それでも私は書いてない

江角マキコのマネージャーが長嶋一茂の家に「バカ息子」という落書きをしたそうです。江角は「マネージャーの単独犯だ」などと言って関与を否定しているが、これにはもうがっかりである。


ここの文章を読んでいる人ならば当然「江角マキコがそんなことを指図していたなんてがっかりだ」と、この文章を書く男が考えているだなんて思っていないでしょう。当然そうではありません。自分は「江角マキコが自分のキャラに対する期待に応えられていないこと」にがっかりするわけです。


自分は常々「期待に応える人」が好きだと書いています。いつも年齢不相応の衣装でこちらの心を和ませてくれる一青窈ちゃん。いつ見てもゲスい田中義剛。そして最近のお気に入りである「ミスター褒められたがり」のファンキー加藤。次の日曜に放送される「情熱大陸」が今から待ち遠しくてたまりません。彼らと友達になりたいかどうかはともかく、こちらが期待している数倍以上のものを返してくれる彼らを自分は愛してやみません。


だから江角マキコは、こんな事件が起きたならば「一茂、全面戦争だよ!」くらい、ショムニばりに言ってほしかったんです。ショムニ見たことないんだけど。


だって、この事件を週刊誌なりネットなりワイドショーなりで見たときに「ああ、江角マキコやってそうだよな」と誰しも思ったでしょ?「江角マキコそんなことやらへんやろ」と大木こだま師匠ばりに否定した人は誰もいないはず。だったら、世間の江角マキコに対する期待というのは「ああ、ドラマと同じくそういうことやっちゃうのね。しかもマネージャーにやらすとか大概だね、さすがだね」つうことであり、江角はその横暴っぷりを存分に発揮させることが大事でしょう。にも関わらず、江角はビビってマネージャーに責任をなすりつけ逃げたわけだ。ショムニの名が泣く。ミニスカはもう処分したほうがいい。


今回相手が長嶋一茂だというのもかなりよかった。「バカ息子」と書かれる相手としてこんなに相応しい相手がいるだろうか。もちろん一茂の息子が本当にバカかどうかなんて知らないけども、長嶋茂雄の息子であり、今現在何を生業としているのか正直よくわからん一茂。その息子だもん。実際が、事実がどうであれ江角に「バカ息子」と書かれる相手としてはこの上ない。


もう、事実がどうであれ「物語として完全に完成している」以上、役割を与えられた登場人物はそれに倣って振る舞うしかないわけだ。だから江角はマネージャーに責任を押し付けるべきではなかったし、一茂は一茂で「お父さんにいいつけてやるからな。あ、自分がお父さんか」とか素っ頓狂なことでも言っておけばよかったのに。


壁に落書きはやっちゃいけないことだろう。けど、個人的には江角が「世間的な常識」にビビって自分のキャラも省みずにマネージャーになすりつけたことのほうがよっぽど致命傷だと思うのだが、いかがなもんだろう。