病院食かよ

「しゃべくり007」に指原莉乃ファンキー加藤

 

指原は卒業後バラエティ初出演、ファンキー加藤は騒動後バラエティ初出演ということで、指原はともかくファンキー加藤研究家の自分としては見逃せない一本となっておりました。そして見終わった結果が「別に見なくてよかった」である。

 

指原さんに関しては自他ともに認める「バラエティの女王」である。好き嫌いはともかく、現代のバラエティに完全に順応し、そしてその手腕をいかんなく発揮する。そんな女王が最初に出てくる番組が「しゃべくり007」である。

 

「しゃべくり007」はかつてオリエンタルラジオ藤森がいろんなことをぶっちゃけたせいなのか、はたまたレギュラー出演者が色々な方向からコントを仕掛けてくるせいなのか「芸能人にとっては大変な番組」というイメージがあるかもしれない。しかしその実、司会のくりぃむ上田をはじめとして「きわどいことを聞いてくるようで、ちゃんとNGの一線は守ってくる」という出演者にとってド安全な番組でもある。

 

だからこそ「大して喋りたくもないけども、バラエティに出て親しみを出したい感じ」の芸能人は好んで「しゃべくり007」に出演する。以前なら「スマスマ」という選択肢もあったのだけども、スマスマ亡きあと同じ枠で安全なこの番組が重宝されるのも無理はない。しかも漠然と「いろんなことをぶっちゃける」と思われていることも大きいんじゃないだろうか。それに何言っても否定されない。全肯定だもん。気持ちいいよな。

 

なもんで、今回ファンキー加藤がこの番組を復帰番組として選択したのは「ああなるほどね」という感じだ。NGなしとは言いながら本当のNGを巧みに避けて7人が話を振ってくれるから楽なんだもの。本当に全てを棄てて話す覚悟があれば「サンジャポ」「バイキング」「ワイドナショー」といくらでも茨の道がある。しかし芸能人は好んで「しゃべくり007」に出るのだ。我が身は可愛いよね。もしファンキー加藤が「サンジャポ」出るなら、そりゃあアンタッチャブル柴田呼ぶもの。

 

ちゅうわけで復帰作のファンキー加藤は突っ込んで不倫について聞かれるでもなく、かといってファンキー加藤の真骨頂である「褒められたい」は自粛モード(ただし全国ツアーで動員数をさりげなく放り込んでくるあたりに片鱗は見られた)で面白さもない。ただファンキー加藤の自粛期間の大して面白くもない話を十数分聞かされて終わり。これでは何も見る価値がない。

 

かといって指原のパートが面白かったのかといえば、それもまたNOである。指原はバラエティのプレイヤーとしては優秀だけども、指原本人にバラエティとしての価値があるわけではない(と自分は思っている)ので別に指原がラーメンを解禁しようが恋愛を解禁しようが、ヘアヌードを解禁しようが「そうですか」というだけの話。全てが「そうですかー」の薄味仕様。

 

薄味だったといえば「しくじり先生」の今井華も相当に薄味。ただ今井のしょうもない話を聞かされて終わり。教訓も何もない薄っぺらさ。本当に深夜30分復帰後の「しくじり先生」は味が薄い。「やんちゃ」という言葉で済まされる過去の悪行。そこに本当に反省はあるのかよ。それともAbemaを見れば濃くなるのかな。見ないけど。

 

というわけで昨日のバラエティはどいつもこいつも「病院食かよ」と思うくらい味が薄かった。いまやテレビのメインターゲットである老人向けに味を薄めているんだろうか。自分もこの薄味に慣れなければいけないのか。濃い味が欲しければネットで見ろってか。エロもそうなんだけど、ネットで探せばいくらでもあるものを、テレビという媒体で見るから面白いし興奮するんだろうに。同じことをバラエティでも言う日が来るのだろうか、いや、もう来ているのか。イヤな世の中だな。