そして何になる

仕事休みでHDDのお掃除(=ただひたすら録画を消化する)をしていました。そこそこ時間があったので、普段億劫で見るのを後回しにしている映画でも見たろかいな、と思いまして「そして父になる」を見ました。日付見たら4年前に録画したやつ。今日がたまたま父の日なのですが、全然意識したわけではないです。「そういや今日集団左遷あるなー」くらいのノリです。

 

言っても6年前の映画であり、今更あらすじを述べたところで誰の何の役にも立たない。簡単に書けば「もしも6年間育てた子どもが他人の子だったら」という話です。「水曜日のダウンタウン」がうっかりノリで「6年育てたのが他人の子どもでも、やっぱり自分の本当の子どものほうが可愛い説」とかやってしまいかねないですね。やったら番組が跡形もなく終わるけども。

 

自分はHDDの番組を寝かせることはよくあるわけで、今見ると別の味わいが出てくることもある。一番簡単なところでいけば、ちょっとだけピエール瀧が出てたりする。「このくらいの出演ならサクっとカットして終わりだなあ」とか余計なことを思う。CMとして「(「そして父になる」の)是枝監督の最新作」という触れ込みで「海街diary」の宣伝が流れているのだけど、自分の録画リストの中には「海街diary」もあったりする。あと「幕が上がる」(ももクロちゃん主演の映画)のCMが出てきてちょっと照れる。なぜお前が照れると言われても困る。

 

最後まで見た自分の正直な気持ちは「自分がこれを見て何を思うべきなんだろう」だった。結婚してないし。子どもいないし。そりゃあ「いち人間」としては映画の肝の「家族とは何か」という部分で思うところがないわけではない。しかしその自分の感慨の大部分は「それを考えてどうなる」という切なさが後からやってくる。その感慨は「もし自分が蒼井優と結婚したら」と同じレベルであり「時間の無駄」感が半端ない。そしてそういうことを考えている自分がイヤになる。素直に感動すりゃあいいだろうよ。

 

エンディングになり福山の「家族になろうよ」が流れたらやっぱり泣いちゃうんだろうなあ自分は、とか考えてたらエンディングに流れない。どうやら「家族になろうよ」はこの映画と関係がなかった、ということに見終わって気付く。どこかで記憶がごっちゃになっていた。

 

とまあ映画とはおおよそ関係なかったり、考えても落ち込むだけの要素だったりと、素直な映画の感想とは程遠い惨めな気持ちになったのだけど、録画の最後にちょっとだけ入っていた「ミレニアムズ」の残骸を見て、ちょっとだけ笑顔になった。所詮自分はその程度の人間だ。そしてクズになる。