谷村曰く「大きいのを隠しているつもりはない」

・トリハダ4
北海道でも数日遅れで放送して、録画してあったのを先日ようやく見た。トリハダ2だけがなぜか「SAW」シリーズのパクリみたいなことになっていたけども、3・4ともに短編ホラーのオムニバス。3と同様谷村美月が主演。


簡単に言えば「ホラー中心の世にも奇妙な物語」という風情。ハリウッドのように映像として怖いというよりは心理的に怖いという赴き。まあ地上波でホラー映像に特化したものはなかなか作りにくいので当然なんだろうけど。その中でも第1話「恐怖は常にあなたのを隣に」でベッドの上から覗き込む宮下のぞみの顔が最高にホラーだった(あるいは笑えた)のは記憶に留めておきたい。


このシリーズで気になるのはホリプロ(実質制作の立場のため多数俳優が出演している)の俳優ではなく、柄本兄弟。柄本明の息子で兄貴が柄本佑、弟が柄本時生。どちらも母親の角替和枝ではなく父親柄本明にそっくり。いいことなのか悪いことなのかは不明であるが、父親同様独特の存在感がある。ふたりともホリプロ所属ではない。兄は3、弟は4の第1話にそれぞれ登場。しかもどちらも悶々とする一人暮らしの男性という役。


兄のほうは隣の部屋から聞こえるあえぎ声に耳をそばだてていたら、壁からいきなりアイスピックが突き刺さり「はずれ」という声が聞こえるオチ。そして弟は隣の部屋に住む女性の部屋に忍び込んだものの、隣の部屋の女性が包丁を持って自分を刺し殺そうとする姿を目撃してしまい、終いにはベッドの下に隠れているところを見つかってしまい、おそらく殺されてしまう(結末はボカされている)。どちらも男性の下心から一転ホラーという構造。


父親の歩んできた路線を引き継ぐという意味では兄弟ともに適任であると思うが、かといって同じ路線に二人も必要なのかというのはまた疑問。果たして兄と弟、どちらが父親の後継者になるんだろうか。さも興味のあるように書いてはみたが、特に興味があるわけではない。ただ印象に残る兄弟ではある。