正確に伝えるべきこと

今は3月あたりに録画した番組を消化している時期なのですが、3月ごろはオウム真理教地下鉄サリン事件から20年ということもあり、多くのオウム関連番組が放送されていた。20年前は中学生だった自分にとって、地下鉄サリン事件は、というよりオウムの一連の事件は、自分のぼんやりとした人生観を形成したように思う。


だからオウム関連の番組はやっぱり何となく見てしまう。当時のことを忘れないためにも、また当時分からなかったことが今になってどのような展開になっているのかを知る意味でもだ。


今日見たのはフジで放送されていた特番。オウム被害者の会の代表だった永岡さんの視点から描かれるオウムとの戦い。当時のオウムの報道を追いかけていた人間であれば当然のように知っている話ばかりではあるんだが、当時まだ小さかった10代・20代の若者はこのドラマを見たのだろうか。あるいは見てどう思ったのだろうか。


当時を知らない人からすれば、オウムの事件というのはとにかく奇異に映るはずだ。なんであんな胡散臭いヨガ教室にハマるのか。胡散臭いオッサンを教祖と崇めたのか。本当にハルマゲドンなんて来ると思っていたのか。おおよそ荒唐無稽なマンガのような展開が「再現ドラマ」として放送されるのだから、「昔の日本人はバカだったんじゃないか」なんてことすら思っても不思議ではない。


オウム真理教に関する事実」を抜き出せばそうなる。けど、その事実を抜き出す前に最も重点を置くべき話は「なぜオウムのような団体に若者がハマっていったのか」を正確に伝えることだろう。自分が正確に当時の雰囲気を知っているわけではないが、バブル経済になった日本の「金銭では満たされない漠然とした心の不安を埋めるもの」として当時のオウムが機能しており、それは先行きが不透明であり、将来に漠然とした不安を抱えている現代人にとって「今なお同じような役割で存在している」ことにちゃんと触れるべきじゃないのかな、と。


20年も前の話はもう歴史扱いになる。しかし依然としてそこに看過できない問題が横たわっていることに、こういう機会に少しでも考える必要はやはりあるんだろうなと思う。


あまりにマジメなこと書いたので最後に中和しておきます。


「アイムホーム」が上戸彩のおっぱいの話題しかないという現状!ちょっと面白い!