M1グランプリ2003

一抹のお笑い好きの人間としてやはり欠かすことは出来ない番組であるM1。今年は過去2年とは比べ物にならない面白さであった。

原因のひとつとしては、会場の空気がいい具合に笑いの空気になったこと。これは大きい。それと談志がいなかったことか。

とにかく、今回の番組は永久保存してもいいんではないかというくらいの出来だったと思う。結論から述べれば、フットボールアワーが下馬評通りに見事グランプリを獲得したわけだが、実質今回は笑い飯フットボールの一騎打ちであった。この二組が突き抜けている感じ。

以下個別に自分の感想を

・千鳥
ダークホースな存在として出てきたが、結果的に順位は一番下だった。確かに漫才の形式とは少しズレたところでやっている感じがして、初めて見る分には面白いけれども、それ以上でもない感じだったと思う。下ネタは好みが分かれるところなので特に言及はしない。

麒麟
自分は一度見たことがあるネタだったのでそれほどでもなかったが、やはり完成度としては高い。コンスタントに笑いはあったが、大爆笑につながるものがないとこういう短期決戦では厳しいと思われる。今後の課題だろうか。

スピードワゴン
今回の東の総大将となったわけだが、それにしては若干弱め(まあこの後敗者復活で出てきたアンタッチャブルが東の総大将となるわけだが)。ここもボケよりはツッコミの井戸田の技術で持っているという感じもする。

笑い飯
さんざん紳助や松本が褒めたので今更ここで書くこともないのだが、確かに荒削りの「WボケWツッコミ」という新しい可能性を具現化するレベルまで持ってきたと思う。個人的には決勝のネタよりも予選での博物館の人形がツボ。

2丁拳銃
もはや10年目ということで技術に目が行く。正統派の漫才だと思った。ただ笑い飯の後というのが不幸だったかもしれない。実力はいかんなく発揮はしたと思うけども。

アメリカザリガニ
ここも全盛期の実力が少しへたってきたという感想。カウス師匠の言うとおりだと思う。やはり他のグループと見劣りしてしまう。アメザリでなくても、今回決勝まで残らなかったルート33キングコングも同じような症状だと。

フットボールアワー
普通に爆笑してた。この時点でもう優勝はフットボール笑い飯なんだろうなと確信した。

りあるキッズ
18にして芸歴7年のその芸風はマジで「円熟」を思わせる堂々っぷり。まさに正統派。元々「未来のダウンタウン」として結成されたこのコンビ、やっぱり今回どこか松本を意識している部分があったかなとも思った。久々にこの二人の漫才見たけど以前より面白かった。

アンタッチャブル
結果的に東の代表となるわけだが、相変わらずの山崎のボケと柴田の不良ツッコミが冴える。結構評判も良かったようだ。オンバトでいつも見ているので今日の漫才が特別面白いかといえば、特にそういうわけでもなく(見たことあるネタだったというのもあるけども)、ああ見えて淡々と普段の仕事をしていると思った。やっぱり柴田のツッコミは評価が高い。


でまあ、決勝は笑い飯アンタッチャブルフットボールアワーの順番でネタをやり、投票結果はフットボール4、笑い飯3でフットボールの優勝。まあ実質どっちに傾いてもおかしくない出来だったので(決勝のネタはどちらも予選よりつまらなかったので、予選でのアベレージが高いフットボールに分があるとして妥当な判断だったと思う)結果にも満足。アンタッチャブルに票が入らないのはこれはしょうがない。決してつまらないというわけではない。

ああ、ここまでなんだか普通の番組の感想を書いてしまった。番組を見た方にとっては非常に退屈な内容でしょう。それは謝ります。

でも、これを淡々と書いている自分は、番組中のどんなネタよりも今日の飲み会で訪れた焼肉屋において、店員が写真付で紹介されていたのだが、そこでバイトしている中学校時代の同級生であるKさん(女性)を発見し、その紹介文として「ブラックエンジェル」とだけ書かれていることがもう可笑しくておかしくてしょうがなく、笑い飯フットボールの笑いの比ではないくらい店を出たあとに笑ったのである。

よって、真のM1グランプリはフットボールではなく中学の同級生のKさんに個人的に与えたいです。