自分のミスを棚に上げて

前回更新で「イロモネアが枠移動する」という事実を知らずに長々と書いてしまった。


こういうものを書く場合に下調べすることは必要ですから、まあ誰が悪いと言われれば自分が悪い。それは分かっているんです。けどその一方で「そんなに都合よくホイホイ番組が枠移動するのってどうなのよ?」という気持ちが自分の中にあったからこそ「イロモネアまでが枠移動する」なんて思ってなかったこともまた事実なのです。いや言い訳ですよ。


けど今回のミスを棚に上げて言わせてもられば、そして自分は以前から何度も同じことを言ってはいるんですがやはり「番組の枠移動はすべきではない」でしょう。


本日発売のテレビジョンをざっと眺めたらジャニーズ・イケメンのどうでもいい記事ばかりで殆ど読むとこなくて「もっと番組情報が豊富に載っているテレビ雑誌をどこか創刊しないかなあ」と真剣に思っているわけですけど、それはどうでもよく、春の番組改変で番組が大幅に枠移動する旨が伝えられていた。


日テレが平日19時台に帯の番組を開始させるため、現在その枠で放送されている番組は軒並み枠移動になる。またTBSも今回枠移動が多く、そして元祖枠移動大好き局のNHKもやはり深夜の時間帯を中心にいじっている。


これも何度も言っているが「テレビは習慣で見るもの」なのです。特に自分はテレビ番組で曜日感覚を把握しているので、番組が移動されるとそのリズムが完全に狂ってしまう。そして狂ったリズムを取り戻すために調整を図るわけだが、その調整がうまく行かないと番組を見る習慣自体がなくなってしまい、結局見なくなる。


自分にとってその典型番組だったのが「爆笑オンエアバトル」だ。番組時間がコロコロ変わるし、隔週になってみたこともあった。毎年のように放送時間が変わるので、1年殆ど見た年もあれば、全然見ない年もあった。自分の気まぐれという部分もあるけど、「放送時間が変わって見る習慣が消えた」という理由が一番大きい。


そして春からは月イチのオンエアになるわけで、1ヶ月に1回見逃したら終わりである。今までの放送時間とも違うし、月に1度しか放送されない。これはNHKが積極的に番組を見せることを放棄しているようなものだ。熱心に追いかけているファンなら見るのかもしれないが、自分くらいの温度になってしまうと厳しい。


もちろん枠移動にはそれなりのメリットもある。一番大きいのは裏番組が強力かつターゲットの視聴者層がかぶっている場合、他の時間帯に移動させることでかぶりを回避し番組が復活することもしばしばある。そして番組をコマのように扱うことで、テレビ局の思惑に沿った編成を実現させることも出来る。


けど、これらのメリットよりも「視聴習慣がなくなり、今まで見ていた人が見なくなる」というデメリットのほうが自分には大きいように思えてならない。例えばTBSは春から長年月曜19時で放送してきた「東京フレンドパーク2」を木曜20時に移動させる。15年月曜19時で放送してきたものを木曜20時に持ってこられても、これはピンと来ないのもいいとこだろう。フレンドパークといえば月曜なのだ。理屈ではなく15年という放送時間がこしらえた感覚だ。


移動の理由としてはおそらく裏番組の「ネプリーグ」を嫌ったのだろう。確かに番組のイメージは近い。ただ、今度は木曜20時に移動したら同じく移動していた日テレの「ぐるナイ」がある。自分には「ぐるナイ」のゴチを楽しく見ている視聴者層と「フレンドパーク」を楽しく見ている視聴者層はかぶる印象がある。「ネプリーグ」の後塵を拝すのがイヤで枠移動をすることが、果たして「月曜19時」という世間の感覚を捨ててまで有効なことなのだろうか。自分にはどうにもそうは思えない。


今年の春は過去自分の記憶にないくらい番組があっちこっちに移動する。これに視聴者が都合よくついてきてくれるのだろうか?自分の結論はもうとっくに出てはいるんだけども、とりあえずは「実際やってみてから数字を冷静に比較し分析してみる必要がある」とだけ述べておきたい。「番組さえ面白ければどんな時間に放送したって視聴者はついてくる」なんてのはテレビ局側のエゴであって、自分のような一部奇特な視聴者を除けば、そこまで視聴者は親切じゃない。必死に追いかけない。今のテレビ番組にそれだけの力なんてない。


それとも「今は録画して見る時代だから、放送時間による視聴習慣なんて関係ない」とでも言うのだろうか。だったら録画は全く関係ない「視聴率」なんて調査はもうやめればいいんじゃないの。録画したらCMだって飛ばされるんだしさ。


最後にもう一度書きますが、テレビの視聴は習慣なのです。習慣を破壊する番組の枠移動は肯定する気になれません。番組編成者は視聴習慣をもっと念頭に入れるべきだと思う。