タケイシバシ

日曜ゴールデンで何やってんだテレビ」を見ましたよ。ええ。


内容としては、とりあえず初回ということでたけしと石橋がたけしの自宅からTBSまでドライブするところから始まり、番組タイトルや企画案などをプレゼンしていくという形。たけしは終始カツラの話がしたくてたまらなかった模様。石橋との車中でのトークから、企画案に至るまでずっとカツラの話。こうなりゃゲストに小倉智明を呼ぶくらいの暴挙をやってほしいもんだ。それが出来れば「アカン警察」くらいは余裕でぶっちぎるような気がするんですが。


たぶん見た人全員そう思ったような気がするのですが、番組中にちょいちょい出てくる「視聴者のつぶやきのようなテロップ」は本当に不要でした。今の時代を意識したものなのか、それとも視聴者に「こういう楽しみ方が出来ますよ」と誘導する目的なのかは分からないんだけど、どっちにせよこの番組を初回からワクワクして見るような人たちには無用なものだと思うのだが。それとも家族そろってこの番組を見るとでもTBSは思っていたか?それは見当違いってもんだろ。どう考えてもこの番組を楽しみに見たのは「30代以上の男性」だと思う。


だから視聴率としては8.8%ということですが、視聴者層と裏番組の強力さを考えれば「こんなもん」でしょう。そもそも最初から視聴率を取るような番組ではないし、終わるまで視聴率を取る番組ではないでしょう。もちろんTBSとしてはそれではいけないのでしょうが、個人的には「たけしと石橋が日曜8時にバカをやろうとしている」というだけで充分ですから。あとはどれだけたけしと石橋に好き放題させられるのか、というTBSの覚悟だけでしょう。「タレント名鑑」のやりたい放題に1年半目を瞑っていたTBSを信用したい。まあ目を瞑っていられなかったから打ち切りになったんだけど。要するにそこが一番の問題でもある。


この手の番組が出現するたびに思い起こされるのはやはり「神出鬼没!タケシムケン」だろう。20世紀末にテレ朝の日曜19時台に登場した、たけしと志村けんが共演した夢の番組。しかし夢は夢でしかなく、わずか1年で終わってしまった。「大物の共演は上手くいかない」という喩えで、小室哲哉とYOSIHIKIの「V2」と同じくらい使用される(当社調査による)あの「タケシムケン」である。あのときも「たけしと志村がなんかものすごいバカやろうとしている」と大いに期待されたのだが、蓋を開けてみれば数字は低迷、そんでテレ朝が我慢しきれずに1年で打ち切ったという流れだ。


当時高校生だった自分は「大物二人集まってもこんなくだらねえことしかしないんだなー」といっぱしの感想を持ち、気づいたら見なくなってはいたんだけど、今考えれば大物二人が全力でバカやってることの素晴らしさに気づけなかっただけかもしれない。もちろんそれは思い出補正がかかっているだけで、普通につまらなかっただけのような気もする。今となっては定かではない。


今回もタケシムケンの二の舞になる可能性は十分に考えられる。なにせ片割れが同じくたけしなんだもの。前述したように、数字の面でも放送コードの面でも、どれだけTBSが「我慢できるか」にかかっていると思う。大物であるからこその「ギリギリ怒られない」優位さと、大物であるからこそのギャラが高いことによる「割に合わない」ことの不利さ。ここらへんの綱引きだろう。


だからこそ、短命になるかもしれないという危機感のもと、放送スレスレのことを「毎回が最終回」のノリで成し遂げてほしいと思う。アウトレイジビヨンドもヒットしていることだし、金銭面での心配をしないで火薬田ドンよろしく大きく花火を打ち上げてはくれないか。番組中では「元気が出るテレビ」みたいなことをやっていく、と言っていた。もちろんそのノリを忘れたくはないけど、とりあえずはいろんな意味で「タケシムケン」超え。これを目指してほしいと思う。大袈裟な期待は危ないので、ちょっとだけ期待しとく。