2人

「2人」これ、何の数字か分かりますか?正解は「しくじり先生SP」に出演した先生のうち、逮捕された経験がある先生の数です。


しくじり先生 俺みたいになるな!!」は元々テレ朝の特番として数回放送されたのちに、テレ朝深夜枠でレギュラー化。その初回オリエンタルラジオ先生の出来が素晴らしいことは知っていたのですが、いかんせん北海道はネットされずに悲しい思いをしました。そしてこの度ゴールデン昇格に。テレ朝バラエティの王道を突き進んでおります。*1


番組は「しくじり先生」と呼ばれるタレントが、自分の失敗談を元に授業を展開。教訓を生徒に伝えるというもの。もちろん教訓は本当にタメになるものばかりではあるんだが、もちろんこの番組の肝はそこではない。いかにして「自分がしくじったことをネタに話が展開できるか」なのです。「しくじった」という事実を見つめつつ、それをどう相対化するか。


基本的に自分が「しくじっている」というのを認めるのは難しい作業です。失敗は誰でもしたくないし、自分が失敗しているとは思いたくない。そしてたとえ他人の目から見て失敗が明らかでも、それを他人が本人の承諾なしにネタにしたり笑うというのはいささか品がない。ただ、「他人の不幸は蜜の味」と言うように、他人の失敗ほど面白いことはない。


しかし本人がしくじったことを認め、それを笑いに変えていいというのであれば、これほど楽しいことはないのです。しくじった先生の度量による部分が大きいが、そこさえクリアできれば面白さは保障されたようなもの。そして実際にこの番組は本当に面白い。


今回先生として登場した堀江貴文、DaiGo、みちよ(元平家みちよ)、前園真聖の4人も本当に面白かった。しくじり方がレジェンドクラスの堀江なんか番組見なくても面白いことが分かるし(実際にエグいくらいに面白かった)、メンタルがズタボロになったDaiGo、サッカー喩えが秀逸すぎた前園(これは作家のおかげだろうけど)も良かったし、モー娘。直撃世代の自分はなんといってもみちよさんがグっときた。


みちよさんは自分のしくじりを「(シャ乱Qロックボーカリスト)オーディションに受かったことによる満足とハングリー精神のなさ」と分析していた。もちろん間違いではないだろう。けど、みちよさんが躓いた真の理由は「はたけのプロデューサーとしての能力の欠如」だったことは、当時ASAYANを見ていた人であればみんな知っていたはず。もちろんつんく♂のプロデューサーとして超一流だったことが不幸なのもあるが、もうちょっとなんとかなっただろ、という気はしている。シングル2曲目が「卒業 〜TOP OF THE WORLD〜」はないよなあ。ロックボーカリストとしてデビューしたのに、いきなりカーペンターズのカバーでしかも訳詞がまことだもん。売れるほうがおかしい。


それはともかく、番組の話に戻る。自分はオリエンタルラジオ先生を超える先生は登場しないと思っている。だから瞬間最高風速は出ないんだけども、あとはいかにオリラジ先生に近づくような魂の咆哮が出てくるか、そしてそれをいかに量産し続けるかという話になってくるだろう。ゴールデンに昇格して「面白くなくなった」という寝惚けた発言は必ず聞こえてくるが、この番組の性質を考えたらゴールデンであろうとなかろうと金属疲労が出るのは当然。そんな雑音を封殺するためにも、最初の3か月くらいは深夜以上のクオリティで気張ってほしいと思う。そして最終回にはぜひとも「なぜこの番組がしくじったのか」で、若林先生が登場すればいいんです。

*1:ちなみにゴールデン昇格で北海道にもネットされることが決まり、オリラジの回は「特別編」として無事放送されました。