ワイド・ザ・八丁堀

テレビをザッピングしてたらワイド画面の番組をみかけた。その番組とは「八丁堀の七人」である。

地上波デジタル放送が昨年の12月から一部地域で施行されたのがご存知だと思うが、それに伴いデジタル放送のスタンダードとなるワイド画面放送(16:9の画面比で、従来の4:3のテレビ画面だと上下に黒いスペースが挟まる)で放送する番組も出てきた。

映画やBS放送を抜かせば、いち早く地上波でデジタル放送対応になったのは「ミュージックステーション」だと思われる。その他歌番組などでは他の番組に比べてデジタル対応になっている番組が多い。理由としては、デジタル放送は高音質サウンドになるためにいち早くそのデジタル対応にすべきだと各局が考えているからであろう。

さて、そんな予備知識を踏まえたところで、八丁堀。

自分は「八丁堀の七人」をちゃんと見たわけではないので、実は番組中のどこかにワイド画面に関してのエクスキューズがあったのかもしれないが、それは見ていない。もしそうだとするなら誰か真実を教えてほしいが、この文章に関しては、思いっきり無視の方向で続けさせていただく。

で、なぜ「八丁堀の七人」がこんなに早くデジタル対応になったのか。理由を考えてみる。

まあ普通に考えれば、早いうちにデジタル対応にするに越した事はないからであり、それほど訝しがる必要もないのかもしれない。ただ、まだまだデジタル対応放送が少ない地上波において、時代劇がデジタル対応になるとはやっぱりなんらかの理由を勘ぐりたくなるのだ。

時代劇に関して言えば、いまだにヅラの世界であるから、あまりきれいな画面になるとヅラクッキリになってしまいむしろ悪影響なのではないかとも感じてしまう。それでもデジタルくっきり放送。デジタルくっきり画面が理由でないとすれば、やはり歌番組同様音質にこだわりがあるのか?いや、考えにくい。刀の弾く音を高音質で聞くことにどれだけの意味があるのか、自分にはわからない。

ここで視点を大胆に変換してみよう。デジタル放送で視聴者が得をしないのであれば、やっぱり製作側が得をするのではないか?でも前述したようにドラマそのものが得をするとは自分は思わない。それでは?

自分が推察するには、こうだ。時代劇をデジタル仕様にする理由。それは「お年寄りのワイドテレビ&デジタルチューナーの購買意欲を上げる」ことではないか。時代劇の視聴者層は高年齢。高年齢をターゲットにした番組をデジタル化すれば、お金が比較的余っているお年寄りであれば、娯楽のためにちょいと値が張ろうともすんなりとテレビやチューナーなどを買ってしまうのではないだろうか。

この時代劇デジタル化の仕掛け人は局でもスポンサーでもなく、テレビ業界全体ではなかろうか。早めにデジタル化に切り替えたいテレビ業界が、先陣を切ってお年寄りに対し買い替え戦略を仕掛けてきたのだと。あくまで妄想ではあるが、そんな気がしてならない。

この説を最も有効に証明してくれる手段としては笑点のデジタル対応化なのだが、もし近いうちにこうなった時は自説を声高に打ち上げたいと思う。