思てたのと違う

となりのトトロ」をついうっかり見てしまったのです。


となりのトトロ」に説明なんかいらないような気はしますが、一応書いておけば宮崎駿の監督作品の映画。1988年の作品だから、もう30年前のものだ。30年前のドラマが再放送されることはめったにないが、30年前の映画はこうしていまだに放送されるのだから、やはり映画の凄さというのを改めて思い知らされる。無論「となりのトトロ」という超名作だからこそ、ではあるんだけども。


自分が小学生の頃から、事あるごとに目にしてきたこの作品。テレビはもちろん、学校なんかでも上映されたりして、そのストーリーはしっかりと頭に入っている。だから今更見たところで「懐かしさ」こそあれ、何か改めて感動するとかそんなことはないと思っていた。思っていたのよ。


しかし自分は齢をとっていた。子どもの頃見ていたものとは全く別のところがガンガン心に引っかかる。全く同じものを見ているはずなのに、自分の記憶とは全然違うところが刺激されてくる。なんだろう、全然思っていたのと違う。「トトロがかわいらしい」とかいう感想じゃない。「映画全体を貫く無垢さが自分に完全に欠落していて、なんか辛い」だ。自分のことを必要以上に卑下しているわけじゃない。けど、自分にはこの無垢さはちょっと眩しい。反省したくなる。


自分が子どもだったころ、その時の大人は今の自分と同じような気分でこの映画を見ていたのだろうか。それとも子どもたちと同じように無垢な気持ちで見ていたのだろうか。なんというか、自分の「大人としての至らなさ(簡単に言うと独身子どもなし)」が今の感想を惹起しているだけで、普通の大人はこんな気分にならないのかも。


結局ドラマとか映画とか、人間は物語に自分を反映させてしか見ることが出来ないものなのかもしれません。なんかマジメなこと書いてるっぽい感じなのでとりあえず「おっぱい」って書いておきますね。中和。