適材適所・菊川怜

先週の金曜日に爆笑問題が得意の時事ネタを扱った特番をやっていた。番組の構成としては気合が入っているのがよくわかり、出来もまあまあだったと思う。爆笑問題の漫才(形式のネタ)も久々に見ることが出来て良かった。ただまあつくづく爆笑問題は漫才だなと思わせてくれたのはコントが挟まったせいもある。

爆笑問題のコントは決してつまらないわけではないが、結局ただのドタバタになってしまうこともありそれほど「面白いコント」だという印象は残さない。要するにひと昔前のコントっつうにおいがする。ライクアドリフなのである。

それに比べてやっぱり漫才は洗練されているというか、完成度が非常に高いのでその差に歴然としてしまうわけで。以前爆笑問題を模した漫才コンビを見たことがあるのだが、やっぱりなんか面白くなかった。特に時事ネタを扱ってるわけでもないのに。つまりは爆笑問題の漫才というのは「時事ネタ」というだけではなく、ちゃんと独自のスタイルを築きあげているということだと。

さて、爆笑問題論はそれほど重要ではない。問題なのは菊川怜である。我が家では菊川ゼロと呼ばれているが、まあ今回は菊川で統一。

菊川はその経歴から(言わずもがな東大卒)、知的な仕事を任されるケースが多い。しかしかといって菊川がそのような知的な仕事が向いているかといえば疑問詞をつけざるを得ない。「バンキシャ!」なんかは完全に福沢アナのお荷物であることは否定できない。

今回、菊川はこの爆笑問題ぼ番組において、コントで今年の重大ニュースを振り返るというコーナーのキャスターとして招かれていた。要するに「知的」な仕事であるが、ここではそう堅苦しい話ではなく、単純に「ちょい知的でバラエティもこなせる」という意味なのだが、非常に適材適所であったと思う。

それはバラエティかつ知的というポジショニングではなく、なぜか一番しっかりとした役であるはずが一番突っ込まれているという面白ポジションだったことだ。菊川のほかには勿論爆笑問題がいて、もうひとりコメンテータとして作家の室井祐月が出ていたわけだが、完全に菊川をあしらっていた。

つうか、菊川があしらわれすぎなのである。本来は一番マトモなコメントをしてそれをボケである爆笑問題太田が広げていくというのが王道なのであるが、今回は完全に菊川ボケのひとり勝ちである。この現象はなんだ。

然るに、菊川には「ちゃんとしたツッコミ」が必要なのかもしれない。いつも思うのだが、菊川はバンキシャの中でもけっこういいボケを(結果的に)かましているのに、一応報道番組ということもあり福沢アナが軽く毒づくだけで流されてしまう。これでは菊川は生きてこない。

それは菊川は頭が良いのでツッコミなんてしたら逆に失礼ということなのかもしれないが、自分から言わせてもらえばあんないいボケをかますのにツッコミをしてやらないほうが菊川に失礼であると。
ただ、本人がそのことに気づいてないから面白いだけで、気づくとアウトだな。