まともがわからない

吉岡里帆悲痛…実弟が花田優一に弟子入りも悪夢の日々で退職」

 

こんなタイトルの記事がヤフーニュースで目に飛び込んできたとき、自分はしばらくニヤニヤが止まらなかった。2019が始まってまだ1週間も経っていないが、これはもう今年の面白ニュース暫定1位である。

 

まあ記事を読まなくても大体の内容がタイトルに集約されているけども、一応簡単に説明。フレンチレストランのシェフ修行をしていた吉岡里帆の実の弟が、何を思ったか「中途半端靴職人」こと花田優一に弟子入り志願。姉の紹介を通じて弟子になるも、ろくすっぽ靴を作らない優一のクレーム処理ばっかりやらされた吉岡弟はたった3か月で職人になることを断念。というだけのもの。

 

もうどこから突っ込んでいいのかわからないくらいのネタだ。そもそもの話ではあるが、花田優一は元貴乃花親方こと花田光司の息子。元貴乃花親方の「社会に適応できない感じ」は今に始まったことではない。悪く言えば社会不適合だが、よく言えば頑固。しかしなにより「大横綱」という実績があるわけで、その点で彼は擁護されるべき部分は多い。個人的にはあんまりそうは思わないけど。

 

しかし息子の優一はどうだろう。たかだか2、3年海外に行って靴作りを学んできていっちょまえに靴職人を名乗る。それ自体は悪いことではない。やる気のある職人であればそういう人もいるだろう。修業期間の長短がイコール腕というわけでもないだろうし。ただ、注文殺到という評判のふたを開けてみれば「間に合わない」「タレント気取りで注文そっちのけ」「そもそも靴作ってない」という、おおよそ職人を名乗るのにはおこがましい惨状しか出てこない。自分勝手な離婚はする。言い訳だけは一丁前にワイドショーに生出演で行う。そういうところだけ父親に似ている。分かりやすく苦手だ。


今までの話を一言でまとめると「実績のない社会不適合なやつ」であり、そういう人間を自分は「どうしようもない人」と呼ぶ。だからこの話の登場人物で一番「どうかしてる」のは花田優一なのは、なんとなく全員が気づいている。


だが残念なことにこの話はそれで済まない。なぜなら「登場人物がみんな何かしらどうかしている」からだ。完全にこの記事では被害者ぶっている吉岡里帆の弟だが、こいつも大概だ。なぜなら「東京で活躍しているという理由でもって、前職(シェフ)とは完全に畑違いであるにも関わらず、かなり胡散臭い花田優一の弟子になった」からだ。これ、結構ポイント高い「どうかしている」でしょう。「今まで靴作りに興味があった」だとか、あるいは花田優一の「靴づくりの姿勢に共感して」ではなく、「東京で活躍している花田に触発され、自分も東京で一旗上げたいと思った」から。完全に山師の発想。靴そのものはどうでもよく、単に有名になりたい、チヤホヤされたいという発想。この発想なら、たとえそれがどんな修行先であっても、そう長くは続かないだろうよ。ただまあ若者にはよくある発想ですから、ここを大きく責めるのはかわいそう。

 

しかし、その手段として「花田優一に弟子入り志願する」という「見る目のなさ」が輪をかけてどうかしている。これも「若さ」だとして仕方ないと考えることも可能だ。けど花田優一23歳に対して吉岡弟25歳。いやいやいや。今まで何見て生きてきたんだ25歳。これだったら与沢翼に弟子入りして秒速で1億稼ごうとしたほうがまだマシ。もちろん最底辺のドブ界での話でだけど。どうしようもない年下に憧れる若者。いやあ、しびれる。ハナっから靴職人の修行なんかさせてもらえるわけもなく(そもそも弟子をとるようなキャリアでもないわけだし)クレーム処理に嫌気がさしてやめてしまったのも悲しい。もちろん花田優一のクレーム処理がまっぴらごめんというのは共通意見だけども、その程度の覚悟と見識で弟子入りしたんだから、まあ相応しい仕事内容だったのではないかとすら思える。

 

まだ続きがある。もちろん「吉岡里帆」もどうかしているのだ。簡単に弟をあんな胡散臭い人間に紹介しちゃダメだろうよ。まあこれは完全なる偏見ではあるが、吉岡里帆自体が胡散臭い人間にたくさん紹介されてそうなので、なんだかもう胡散臭いかそうでないかが判断ついてないんじゃないのか。泣いている場合ではない。泣きたいのは、全部ひっくるめて吉岡の親だ。

 

最後に、この記事の凄いところであるが、登場する人物が誰一人として得をしていないこと。自分のような心底意地の悪い人間がニヤニヤするだけ。なんのために週刊女性はこんな記事を書いたのだろうか。たぶん週刊女性に自分と同じタイプの人間がひとりいるというだけの話か。しっかし徹頭徹尾まともなところがないというホラー。ホラーも過ぎれば喜劇でしかない。