ワルキューレの伝説

今一番ハマっている番組は「ザ・ラストヒロイン〜ワルキューレの審判〜」です。先日yahooニュースで取り上げられているのを見て「先を越された!」と普通に思ってしまった。


先日東京に行った際にこの話を力説したら「知らない」と言われてしまったのですが、それもそのはず。東海テレビ制作の番組で、なぜか北海道と沖縄でのみネットされているからで、「北海道でやっているもんは東京でも当然ながらやっている」という田舎者の思い込みが完全に出た形。


どんな番組かといえば、オーディション番組である。最近はTBSが「sing!sing!sing!」でボーカリストのオーディション番組をやっていたりして、また徐々に素人参加型のオーディション番組が復活しそうな予感がある。SNSが浸透し自ら情報を発信できるこの時代に、内幕が明かされやすいテレビ番組のオーディションは流行らないような感じもするが、そこらへんの情報を逆に遮断してしまえば面白い。


この番組のスタイルは「ラストヒロイン」を目指す参加者が「歌」「演技」「ダンス」の3つの授業を受講しながら、その都度「能力がない」と見なされた人物が脱落していくというもの。第1期はイエローカード2枚で退学だったのだが、新メンバーが加わった第2期は必ずひとつの授業が終わるたびに退学者が出ることになりサバイバル度が増した。


自分にとってオーディション番組といえば「夢のオーディションバラエティ」こと「ASAYAN」が思い浮かぶわけだが、あの「ASAYAN」の多少の下世話さを含みつつ、マジメにオーディションを受けている人たちをあーだこーだ言いながら見るのがとても楽しいのである。


参加者がどう思っているかは分からないが、個人的にはこの番組で優勝しラストヒロインになったところで、「何でもできるけど、それが売れることにはならない」という、いわゆる平家みちよ的な器用貧乏なスターが出来上がるだけじゃないかという気はする。ただまあそれも折りこみ済みで参加しているんだからいいんだろう。どれか3部門のうち突出した才能があれば、この番組で落ちてもどこかが拾うんだろうし。


そんな番組で、自分が激推ししているのが「坂尻あい」さん19歳です。


坂尻さんはとてもいいボーカリストです。とてもいいボーカリストなのですが、いかんせんダンスのセンスが全くありません。本人が見てたら気を悪くすると思うのですが、現代っ子にしては脚も短いです。顔も特別可愛いわけではありません。他の候補生は現代っ子的にスタイルもいいし顔も整ってます。脱落していったメンバーのほうがよっぽど一般的にはウケるような人たちでした。しかし、そんな彼女がなんとか生き残っている。これが最高に魅力的です。


この番組のルールは前述のとおり、「歌」「ダンス」「演技」のどれか一つでもダメなところがあればシビアに脱落させられてしまうのです。歌に関しては正直全然心配はいらないレベルです。演技に関しても特別上手いことはありませんが、努力していることが分かるし、評価もそれほど低くはないのです。


しかしダンスだけは、これはもう絶望的にセンスがない。素人の自分が見てもセンスがない。序盤で披露されたダンスは井森美幸の伝説のダンス*1を彷彿とさせる「ああ、ダメだ」感にあふれていた。井森ダンスは突き抜けてしまい面白いけども、別に坂尻さんのダンスが面白いわけでもない。一言でいえば「ハラハラする」ものでしかない。


だから自分はダンスの授業が回ってくるたびに「坂尻さん脱落しないで!」と祈りながら見ている。前回のダンスの授業で脱落しなかったのが不思議なくらいなのに、まだ落ちてない。人数もだいぶ絞られてきて(現時点で残っているのは7名)、もうダンスがヘタな人はいない。そして次の授業はダンスなのである。もう、これは、ヤバい。絶体絶命だ。


もしここで坂尻さんが落とされてしまっても、彼女の才能を誰か拾ってあげてほしい。もしラストヒロインにならなくても「ワルキューレ娘。」とかいう名前でユニット作ってほしい。そして「ケメコ」とか呼ばれるようになって最終的にレストランのオーナーシェフと結婚して、矢口の心配とかしてほしい。


今回この文章を読んで少しでも坂尻さんに、「ラストヒロイン」に興味を持ったあなたは、ぜひ最初から番組を見てほしい。東海テレビが「全国ネットじゃないから」という理由なのかは分からないが、ちゃんとすべてyoutubeにアップしてくれている。坂尻さんの歌声を、ラストヒロインの番組の雰囲気を、そして毎回最初に登場する謎のオブザーバー大坪貴史*2を自分の目で確かめてみてほしい。きっとあなたも坂尻さんが好きになる。

*1:このVTRをホリプロは「価値を保つ」ために今意図的に封印しているらしいです

*2:吉本の俳優さんで北海道出身らしいですが、こいつが何者なのか全く説明のないまま番組が進むのが実はこの番組最大の見どころである