「踊る大捜査線THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」を観てきました。以下感想ネタバレにつき未見&今後視聴予定の方はお気をつけて。
点数から先に述べれば45点。これでも大甘の点数だと思う。面白いのは最初の1時間だけであとは蛇足に次ぐ蛇足。さほどハードルを上げて見なかったものの、それでもあの出来は酷いんじゃないだろうか。
つまらなさの根源は「なぜ日向真奈美(小泉今日子)をあそこまで取り上げる必要があったのか」に尽きる。「羊たちの沈黙」シリーズのレクター博士のパクリのようなキャラクター。過去の名作が様々オマージュされているOD1においてはいちキャラとして辛うじて昇華出来たものの、OD2、そして今作においては「ただのパクリキャラ」でしかない。なにより「踊る」視聴者に日向真奈美というキャラはそこまで必要とされているのだろうか?
「踊る」ファンとしては新しい「踊る」を観るのと同時にやはり「これぞ踊る大捜査線だ」というモノを見たいのであって、無駄にメッセージ性が強かったりストーリーに凝っているものを必ずしも観たいわけではないと思う。今作はどうもそこらへんの作り手と視聴者の意識が乖離しているんじゃないかといわざるを得ない。
今作最大の謎解きは、劇中でしっかりとは明かされないが、日向の手先となり今回の事件を実行した「ケイイチ」が、連ドラ「踊る」第1話で補導された小学生だったことなのだろう。部屋を捜索するときに出てくる写真、及びスタッフロールでの「森廉」がそれを物語っている(おそらくパンフ等には書かれているのだろう)。ファンにはたまらない設定かもしれないが、それが「最大の謎解き」ってのはどうなんだろう。オチとして秀逸なのか?真下の署長就任はミエミエでウザい。
なんだろう、旧来のファンは前半一時間は楽しいんだけどなあ。後半は正直キツいです。青島のセリフ「俺には部下はいない。仲間がいるだけだ」だったか忘れたが、自分の部下を仲間扱いするくだりにはうんざり。OD2のテーマだった「指揮官が優秀なら組織も悪くない」の精神は何処へ?上下関係のない仲間ならOD2の犯罪グループと変わらないのでは?
OD3には過去の犯人がたくさん出るとの情報だったので、映画を見る前にドラマ版を見直したが、ドラマ版の完成度の高いこと高いこと。ドラマが面白すぎてOD3のつまらなさが際立ってしまう。和久こといかりや長介の言葉を借りれば「だめだこりゃ」。この一言に尽きる。