掟といえば掟ポルシェ

名探偵の掟
松田翔太主演のドラマ。東野圭吾原作。だからといってタイトルのロゴに「東野圭吾原作」って入れなくてもいいような気はするが。


ミステリには「作法」というべきお約束が多数登場するわけだけど、そのお約束をミステリの作中から突っ込んでしまおうという、東野圭吾の茶目っ気たっぷりの作品。こういうのはミステリに普段慣れ親しんでいる人がメタ的視点で読むと面白いものであって、決して万人受けするようなものでもないと自分は思っているものの、日本人は2時間ドラマをはじめとしていわゆる「お約束ミステリ」には意外に触れているような気もするので、案外誰でも楽しめるのかもしれない。


初回はミステリの花形ともいえる「密室モノ」に突っ込みを入れた内容。ドラマの中身としては「金田一耕助」シリーズに代表される旧家の骨肉の争いにも突っ込みを。普通に面白かったです。松田翔太の浮世離れした探偵の感じも、木村祐一のダメ刑事かつ物語の狂言回しっぷりも、そして香椎由宇のツッコミもそれぞれ上手くこなしている印象。


ドラマの中身とは関係ないんだけども、奥貫薫が出てました。「ハンチョウ」にも小料理屋のママとして出てました。「妙にいい30代女性」というカテゴリで何かと多江さんと一括りにされることの多い奥貫薫ですが、自分もやはり嫌いじゃないです。多江さんとはちょっと違った破滅型(なんというか悪い男に騙さてボロボロになりそうな感じ)の薄幸さがあります。きっと好きな人も多いんじゃないでしょうか。ま、機会があれば改めて書きたいと思います。


それはともかく、この手のメタな面白さはやっぱり向き不向きがあると思うので、積極的に他人に勧めることはしないけども、ミステリが好きな人ならば(あるいは東野圭吾が好きな人ならば)見て面白くないということはないんじゃないでしょうか。自分は好みなので普通に見続けると思います。