サバイバー

TBS「サバイバー」の視聴率がまさに「サバイバー」である。普段も「伊東家の食卓」に押されてサバイバー気味なのにW杯の中継とかぶったときは本当にサバイバーな視聴率だった(確か1.7%)。これでは本家のアメリカ版サバイバーも浮かばれまい(まあ、あのアメリカの企画自体が電波少年の企画のパクリっぽいので本当の本家は日本テレビなのかもしれないが)。

そもそも「サバイバー」という番組はどのようなものなのか説明をすると、10数人が一応「無人」とされているところでサバイバル生活をし、その途中で様々なゲームを繰り広げ、脱落者を投票で決めていき、最後まで残った一人が賞金を手にできるというシステムの番組である。アメリカではこいつが大ヒットしたわけで日本でもアメリカ版のサバイバーが放送されていたわけだが、その放送権をTBSが高額はたいて獲得して放送しているのが現在の日本版のサバイバーだ。しかし、日本ではそんな番組よりもみな「伊東家」に夢中で誰も見ていない。

第一手法がまずい。アメリカではこの手の番組は「演出」ありきである。しかし、日本人は同局のガチンコ!」のやらせには寛容であるにも関わらず他の番組においては「やらせ」はご法度なのである。だからろくな演出もできない。だもんで、当然アメリカ版と比べれば明らかにつまらない。なんならいっそのこと演出アリでやればいいじゃん、なんてバカなことは言わない。

だって、もうやってるはずだから。

TBSはご存知のように「やらせ=演出の範囲」という勝利の方程式を優先しているテレビ局である。じゃないと「ガチンコ!」や「学校へ行こう!」みたいな番組は生まれない。自分もヤラセ容認の立場をとっているのでとやかく言う筋合いは無いが(ここで語るべき問題ではない)、とにかく「演出の範囲内」で何かはやっているのは容易に想像がつく。要するに問題なのは、それなのにつまらないから救いようがないことだ。

これ以外にも問題点はある。アメリカに比べて賞金が安い。でもまあこれはしょうがない部分がある。日本の法律ではないが、テレビの組合が視聴者へ与える景品(賞金)の限度額を自粛しているせいで、おおっぴらに大金を出せない側面があるからだ。アメリカでは優勝賞金が日本円にして1億くらいだったと記憶しているが、日本ではたかだか1000万。

だから挑戦者の「人生変えてやる」感が薄い。薄っぺらい。なんか「金がもらえることで人生を変えにきた」ではなく「このサバイバル経験を通して人生を変えにきた。あくまで賞金は付属品」みたいなやつまで出る始末。ひとりで勝手に山でもこもってろと言いたい。最初から目的が違う。意味不明。こういう奴らがこの番組をダメにしてることにスタッフ気づいているのか?賞金がかかっているからこそ人間の嫌な部分を抉り出す醜い争いになるのであって、さらにそれを視聴者は期待しているのにも関わらず、こんなんじゃそのような視聴者の期待したドラマも生まれねえよ。

視聴者は何を目的でこの番組見ていると考えているんだ?感動?ありえない。やっぱあのドロドロ感がたまらないのに、勝手に視聴者のニーズをはき違いだもん。次のクールで終了決定だろうかね?


さて、そんな危ない「サバイバー」を見たいという物好きな人の為に現在の内容をフォローすることにします。第2シーズンが始まったサバイバー。先週までは

「某国の亜寒帯地方」で繰り広げられるサバイバルレース、生き残るのは誰か?

と、なっていたはずなのに、今週のテレビ欄見たら

北海道シリーズ

だってさ。確かに「某国の亜寒帯地方」である。でもこの寸借サギにあったような感じはどのようにして拭えばいいんだ?

この視聴者に対する裏切りを挽回するにはスタッフが熊と戦うしかないんじゃないだろうか。