思い出したこと

12人の優しい日本人を読む会」を見ました。

 

そもそも「12人の優しい日本人」は三谷幸喜が主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」の代表作の舞台作品・戯曲であり、映画化もされた作品。これを今回舞台出演者のひとりでもあった近藤芳正が発起人となり、オリジナルキャストを中心にリモートで読み合わせをしながら演じるという企画。三谷本人も冒頭の挨拶も含め少しだけ出演している。髭が伸びてマッキー逮捕時みたいになっているが、気にしてはいけない。

 

自分は単なる「三谷幸喜ファン」である。はじめてドラマを面白いと思ったのが「王様のレストラン」であり、以降三谷作品のテレビはおおよそ見ている(ように思う)。ただ舞台は見た事がないし、映画も見たり見なかったり(最新作「記憶にございません!」は見れていない)。だからフリークを名乗るのはとてもおこがましく、自分の手の届く範囲でなるべく見るようにしている、程度のファンでしかない。三谷がドラマや映画の番宣でひょこひょこ番組に登場して割と白い目で見られていても、自分は温かい目で見ている。つもり。気分が落ちているときは三谷が歌っているAKB48の「Beginner」はたまに見る。小沢健二の「流星ビバップ」でもいい。

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それはともかく「12人の優しい日本人」。舞台は見たことがなかったけども、映画版はだいぶ前にテレビで放送されたものを見ていた。だから話のおおまかな流れはかろうじて覚えていたものの、詳しく覚えていたわけではなかったので、「ああ、こういう展開だったなあ」とか思いながら楽しく見ることができた。

 

30年前初演の作品のネタバレを気にする必要もないのかもしれないけども、逆に30年前の作品だからこそ見たことない人が多いような気もするので、ストーリーについては触れないでおく。まだ読む会のアーカイブも残っているので(5月いっぱい予定のようです)、見た事ある人もない人もぜひ見ていただきたい。

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じゃあストーリーに触れずになんの話するのか、といえば「ドミソピザ」の話。

 

12人の優しい日本人」にも登場する架空のピザ屋、ドミソピザ。多くの方はこれが実際にあるピザチェーン店「ドミノピザ」のパロディであることは分かると思うのですが、自分は最初これがパロディであることが全然分からなかったのです。そんなことを今回ふと思い出しました。

 

ドミソピザは「12人の優しい日本人」に限らず、三谷作品の中ではお馴染みの店として登場します。どうやら映画「記憶にございません!」にも登場しているみたいです。手塚治虫作品におけるヒョウタンツギ、「踊る大捜査線」シリーズにおけるカエル急便みたいなものですが、逆にこれらの例が例として通じるのかも正直よく分かりません。まあいいや。

 

自分がはじめて「ドミソピザ」を認識したのは古畑任三郎だったような気がします。一応googleで「古畑任三郎 ドミソピザ」で検索したのですがひっかからないので気のせいなのかもしれません。香取慎吾主演のシットコム「HR」ではひっかかるので、これで認識したのかな?とか思ったり、なんなら「王様のレストラン」にすら出てきたような気もします。ご存じの方教えてください。自分で見返す気力まではない。

 

そんでもってモデルとなったほうのドミノピザ、現在北海道に店舗がありません。正確に言えば数年前までは札幌にあったのですが、つぶれてしまいました。だから古畑や王様のレストランの放送時小学生だった自分が、当時から北海道にほとんど存在していなかったドミノピザの存在を知る由もなく、なんかそういうピザ屋さんの名前を適当につけていると思っていたのですね。

 

三谷作品でドミソピザを見るたびに「ああ、ドミノピザ知らなかったなあ」と思い出すことを、今回改めて思い出しました。ドミソピザのデザインはドミソの音符が斜めに続いているのが、本物のドミノピザのドミノのデザインに似ているのもちょっと笑ってしまうんですね。今回「読む会」でも出てくるドミソピザの配達員役のある方(これは見てのお楽しみ)がちゃんとそのデザインの帽子をかぶっていました。芸が細かいです。

 

たぶんドミソピザのことはまた10年くらい忘れると思います。次の自分が目にする三谷作品は再来年の大河になるですが、鎌倉時代が舞台の大河にドミソピザは出てくることはないと思うので、それよちもっと先の10年後くらいに、またうっかり何かの三谷作品で出てきたドミソピザで同じことを思い出し、そして10年前書いたことを忘れて同じことをここに書いている気がします。