ギアチェンジ

今年も「高校生クイズ」の感想を書いておきます。


フォーマットは昨年と大きく変わりません。日テレの大いなるクイズ遺産である「ウルトラクイズ」をベースにしつつ*1、昨年から2人1組になったことにより「男女カップル」というリア充どもが登場。しばらくはこの対立構造が続くのか、という感じです。


それもこれも全ては「参加人数の著しい減少」が元凶。個人的には数年前に起こした「メガネ男子ドヤ顔甲子園」*2の影響なので完全に自業自得。今は失地回復中です。


今年も昨年同様に「21世紀枠」(昨年は「特別枠」という名称でしたが)によって、意図的に集められた男女ペアもしくは女性のみのペア。番組のためには仕方ない。けどガチ感も薄い。日本でやった予選の勝ち抜けクイズの難易度が低かったことからも、「海外ではしゃぐカップル(特に女性)を映したい」という魂胆は中尾ミエ。昨年も書きましたが、正しいと思います。でも2組いたカップルのうち、片方は全く取り上げられなかったのは可哀想ですね。カップルにも格差をつけてはいかん。


どろんこ、大声、そしてトラック爆走(13回ウルトラのチムニーロックのオマージュですね)ときてバラマキ。逆にひとつくらいオリジナルで作ってもいいだろ、と佐野氏ばりに批判されそうなもんですが、今の高校生はオリジナル知らないし、クイズ好きはそれでいいので誰も批判しません。これでいいんです。


ただまあ自分からすれば、ただクイズの形式をマネるんじゃなくて、何かそこに「高校生クイズ」らしさを出せよとは思うのですね。何度も何度も何度も書いてますが、高校生クイズは「クイズ以外のところで発露される感情」が見どころなのであり、それをいかに切り取るかが重要。別にカップルがただイチャつくさまを見たいのではない。イチャつくにしても、それがどのような流れでイチャついているのか、またもっさい男子ペアがそれを見てどう思っているのかが重要だ。


自分が願っていた「カップル撲滅クイズ」はなかったものの、準決勝のトラック爆走で結果的に「カップル撲滅」になったのはちょっと笑いました。ただこれは半ば意図されたものだったように思います。最終的に今回いわゆる「メガネ男子どや顔クイズ研究会」高校(高偏差値高校)が最後揃ったのも、準決勝の結果によるもの。準決勝では、今までのクイズのレベルからひとつギアを上げてきました(決勝ではもう一段階上がりましたが)。その結果「イチャつくだけでは勝てないよ」てな感じで、カップル2組が落とされました。昨年の男子ペアないがしろを反省したのでしょう。


しかしそうであるならば、もっと早い段階で「クイズ研究会殺し」もやっておいてほしい。ヌルいクイズだけ出しているんであればそりゃ実力者は勝ち残る。実力だけではどうにもならないところを実力者が勝ち残るから本当は面白い。もちろん番組ですから「演出」はあっていい(もちろんクイズにおける不正があるという意味ではなく)。ある程度最後にどのようなメンバーが揃うのか、という青写真は出来ているべきだ。しかしそれを実際に裏切るようなことがあるから高校生クイズは面白いんじゃないのかな?今回のメンバーは「スタッフが思い描いていた展開」でしょうよ。


基本線はこれでいいと思います。ただ無理に海外に行く必要もないし、負けていった高校生にももう少し光が当たってほしい。これも毎年言ってることです。そして、もっと高校生の感情を揺さぶるようなゲーム性が欲しいです。何度も言ってますが、20回大会の「特Qファイヤー号」こそが至高だと自分は思ってます。そして来年こそはぜひとも「カップルVS同性ペア」の実現を。自分はメガネ男子のドヤ顔ではなく、カップルペアが正解してイチャつくさまを下唇を噛みしめながら闘志を燃やす姿が見たい。また来年です。

*1:昨今の流れであれば「高校生クイズウルトラクイズのパクリ!」とか言い出しそうで怖いですよね、佐野さん

*2:「知の格闘技」とか言って、本当は偏差値関係ないのにクイズ研究会でなければ答えられないような問題ばかりにして煽った結果「あんなもん出場しても仕方ない」と世の普通の高校生たちを遠ざけた