アイアム記憶喪失中年

最近つい見てしまう番組といえば「アイアム冒険少年」だったりします。

 

様々な企画があるこの番組ですが、メインは「脱出島」。無人島から有人島まで自力で脱出するまでのタイムを競う企画。持ち込んでいいのはひとつのカバンに入る物だけ。それ以外のルールはなく、どんな方法でもよいので短時間で脱出出来れば勝ち。ミスター冒険少年ことあばれる君をはじめとして、今旬の芸能人からクイズ王伊沢まで人選は様々。

 

いろんな芸能人が知恵を凝らして脱出を試みるのも面白いのだけど、あばれる君が自身のサバイバル知識および肉体を生かして、次々とサバイバル能力を高めていく様を見るのは面白い。ネタのあばれる君はあんまり面白くないけど、こういう企画でのあばれる君のタレントとしての様はさすがと言わざるを得ない。

 

あばれる君は「元山岳部主将」という肩書と実績があるので重宝され、番組でもメインとして活躍しているのは納得なのですが、「脱出島」に登場する芸能人の中には「お?これは色々大丈夫なのかな?」と思う人が少なからず登場する。誰とは言わない。

 

自分も子供ではないので、そこで「こんなもんはヤラセだ」と無粋な事は言いません。実際無人島に芸能人が赴き、そしてある程度のカメラの取れ高が出るまでは何かしらやっているんだと思います。カメラ外のことは知らないし、サバイバルにおける「それはどのスタッフが仕込んできたんだよ」と言わざるを得ない謎知識など、往々に胡散臭い部分があるんだけど、それら込みで楽しむのがこの番組だと思ってます。

 

大体この番組を見ているときは酒を飲んでいるのですが、あばれる君がサバイバルする様を酒を飲みながら何も考えずに見ていると、ふと頭に去来するものがあるわけですね。「うーん、無人島で芸能人が奮闘するのを放送するのは発明だなあ」と。「そのうち獲ったどー!とか言い出すんだろうな」と。

 

あれ?

 

「獲ったどー」というキーワードが頭に浮かんでくるまで自分はこれが「ただの黄金伝説のトレース」であることに全く気付かなかったわけです。いや、気付かないというか「黄金伝説」という存在がそもそも記憶から完全に消えていたわけです。「そんなバカな」とお思いかもしれませんが、オジサンという生き物(というか自分)は何も覚えちゃあいないのです。だから二番煎じもいいところな「アイアム冒険少年」を楽しく見ることが出来る記憶喪失中年がここにいるわけです。

 

「アイアム冒険少年」は、「いきなり黄金伝説」が放送されている頃の記憶がない子どもたちとそのご家族が見るようなファミリー番組として充分に面白いです。そして自分のような「いきなり黄金伝説」のことなんて全て記憶の片隅に放り投げてしまった自分のようなオジサンも楽しく見れているのです。随所随所に胡散臭いのも家族向け。子供達は楽しみながら疑うことも番組を通じて学んでほしいものです。

 

どの口が、偉そうに。