オリジナル人生

世にも奇妙な物語」22夏の特別編を。今回はあまり寝かさずに見たと思います。

 

オトドケモノ

北山宏光主演。在宅勤務で宅配アプリを頻繁に利用する主人公。ある日いつも使っているアプリが使えずに、検索して利用したアプリが「なんでも2秒で届ける」ものだった。自分の所有物は無料(利用料金のみ)で、それ以外のものはその時の価値を踏まえた費用が加算される。人間の場合は生涯年収が上乗せされていた。ある日夫婦ともども同じタイミングで互いを呼び寄せることで、時空のはざまに閉じ込められる。どちらかが外に出て呼び寄せることができればいいが、誰かに呼び出してもらうには莫大な費用がかかる。離婚して他の人と夫婦になり、再度離婚してまた夫婦となって呼び寄せるという策を練るも、金持ちの老人を見つけた妻は離婚し、呼び寄せられることで時空から抜け出す。途方に暮れる主人公。ひとつだけ脱出する手段があると配達員に言われ、自らが配達員となる道を選択する。

 

「ジャンプ+」とのコラボ企画作品。世にもテイストをしっかり醸し出している。最後のオチの微妙な弱さまで含めて「ああ、世にもだな」と感じさせてくれる佳作。

 

何だかんだ銀座

有田哲平主演。とある少年が捕まえた野生の「ニホンオオカネモチ」。銀座にこだわりがあり、食べ物も銀座のものしか受け付けないし、飼うのに莫大なお金がかかる。そんな厄介な「ニホンオオカネモチ」ではあるが、次第に少年に慣れてゆく。しかし家庭の財政難を機に、野生に逃がすことに。別れ際少年の名前を呼ぶなど、感動的な別れ。時間は流れ、少年も就職が決まる。その会社の会長に呼ばれた少年。そこにいたのは自分が捕まえていた「ニホンオオカネモチ」だった。感動の再会かと思いきや、会長は虫取り網で少年を捕まえる。

 

非現実のお笑いファンタジー系かと思いきや、最後にファンタジー要素を大きくひっくり返す油断ならないつくり。「これは一体どういう設定なんだろう」と初めに軽く疑問に持たせておき、そこをなんとなくぼかしたまま話を進ませ、そして最後にその設定自体を使って強引にひっくり返す。これは絶妙だなあと思った。

 

メロディに乗せて

生田絵梨花主演。脳内に流れるメロディに合わせた行動をとらないと体調が悪くなるという「脳内メロディ症候群」になった主人公。同じ病気を持つ進藤と恋人になり、映画館に行くも、そこで刺されてしまう。劇中で「この音楽が鳴ったらすべてが終わり」という音楽があることを医者に言われていたが、それが「世にも」のテーマソングであることを知り、そのまま消えていく。

 

最後のオチがやりたいがための今回唯一のオリジナル。そもそもの発想も「世にも」らしいし、そして誰しもが納得のオチ。確かにこの音楽が鳴ったらすべて終わり。今回のNO1。

 

電話をしてるふり

山本美月主演。ナンパを断るテクとして父親と電話をしているふりをする主人公。実際に父親はすでに亡くなっている。しかし電話のふりをしていたのに、その電話と代わった人たちはみな父親と実際に話ができてしまう。そんな関係が長く続き、最終的に母親と、そして主人公とも話ができるようになり、結婚を祝福するメッセージが贈られる。

 

芸人BKB(バイク川崎バイク)の小説が原作。短い話でサクっと感動系。BKBが書いていると思うと「ほーん」と思うが、そうでなければそうでしかない話。

 

 

今回は「メロディに乗せて」の圧勝だった気がします。しかし他の作品も決して悪くなく、比較的アベレージの高い回だったのではないかと思います。タモリの最後の語りでは、「秋の特別編」のチケットが登場したりと、またすぐにお目にかかれるのではないかと思っています。自分の次回の更新が「秋の特別編」にならないように、少しは頑張ります。