キュウリを喰う男

・臨場
内野聖陽主演のドラマ。横山秀夫の小説が原作。


こちらはこちらで昨年放送された「ゴンゾウ〜伝説の刑事」と同じ枠で同じ内野主演の警察ドラマ。別作品だとはいえ、正直「ゴンゾウ」を思い出さないほうが無理。ていうか、「ゴンゾウ」にハマった人をそのまま取り込んでしまおうという思惑がミエミエで、その思惑にまんまとはまる自分。


本当は比較すること自体がナンセンスではあるんだけど、そう見てしまうのは仕方ない。「破天荒なんだけど仕事はちゃんとやる」って点ではやっぱり似てるんだろうな。上司との因縁、対立ってのも似てる。ただ内野のおちゃらけシーンは割と少なく、一方で怒鳴るシーンが非常に多い。ドラマ全体の緩急のつけ方が「ゴンゾウ」よりもヘタだという印象。ま、本当に比較するもんではないのだが。


作品単体としては原作の面白さもあるだろうが、無難に及第点は越えている。じゅうぶんに面白い。けど、どうしても比較してしまう「ゴンゾウ」との面白さ勝負になるとちと分が悪い。視聴者に「ゴンゾウ」を想起させつつも、「ゴンゾウ」とは違った面白さで勝負しなければならないという、えらく高いハードルを自ら課してしまったのが裏目に出てはいないかね、と思えてしまう。


これも誰しもが思うことだろうが、主演は内野ではないほうが良かったんじゃないだろうか。かといって他に誰がいいと言われれば咄嗟に思いつくもんでもないけど。だからまあ、この作品を素直に楽しめるのは「ゴンゾウ」を見ていない視聴者なんだけど、「ゴンゾウ」を見なかった人がこのドラマだけを見るともなかなか思えない。強いてあげれば横山秀夫ファンか。


ドラマとしてはそこそこ面白いだけに、余計な雑念が入らない人こそ真に面白いというのが勿体無い。まあ1ヶ月も見れば前作のイメージも次第に和らぎこのドラマの面白さに慣れるんだろうが、「ゴンゾウ」ファンだった人をそこまで繋ぎとめておけるかが勝負でしょう。初回14.1%という数字の高さも期待の表れだとすれば、これをどこまで減らさずにいけるかが問題。


ひとつ全くドラマと関係ないところで面白かったのが、容疑者扱いされた女性の旦那がBOOMERの河田だったこと。誰がキャスティングしたんだろうなあ、河田。バーターなのか?