安易安易安易

アタシんちの男子
堀北真希主演のドラマ。ホームレスだった堀北が訳あって個性的な6人の兄弟の母親となる話。


火曜21時で堀北真希でイケメンが並んで、と前作「メイちゃんの執事」に続く「花ざかりの君たちへ」の2匹目のドジョウを狙いまくりなキャストに内容。なんか「このキャストにしておけば数字が取れるんじゃないの?」という壮大な勘違いのもとに製作されているとしか思えない。


あまりに安易だから一回大きくコケろとか思うんですけど、視聴者も安易なもので初回視聴率が14.1%とそこそこ取ってしまうんだから、何ともいえない部分はありますわな。不毛な安易合戦です。


でまあ、企画が安易なもんだからやっぱり内容も安易。とりあえず「家族」をテーマに説教たれてみたものの、あまりに現実離れしているところから説教されても困る。「食べ物は残しちゃいかん!」と満漢全席を目の前にして熱弁しているガリガリのおっさんみたいな感じ。それも全部含めてギャグだってなら笑えるんだろうが。いや、笑えないか。


脚本を担当しているのはそれこそ「花ざかりの君たちへ」を担当した武藤将吾。だから基本似ているのは仕方ないにしろ、思いっきり「花ざかりの君たちへ」を踏襲しているわけではなく、どちらかといえば氏が脚本を担当した「電車男」や「セレブと貧乏太郎」のようなノリに近い。意味なく芸人が劇中に登場するという、ドラマの本筋と関係ないところで笑いを取ろうとするやり方は好きじゃない。今回も響の長友がソバ屋で出てきたけど、あのくだり全く必要ない。


脚本としても安易だけども、登場人物のキャラ造詣も結構安易で、どいつもこいつも見たことあるような感じで困る。同じ枠で連投となる向井理を使わないという選択肢はなかったのか?イケメンがイケメンであることと堀北真希が可愛いことだけに依存したようなドラマであり、これだったら「花ざかりの君たちへ」の再放送でもしてろよ、と思ってしまう。


唯一笑ったのは江口のりこがメイド役で登場してダンクシュート決めたところ。江口のりこにメイド姿でダンクシュートを決めさせるという発想はなかった。江口のりこの人を見下げたような表情は、好きです。


最終的には兄弟まとまって仲良くなってめでたしめでたし、かつ誰かと結ばれるんでしょうが、ドラマとしての見所は今後も全くないでしょう。堀北真希の可愛さはかなりのもんですが、ドラマの安易さを相殺して我慢できる人限定で。あとは出演者のイケメン好きな人は見ればいいと思います。