滝川クリスティ

今年も「高校生クイズ」の感想を。

 

昨年に引き続き「地頭力」(じあたまりょく)を競うと銘打ち、クイズ研究会が行う競技クイズだけではどうにもならない問題が多く出題された。簡単にいえば「去年とほぼ同じ」である。去年とほぼ同じ、ということは対策のしようがないわけではなかったように思うけど、高校生の動きを見るとあんまり対策してきた出場者がいなかったような気がする。まあほぼ同じような問題出ると思わないもんなあ。ある意味裏を突いたのかもしれない。見ているほうは「うーん」と思ったけど。

 

だからまあ正直自分は「再放送でもそんなに分からんな」とは思ってしまった。つまんなかったというわけでもないが、かといってワクワクはあんまりしなかった。だって「またこういうことやるんでしょ?」って思ったから。たぶん出場者も。「またかよ」って思ったはず。決勝まで行った高校生も「ああ今年も早押しじゃないんだ」って思ったんじゃないか。

 

見どころとしては「除光液でシミを落とそうとした前年覇者」と「高校生にそれをやるのは酷」の2点。以下説明。

 

ひとつめ「除光液でシミを落とそうとした前年覇者」。1日目が終わりホテルに戻ってきた高校生たち。そこに登場したのはTシャツに醤油の大きなしみを作った千鳥大悟。これを落とすために1日つけておく液体は何?という問題。選択肢は6択で、一番落ちなかった高校生が脱落というもの。

 

「いちばん落ちる液体は何?」であれば結構難しい。しかし「もっとも落ちない液体を選ばなければよい」は非常にハードルが低い。なぜなら、選択肢の中には「大根おろし」「米のとぎ汁」など、無難に落ちそうなものも混じっていたからだ。高校生であれば「大根おろし酵素が含まれているので汚れを落とす」「米のとぎ汁は昔洗濯に使われていた」くらいの知識はある。あってほしい。理科からも家庭科からもアプローチできる問題だ。実際に「おばあちゃんがそうやっていた気がする」とか言っていた高校生もいた。

 

しかし前年覇者の桜丘高校はあろうことに「除光液」を選択。全く落ちずに敗退。これはいったいどういうことだ。前述したがこの問題が「一番落ちるものは?」という問題であれば、もしかしたら除光液には何かしみを落とす成分がたくさん含まれていて「意外な答え」として選択する余地はある。しかしこの問題は「一番落ちないものを選ばなければよい」なので、こんな冒険をする必要はない。少なくとも「あれはそこそこ落ちる」という知識があれば選ばなかったのでは、と感じる。

 

となれば導かれる結論としては「ルールがよく分かっていなくて勝負に出た」「そもそも家庭科や理科の知識が乏しかった」くらいなもんだろう。元々鹿児島ラサールに入学できるくらいの学力を持つ東兄弟にしては、かなりお粗末な結果だったと思いたい。週明けクイズ研究会にしみ付きのTシャツがかけられていないことを願う。

 

もうひとつの「高校生にそれやるのは酷」は、女子を擁するチームに対する比較。

 

IQ158の「いかにも私は頭が良い!」という雰囲気を醸してやまない女子を擁するチームと、チームメンバーに手作りのお守りを配るぽっちゃりメガネ女子を擁するチームがベスト8まで残ったわけですね。結果両チームとも敗れてしまうのですが、この2チームに対する「性格いい娘」と「性格悪い娘」の分かりやすい比較は、テレビ的に分かりやすくても、やっちゃあ可哀想だなとは思った。純朴なぽっちゃり女子に対して、女王様なIQ高い女子。短時間で印象づけるにはこれしかないけどなあ、ねえ。

 

特に「ひでえなあ(笑)」と思ったのが、乃木坂46のメンバーに対して漢字の3ヒントを与え、そこから人物を連想させるクイズ。自分たちが回答者ではなく出題者になるわけで、自分たちが会心のヒントを出しても乃木坂メンバーが答えることができなければダメというもの。IQ158の子のチームが出題者で、正解「滝川クリステル」に対して出したヒントが「政」「妻」「進」の3字。ヒントとしては上々であったが、乃木坂メンバーにピンとこない回答者や「滝川クリステル」の名前が思い出せないメンバーが数人いて苦戦。

 

ここで「クリスティ」と書いた乃木坂の人が「メンバーにクリスティがいて…」と言い訳している間、それを聞いてるIQ158の子が「お前の偏差値が低いからじゃボケ!」という明確な敵意をむき出していた顔が映る。これは可哀想!枡アナに指摘されて表情を崩したけども、今のテレビで乃木坂46にあんなに明確な敵意を向ける映像はない。枡アナが拾ってしまった以上その顔を映すのは仕方ないけど、いち高校生に対しては可哀想だよなあ。だってこんなしょうもないブログにわざわざ書かれてしまうのだよ!(書かなければいいだけではあるが)

 

結果このチームは準決勝で負けてしまうのだけど、静かに悔しがる女の子がじっくり流れた。悔しさがにじみ出ていて普通に考えたらいい映像なのだけど、前述の顔があり、前のクイズで無駄にチームメイトを泡に落としてみたりとしていたので、なんだか「挫折を味わうがいい」的なメッセージがこもっているような気がしてならなかった。もちろんそんなことはないのだろうが。

 

編集したほうは「分かりやすいドラマ」を求めての結果だろうけど、自分の感想は「女教師モノのAVじゃねえか」である。いつも生徒に対して横柄な態度をとる女教師(あるいは同級生とかでもいいんだけど)に対して、生徒側の男優が今までの態度をなじりながらよってたかって、というジャンルのやつ。序盤で性格のキツさを演出しておけばしておくほど後半でのシーンが映える。最後のクイズに敗れたシーンがいわゆる「屈服」ですよね。これがAVならばこの後チームメイトに、という流れですよ。

 

今この文を読んで嫌悪感丸出しにしたあなた、その顔が前述した乃木坂の子に向けられた顔です。これが言いたかったんです!(大嘘)まあこの説が当たっていれば、編集マンは確実に勃起しながら編集していましたね。AV業界はこのジャンルの新しいバージョンとして検討願いたい。出たら買う。たぶん2019高校生クイズ最低の感想。

 

それはともかく、3年1セットと言われている高校生クイズは(あれば)来年もこんな感じになるんだろう。せめて最後にノーマル早押しもやってあげてほしいとは思います。その後はクイズノック監修とかになるのかなー、なー(伊沢氏は嫌いじゃないよ、念のため!)。あ、あと優勝した洛北おめでとう!(全然覚えてない)