寒いの?

・VOICE
「無難」という言葉が相応しいドラマでした。


1話完結でちょっとした謎解きがあるとはいえ、さほどドラマを真剣に追っていなくても粗筋が飲み込める。「ながら視聴」に非常に適しており、ライトにドラマを見ている人には非常に「見やすい」ドラマだったと思います。裏を返せばしっかりがっつりとドラマを見ている人には軽すぎるというか物足りなさも残るようなドラマではなかったか、と。必ずしも悪いことではないでしょうが。


群像劇に重きを置いて最後まで瑛太石原さとみをくっつけなかったのは面白い試みでしょう。同じ群像劇でも「HERO」は結局キムタクと松たか子をくっつけたわけで、結局は二人の恋愛を軸に群像劇を見せていた。だからあのドラマを見ていれば10人に9人は「どうせ最後はあの二人がくっつくんだろ」と思えるわけで、そこを軽やかに裏切ったのはささやかながら作り手のポリシーは垣間見えた気がする。単に二人のラブシーンが想像出来なかっただけかもしれませんけど。あるいは「付き合っていない」だけで事実上はくっついているみたいだから「それでいいや」ということにしたのか。ま、現実なんて得てしてそんなもんですし。


それにしても大学生の群像劇部分は「まあまあ」だと思うんですけど、一方で「法医学」をテーマにした謎解き部分はあまり冴えていなかった印象。瑛太が閃き過ぎだとかいちいち事件現場に行くなよとか、多々ツッコミを入れたくなる部分はありましたが、それもご愛嬌。


ま、このドラマの最大の謎は「瑛太の着ている緑色のコート」だったというのは視聴者共通の意見だと思います。頑なに着てたもんなあ。東京の人の感覚というのが自分には分からんのですけども、あの手のコートは札幌人からすれば既に着ていられない温度のような気がするんですが。そんな謎のコートに敬意を表しつつ☆2つ半。