リア充格差社会

今年の高校生クイズは、危惧していた通りの「リア充爆発しろ」的な展開でしたね。


今年から大きくルールが変わった。それは「3人1組」ではなく、「2人1組」になったところ。チームワークではなくコンビネーションが試される、という変化ではなく、これはもう単純に「カップルがイチャつく場所を提供する」ことに他なりません。昨年の高校生クイズがいい意味で爆発したのは、男女混合チームの微妙な人間関係が一部(自分含む)視聴者の心を掴んで離さなかったからでした。


しかし今年は2人1組。カップルで出場した場合、その恋路を邪魔する人間は誰もいないわけですよ。イチャつきながら勝つ、なんていうリア充全開の奴らが出てくるのか、それともメガネ男子が彼らを蹂躙し跋扈するのか、というのはひとつの見どころだったわけですが、残念ながら前者になりました。ま、テレビ的にはごく当たり前の展開なのだが。


今回は決勝だけ見れば、洛北の元生徒会コンビ(男女)と横須賀のクイズ研究会コンビ(男女)という2チームの活躍が目立ったわけです。もちろん実力的にも彼らは抜けてはいたのですが、それ以上に「男女ペアである」ことが重宝されすぎだったように思う。もちろん女性がいるほうが画面が華やかだし見ているほうも面白い。メガネ男子どや顔甲子園時代の暗黒的な画ヅラを二度と繰り返してはいけないのだけども、かといって彼らが番組構成上優先されなければいけないというのはまた「出場者全員が主役」という「高校生クイズ精神」ではないように思うのだ。


その証拠に、最後まで残った3チーム。うち2チームは前述した洛北と横須賀。そして残り1チームはいかにもクイズ好きそうなもっさい男子ペアの船橋高校。ちゃんと頑張って決勝まで行ってるのに、勝ち進んでいる間はずっとナレーションベース。これはあまりに酷い扱い。個人的には序盤で負けていったチームをほぼ無きがごとく扱うのにも納得がいかないが、時間の制約上仕方ない部分はある。しかし決勝まで勝ち進んだチームを、いくら決勝で見せ場がなく、かつもっさい男子だからといって全てナレーションで済ますという所業、まさに下衆の極み。ハマカーン浜谷に殴られてこいと言いたい。こんなことすると今まで支えてきた競技クイズマニア達から今度は総スカン喰らうぞ。やりすぎはよくない。


んでまあ、これも言いたくはないことだし想像の範疇を出ない話ではあるんだが、今回の放送で目立った女性を含んだペアは概ね「特別枠」での選出なんだよね。これは公式にも載っていることなので隠すことではないんだろうけど、「地区大会決勝進出校より書類審査にて選出」と説明されている。つまりは、「決勝まで進んだ惜しい女性を含むペア」を意図的に抽出したということだろう。彼らを下して代表になった高校のペアはどう思うのか。


結局スタジオで引っ張った「横須賀の二人はカップルだったのか」は有耶無耶に。個人的には番組中でも触れられていた「抱き合ったときに離れようとした」ことから、単なる先輩後輩(主に先輩のパワハラ気味)だと思いますが、逆に生徒会コンビはカップルだったと思う。ま、リア充たちのことなんてどうでもいいんです。こんな「分かり易い関係」は高校生クイズじゃないんだ!!


カップル問題はここらへんにしておく。中身に関しては完全に「ウルトラ懐古」ですよね。ハワイのどろんこに始まり、ハリウッドのマラソン、決勝のバラマキと名物クイズてんこ盛り。大声クイズまであれば完璧でしたね。どうせならウルトラハットまで用意すればよかったのに。そりゃ元々が面白いんだからフォーマット真似れば面白くなりますよ。


クイズのバランスは良かったように思います。一般人が全然手の出ないような難問でもなく、かといって優し過ぎもしない(昨年よりは難易度を上げていたように思う)。今回のウイニングアンサー(優勝を決める答え)が「ファンデルワールス力」ってのは、なかなかいい決まり手です。


来年もこの路線を踏襲するのは目に見えている。そこでリア充たちのイチャつく場となるのか、それとももっさい男子ペアが一矢報いるのか。そんな対立構造でしか見れなくなってしまいますよね。来年はそこらへんを逆手にとって、「男女ペアVSもっさい男子」とかいうマッチメイクで対戦形式にしてもらえれば、俄然燃えて見ることが出来ると思うんですが、それでやってくんないかなあ。


というわけでまた来年。