物心ついたときから

菅井きん死去。92歳。


自分にとって菅井きんとは何だったのか。二つほど書いてみたい。

気付いたときには既におばあさん

自分が「菅井きん」という女優を認識したのはいつだろうか。wikipedia先生でざっと確認したところ、おそらくは「ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!」だろう。コントの中に登場するおばあさん、という認識だったと思う。


30年くらい前の話なので、当時の菅井は既に60代なので「おばあさん」と言えばそれはそれで間違いない。しかし今の60代の女優をざっと検索してみると「大竹しのぶ」だとか「かたせ梨乃」だとか「余貴美子」だとか、そりゃあまあ「おばあさん」と呼ぶにはちょっと若々しい人たちの名前が出てくる。年齢的には「おばあさん」かもしれないが、いわゆる「おばあさん」ではないのだ。


それに対して当時の菅井きんは、もう既に「おばあさん」だったのである。いわば自分にとって菅井きんは「物心ついたときからおばあさん」だったのだ。今そういう人ってあんまりいない気がする。


自分にとっての「物心ついたときからおじいさん」と言えば桂歌丸だった。その歌丸も今年亡くなった。なんかちょっと思うところはある。

菅井きん前田吟

自分にとっての菅井きんとは、前田吟とセットになる存在だった。というのも、「ビートたけしのつくり方」という番組が25年ほど前に放送されていたわけだが、その中でベートーベンの「運命」に乗せて「菅井きーーん」「前田ぎーーん」と両者の名前を連呼して終わる、というシュールにも程があるVTRが流れていたのだ。


自分にはその印象が鮮明すぎて(当時小学生の自分にはあまりにも意味が分からなくて。ちなみに今でもよく分からない)、菅井きんとは「前田吟と対をなすもの」でしかない。「でしかない」って言い方はアレなんだけど、最終的にはそうなる。何はともあれ、合掌。