ここをこーこーこー


はねるのトびら」にて「塚地24」の3週目。

今巷で話題のアメリカのドラマ「24」を騙った壮大な塚地ドッキリである。塚地憧れのアイドルいとうあいこを舞台が決定したというお祝いを口実にデートに誘うが、食事の帰りがけに謎のカメラマンに写真を取られてしまい、いとうの事務所スターダストにマネージャーなしで一人で行くことになったのが今週までのあらすじ。

「24」をどのようにパロディにするか、というのはおそらくどこの局のどの番組でも考えていたことではあろうが、いち早くはねトびが「ドッキリ」という手法においてパロディに仕上げた。これは評価できる。ドラマではなく、あくまでドラマ仕立てのどっきりであることが肝。元々本物の「24」が突拍子もない展開らしいので、ドラマ仕立てのどっきりのほうがしっくり来るのだろう。

それにしても、今回「塚地24」の脚本はよく出来ている。誰が書いたのかはわからないが、ハズレがない。いつになく真剣にカラオケを歌う塚地、さらに一発ギャグの安売りをする塚地など、哀しいかな30代の男性の真剣な素が垣間見れるのである。

特に一発ギャグの安売りのあたりは相当に哀しい。「ここをこーこーこー」は、自分の肘を上下に叩いてやるギャグなのだが、言葉にすると非常にマヌケである。ただ、そのギャグをいとうまいこを喜ばせたい一心で頑張る塚地の姿はマヌケなどとは言ってられないくらいに、素なのだ。


さて、話は変わるが、フジにはもう一人の「どっきり大賞」がいる。その男の名は濱口優である。「めちゃイケ」にていかんなくその騙されっぷりを発揮する濱口は正直敵なしだ。

塚地が「素」の騙されっぷりが「マジメ」なのに対し、濱口の騙されっぷりは「バカ」である。どちらも騙されるには必要条件のような気がする。

塚地ほどマジメに騙されると、見ているこっちは真剣に面白いし、その騙しが分かったときの落胆っぷりと来たらちょっと笑えないくらいである。しかし今回はその「オチにて笑うに笑えない」部分を予め全員で主役を前にして笑いながら見るという策で回避している。これだと騙されていることが本人にも分かっている状態でこちらも見ているから素直に笑える。

それに比べて、濱口のあまりのバカっぷりは何も考えずに笑える。騙されていることに少しも「気の毒さ」を感じないのだ。まさにバカと天才は紙一重なのだということが良くわかる。よって濱口の場合、最後までどっきりだということをバラさないほうが笑いに繋がる。最後まで気付かないバカ。これが重要。


マジメにしろバカにしろ、どちらも「騙される」という点においての振り幅の両端である。バカにはバカの騙され方があるし、マジメにはマジメの騙され方がある。もし今回めちゃイケがこの「24」を濱口でやっても、塚地ほど面白くなかったのではないかと思う。無論、濱口には濱口の「24」があるのだろうが。