電波少年とフライデー

和泉元彌がついに能楽協会から「退会処分」を突きつけられてさあ大変。とか書いたけど、本当はそれほど大変とか思ってない。

ま、いいや。本題に移ろう。

先日写真週刊誌フライデーに「電波少年ヤラセ」という記事が載った。それに反論する形で日本テレビ側は新番組「電波少年に毛が生えた」の一発目の生放送にて、フライデーの発行元である講談社前に行き、「ママさんコーラス隊」が「グリーングリーン」の替え歌で「フライデーフライデー」なるものを歌って退散した。すると後日さらにヤラセの再反論をフライデー側が記事として打ち上げた。大雑把な経緯はこんなもんである。

で、記事の内容は何だったかといえば、電波少年の企画であった「15カ国少女漂流記」において、その企画に参加した主にヨーロッパ人の女性3名が企画中にヤラセや盗撮などの行為があったという疑惑を告発したのである。

まあ、今回の争いにおいて当事者間でもっとも重要なのは「ヤラセはあったかなかったか」なんだと思うが、自分にとってはそんなこと関係ないのである。だって、双方とも一方的な主張しかしていないのだから、どちらの情報のどの部分が事実なのかは分からない。しかしそうであっても、ただひとつだけ言えることがある。

それは電波少年の圧勝である、と。理由は単純明快。ただ単に「おちょくり方」として、フライデーより面白い。

もはやどっちが正しいなんていう問題ではない。水掛け論になってしまえば、もはや「どちらが「本当のことを言ってる」ぽいかと思わせる」ことが肝要であろう。その点でフライデーはただ彼女らの言い分を聞いただけで本人たちの言い分をそのまま検証、裏付けをとることもせず記事としては掲載するに値しないというのが本音であるが、週刊誌なのでその程度であろう。

しかし電波少年側はフライデーに対してただ反論するのではなく、そのことをネタにしてしまうという時点で既に勝負ありなのである。あのママさんコーラス隊がかつて松村が無茶な企画をやっていた頃の電波少年の香りがして面白いし、「盗撮はおまえのほうだろ」というグリーングリーンの替え歌に乗せた歌詞がまた抜群であった。

事実2回目の反論が載ったフライデーは30周年の特大号かなんかで、過去のスクープ写真をたくさん掲載していたが、確かにそれらは全部「盗撮」である。あの歌詞は誰が考えたか知らんけど見事だった。

本来的にはさほど面白みがある記事ではなく(電波少年の今の数字を考えたら、ただ単にヤラセがあったことそのものが記事として価値があるとは思えない)、その面白みのない記事を面白くないまま掲載したフライデーに対して、もともと数字の振るっていない企画のヤラセに対してマトモに反論すること自体は少しも面白みがない行為をひとつの企画として利用した電波少年のほうがいろんな意味でも「圧勝」だという判断が妥当であると。


ただ、圧勝なのはもちろん「テレビ・メディア的」なものであり、どっちに正義があるかなんてことは自分に言えるはずがない。