抱きしめてTONIGHT

31歳最後の更新は「情熱大陸」のファンキー加藤です。


今年に入ってから自分はファンキー加藤を注視するようになった。自分のシックスセンスが「彼を今見逃してはいけない」と耳元で囁くからだ。彼には今見守るべき、見守ってゾワゾワすべき何かがある。今回の「情熱大陸」も、そのことを確実に知らしめてくれた。


ファンキー加藤が「褒められたい気質」であることは何度も何度も書いている。彼が努力家であり、それに見合うべき結果を残していることを否定は全くしない。彼の歌で勇気づけられている人がいてもいい。自分も好きな曲はある。基本的には「褒められていい人」です。しかし彼は自分に見合った「褒められ」以上に褒めを欲するので、非常にがっついて見える。余裕がない。その様を見ているこちらが逆に恥ずかしくなる。


今回の放送で気になったファンキー加藤は「口調が田原俊彦っぽい」点だ。


加藤が得意とするのは応援ソングならば、加藤は常に誰かを応援する「アニキ」なのだろう。生来的なものか、それとも曲が彼をそのように形成していったのかは分からないが、振る舞いや言動が常に「アニキ」である。で、それを突き詰めていくと誰になるかというと田原俊彦だ。


田原俊彦といえば最近再ブレイクして一旦落ち着いた感があるけども、元を辿れば紛うことなき昭和のアイドル、スターである。田原俊彦が「トシちゃん」として大物っぷりアニキっぷりを発揮するのは、それが「本物のスター」という裏打ちによるものだ。本物のスターだからこそ、振る舞いに説得力がある。


一方でファンキー加藤。有名人ではあるけど、スターではないと思うんだ。異論はあろう。だが自分の中では圧倒的に「トシちゃんほどではない」のは事実だ。そんな彼がトシちゃんのようなアニキっぷり。やはり違和感がある。違和感というか滑稽である。トシちゃんだって一歩間違えばかなり滑稽、いや人によってはズバリ滑稽だと思っている人がいてもおかしくない。そんな中でファンキー加藤が滑稽じゃないことがあるだろうか。


番組は「グループからソロへ移行することの不安」という、まあ非常に分かり易いストーリーで構成されていました。自分からすれば、おそらくファンキー加藤はグループ活動末期では一人でやりたくて仕方なかったんだろうと思っていましたから「何をいまさら白々しい話よのう」としか思わなかった。人ごみは自分の存在が小さく思えるから嫌いなんだそうです。自分も人ごみ嫌いですけど、単に人であふれていて邪魔くさいだけだからですけどね。


今回の放送でリトマス試験紙代わりになるシーンがあった。夏のフェスに出演し、6曲構成の3曲めあたりで全力を出し切ってステージに倒れる加藤である。これを「ペース配分も考えないで全力でぶつかる熱い男、加藤」と見た人は湖から出てきた女神に斧をたくさんもらえる人です。「ペース配分もできないくせに夏フェスとか出ちゃだめな人だろ、加藤」と見た自分のような人は女神に斧をぶん投げられるので気を付けたほうがいいです。


そのフェス終わりかつ番組のエンディングで、頬に手を当てながら神妙な顔で反省するファンキー加藤がいました。その日のフェスは自分なりにうまくいかなかったらしく、反省をしていたようです。自分に厳しいファンキー。どっかで見たことあるかと思ったら、自社のチーズに厳しい義剛と同じでした。何かアピールしなければいけない決まりでもあるんでしょうか。


いちばん面白かったのは、ファンキー加藤の兄弟(男3人年子のようで、ファンキーは真ん中)の子供(赤ちゃん)に話しかけるも、即座に泣いたシーン。何度話しかけても泣く。赤子の、人間の本能が何かの危うさを察知したゆえの結果かと思うと、血が繋がっているくせに将来有望と言わざるを得ない。


日付変わって9月16日。32歳になりました。こんなことばかりやっていていいんでしょうか。まあいいか。自分ももう少し褒められることに貪欲になってもいいのかもしれないけど。