そこに家はあるのかい?

ホームレス中学生
先日ようやく録画しておいた「ホームレス中学生」及び「ホームレス中学生2」をまとめて見た。1のほうは最初の放送を飲み会で見逃してしまったので、2が放送されるのに併せて放送された再放送で確認。


1のほうが麒麟の田村が書いた「ホームレス中学生」であり、2のほうはその兄が書いた「ホームレス大学生」が原作。さすがに「ホームレス大学生」では誰も見ないと思ったのか、タイトルで2扱いしたようだが、既にブームも去ったこともあり、また「ホームレス大学生」の本もさほど売れているようではなかったことも関係してか、視聴率的には1が18.8%だったのに対し、2は7.7%とかなり低調だった。


しかし田村裕をメインにした1も、さらにその1の映像を要所要所に挟みつつも、妹と弟を支えた兄研一(ドラマでは慎一になっている)の苦労を描いたサイドストーリー的要素が強い2もドラマの出来としてはまあまあ面白かったと思う。どちらも思ったより悪くなかった。ただ1も2も吉本芸人がカメオ出演でストーリーとは関係ない要素で登場し、鬱陶しいと思えたのは事実。特に2の中川家礼二の金貸しなんて完全にコントだ。


もちろん事実から原作本への移行の際に、そして原作本からドラマに移行するにあたって話が練り直され、かなりの美化はされているとは思うんだけど、それでもあまりの「いい話」に若干の気持ち悪さは感じつつも、それでもよく出来た話だなあとは思えた。もちろん「事実」が先にたっているからこその受け止め方ではあるだろうが。


いまさら書くことではないが、田村裕を演じた黒木辰哉の劇似っぷりと演技力は賞賛に値し、映画版の小池徹平と比べるまでもなくこっちの出来のほうが上だろう。映画見てないけど。登場人物はみな関西弁。兄慎一を演じた田中圭、姉幸恵を演じた夏帆、そして裕を演じた黒木の3人はみな東京出身なのであるが、なかなか流暢な関西弁に聞こえた。もっともネイティブの方からすれば違和感はあるのかもしれないが、北海道人が聞くには流暢で少し驚いた。


1で気になったことと言えば、有名なエピソードである「ダンボールを食べる」シーンがなかったこと。さすがにダンボールを食べさせるのは酷だったのかもしれないけど、ここを削るのは「お約束」を削っているようであまりいただけない気がする。小池徹平がさらっと出てくるのには少し笑った。もちろん笑わせる意図ではないだろうけど。


2は兄慎一を演じた田中圭がなかなか良かったけども(田中圭は役者なのに「どこにでもいる普通の感じ」が出せるところが強みだなあと思う)、谷村美月が良かった。演技が上手いのはもちろんなんだけど、凄いと思ったのは精神的に不安定なシーンは妙にブサイクに見え、そうではなくなったシーンではきっちり可愛いところ。見ているほうの匙加減もあるんだろうけど、自分は見ていて「あれ?谷村美月ブサイクになったか?」と思いながら見ていて、最後のほうできっちり美人に戻っていた谷村に多少なりとも衝撃を受けた。


毎度のことながら原作未読なので、原作がどこまでの出来なのかに言及することは出来ないけども、ことドラマに関して言えば分かりやすく感動出来るという意味で「なかなかしっかり作られた作品」であるとは思う。個人的には裕視点の1よりも兄視点の2のほうが面白かった。


1で田村裕、2で兄が描かれたならば、ここはやっぱり3を姉視点で作るしかないだろう、もちろん主演は夏帆で。ていうか夏帆で作らないとウソだよね。今まで一切言及してないけども、はっきり言えば自分は夏帆見たさにこのドラマ見たようなもんですから。ていうか見ながらずっと「やっぱり夏帆は『ずっと絶好調な紙ちゃん』だよなあ」と思いながら見てましたし。2の最後のシーンで失踪した父を3兄姉弟が迎えに来るシーンがあったんですけど、ここで大人になった姉を紙ちゃんが演じてるんじゃないかと期待していたのは自分だけでしょうか。結局大人になった3兄姉弟は登場しなかったんですけど。*1


ここから「夏帆もいいが、紙ちゃんがもっといい理由」を書こうと思ったのですが、長くなりそうなのでやめておきます。どうしても読みたいという酔狂な方がいれば書くのでリクエストください。というわけで、ドラマ「ホームレス中学生」は思ったより面白かったという話でした。

*1:もっとどうでもいい話ですが、田村3兄姉弟が父親を発見したのは日テレの番組「超能力捜査官」のおかげで、最終的には超能力者マクモニーグルの透視ではなく探偵が居場所を発見していて「超能力全然関係ねえじゃん」と大笑いしたことを思い出した。