすかった。見やすかったけども、それは同時に決め手に欠けるということでもある。

 

錦鯉

サル捕獲。「(サルが)森に逃げた」「もうじゃあいいじゃねえかよ」が最高。そしてオチの「ライフイズビューティフル」。ちゃんと前半で介護のネタフリをしているところも進化よ進化。

 

オズワルド

1本目と同じく奇妙な畠中なのだけど、1本目の出来が良すぎて「さっきと比べるとそこまで爆発しない」という難しい状態に。前2組の作った空気を戻しきることが出来なかったのだなあ。

 

 

錦鯉まで終わった時点で「これは1本目と同じレベルのネタが出てきたらオズワルドだなあ」と思ったのだけど、オズワルドがそれほどハネなかったことによって錦鯉に勝利の女神がほほ笑んだ。どの組も決定打がなく、本当に紙一重の戦いだったように思うのだけど、審査員が最後に錦鯉に入れたくなる「何か」があったんじゃないかと思う。もう本当にそれくらいの差。

 

優勝が決まったときにオジサン二人が抱き合い、そして長谷川が泣く。それを見てサンドウィッチマン富澤もナイツ塙も泣く。オジサンがオジサンを見て泣き、またそれを見て自分(オジサン)も泣くというオジサンの涙の連鎖。でも最後にそれくらい熱くこみ上げるものがあったということなのだ。

 

錦鯉の最終決戦のオチの一言が「ライフイズビューティフル」だったが、紆余曲折を経てM1チャンピオンという栄光をつかみ取ったこの二人に相応しすぎる。M1終了後の「テレビ千鳥」における千鳥とアルピーの佇まいにも同じく「ライフイズビューティフル」と叫んでおきたい。ここ2年、暗い話題の多かった世界を反映してなのか、M1の決勝に残った漫才はどれもこれも素敵なバカばかり。やっぱりみんな笑いたいんだと思います。自分含めて。

 

来年はもっとバカバカしく楽しい年になるといいですね。