夢の痕

呟きのほうには何度か書いていたんですがドラマ「最高の離婚」の再放送を録画して、先日ようやく全て見終えました。ドラマの中身はタイトル通り最高に面白く、結婚も離婚もしていないのに妙に身につまされる部分があったりして、複雑な感情が湧きあがりましたが無事完走できました。といっても1か月くらい前に放送された「最高の離婚スペシャル2014」をまだ見ていないんですけども。そのうち見ます。


ドラマの面白さに関しては今更もう語るべきことでもありません。なにせ1年前のドラマですから。しかし再放送ってのはそれなりに有益で、放送当時は気にならなかったものが時間を経ることでその陰影をくっきりと浮かび上がらせてしまうわけです。このドラマにもありました。


芹那


瑛太に気があるような素振りを見せつつも、結局は他の男とあっさり結婚してしまうという歯科助手の役を演じていました。このドラマでもワンポイントで必要な役ではあったのですが、それ以上に「芹那をドラマに出しておけ」みたいな空気と、芹那に当て書きしたようなその役は、まさに「2013年のドラマ」だってことを何よりも証明しているわけです。1年前の芹那であってしかるべき役だし、2014の今芹那でなくても全く構わないというのも驚きである。たかだか1年前なのに。


最高の離婚」に限らず、この手の「旬な人がドラマに出ていて後々妙な気分になる」というのは珍しい話ではない。例えば「踊る大捜査線」は幾度となく再放送が行われているが、篠原ともえが当時の「シノラー」状態で一日署長をしていたり、つぶやきシローが自殺をしようとする浪人生の役で出演しているのを見ると「ふぅ」と小さい溜息が出ます。当時もそれほど面白かったわけではないだろうが、それを今見て面白いわけが全くなく、杏里ばりに悲しみが止まらないわけです。


しかしまあ芹那の「今なら絶対芹那じゃない感じ」は恐ろしいほどだ。今年このドラマが制作されていたならば、そこに座っていたのは誰だろうか。バラエティなら代替要員は数えるほどいるのだが、このドラマのこの役で、と言われるとなかなか難しいし、ぱっと思いつかない。そのくせ今なら絶対に芹那じゃない感だけは明確なのが恐ろしい。結局役そのものが消滅しかねない感じすらある。


そういう意味では芹那のあの役は2013年時点では唯一無二で必然性はなくとも必然だった。しかし1年後の今、芹那の存在にもはや必然性はなく、ドラマでそれなりに意味のある役だったのに、その意味すら疑わしくなる。それだけ2013年の芹那(正確に言えば2012年の芹那の勢いと、2013年の余力)は輝いていたということかもしれない。10年後もおそらく「最高の離婚」の面白さは色褪せないと思うが、芹那の存在だけは「ん?何で?」と思うのかもしれない。それか10年前の芹那の栄枯盛衰を、平泉で思いを馳せた松尾芭蕉のごとく涙を流すのかもしれない。


一方で芹那が退職した後で歯科助手として登場した谷一歩*1なんて一秒も思い出さないだろう。そういう意味では芹那は偉大。

*1:自称22股アイドルでした