真夏の人間模様

更新をしていない10日あまりの間、結構いろんな動きがありました。

政治社会でいえば田中真紀子が辞任しちゃったくらいにして。辞めたってことは結局秘書の給料を不正に使ってたということに他ならないとは思うのだが、最後まで世間にいいカッコして終わらせたつもりだろうか。今後復帰しないなんてことも言われているようだが、政治家しかできそうもない(いい意味ではなく)田中真紀子は引退なんぞ考えてないだろう。それは素人考えなのだろうか?とにかくこっちとしては


「決意のヘアヌード」なんてことにさえならなければどうでもいい。


マキコネタはこの辺でよかろう。

今回はやはりワイドショーを騒がせた2大ニュースに触れないわけにはいかない。それはヴィレッジシンガーズの偽者逮捕」長嶋茂雄宅に不審な男侵入、逮捕」である。さんざんワイドショーで語られているから今更事件の概要に触れることはしなくてもOKですよね?

まずヴィレッジシンガーズの偽者の話題からいく。とにかくこの男は懲りてないようだ。以前にも横浜銀蝿のベースのTAKU氏の偽者になり、詐欺容疑で逮捕された経歴を持っている。今回の事件と以前の事件の両方にも言えることは「本人には少しも似ていない」ということである。それなのに周囲の人ってあっけなく騙されるものなのですな。いかに我々が「芸能人」という名前だけで有難がっているかわかる。

しかも今回のケースに関して言えば、逮捕された男には妻がいて、その妻は逮捕されるまでその男が本当にヴィレッジシンガーズのボーカルだと信じていたらしい。それで逮捕されてからずっと泣いていたらしい。


その涙は騙した相手を恨む涙よりも騙され続けていた自分を情けなく思う涙であってほしいな。


気付かないもんかね、こういうのって。一時凌ぎのカラオケ大会の審査員でだまされた町民はともかく、ずっと一緒にいる旦那がニセモノということに気づかないのは、いくらなんでも相当にどうかしていると思うんだけどなあ。あえて「気づけよ!」なんて突っ込みはしないから、今後の人生にもう少し慎重に生きたほうがいいと思うとだけ言っておく。

しかしこの事件の「本当に凄い部分」はここではないだろう。この男、この町に引っ越してきた一年前からヴィレッジシンガーズのニセモノを語っていたらしく、行きつけの飲み屋にはニセモノのくせにちゃっかりサインまで書いていた。しかし考えても見てほしい。なぜこの事件がここまで話題になったのだろうか?

それは今、ヴィレッジシンガーズの代表曲である「亜麻色の髪の乙女」が島谷ひとみによってカバーされ、リバイバルヒットしているからだろう。そこで話題性も十分となって今回ワイドショーはおろか夕方のニュースにまで取り上げられる事件となった。島谷ひとみのカバーがCDとして発売されたのは今年に入ってからである。つまり、この曲がブームとなる前にこの男はニセモノを名乗っていたわけである。

普通ニセモノを語るときは、そのニセモノの社会的地位がある程度有利なときにニセモノを語るのが普通である。いくら昔のGS(グループサウンズ)でブームになったとはいえ、今ここでヴィレッジシンガーズのニセモノを名乗ったところでそんなに得するようなことは無かったような気がするのだがそれなのにこの男は1年も前からニセモノになっていたわけだ。つまり、この男は


相当に先を見越す力があったのかも知れない。


だとすれば、非常にもったいないよな。どこかのリサーチ会社にでも雇ってもらったほうがお互いに得になるような気がするんだけどなあ。まあ、こういう人は懲りずにまた次の事件をやらかすので、5年後くらいにまた登場しそうだな。その時は広告代理店、要チェックしとけよ。


そして次の話題。長嶋家に不審者乱入、即座に逮捕。この事件での笑い所(といっては不謹慎なのかもしれないが、これほど笑える事件は久々である)は2点。まずひとつはやはりこれ。


セコムしてなかったのか、長嶋さん。


このニュースを聞いて、即座に思ったことは「やっぱりセコムが作動したから早期逮捕だったのか?」である。こんなこと考えたのは自分だけかも知れないが、やはり長嶋さんといえば「セコムしてますか?」のCMである。少なくともヤクルトの「アミールS」のCMではあるまい。そんなわけで、俺の脳内長嶋さんは「セコム」な人である。そんな「セコム」な人長嶋さんの家に不審者なのだから、どう考えても「セコム」が作動したに決まっている。そう思っていたのに、「自宅にいたので(セコムの装置は)切っていた」というではないか!


セコム、見せ場なし。


セコムってのは確かに留守の時の防犯装置だから切っていたのは当然なんだけども、ウソでもいいから「セコムのおかげ」ということにしてほしかった。セコムの最大の見せ場だったかもしれないここぞという時にセコムできなかったのは、はっきり言って痛いと思う。セコム的に。いや、セコムはなんも悪いことしてないんだけどなんとなくセコムが損したというイメージが残った事件だった気がする。

そんなわけで今回の事件のポイントは、「次回作のセコムのCMをどう作ってくるか」になった。セコムのCM関係者は今から必死に考えて欲しい。


この事件もこれだけでは済まない。より大きな笑い所が残っていた。

それは進入した男の言い訳である。


長嶋三奈さんと一緒に写真が撮りたかった。


これを聞いた瞬間、自分の頭に笑いのテポドンが打ち込まれた。簡単に言えばあんた最高である。

もしかしたらこの男は長嶋邸に強盗に入ったのかもしれないし、本当に長嶋三奈さんに会いたくて侵入したのかもしれない。本当のことは分からない。口から出任せにこのような言い訳をしてしまったの可能性もある。もしそうならば、


なぜ「茂雄」ではなく「三奈」に会いたいと言ってしまったのか?


捕まった男の年齢、なんと長嶋茂雄氏の2つ年下ということである。つまり60代のいい年こいた、というのも過ぎた老人だ。普通(といっては多少の語弊があるが)この年代のオッサンがファンであるとすれば三奈さんのほうではなく茂雄氏のほうである。しかしこの逮捕されたオッサンが会いたかったとしたのは「三奈さん」のほうであった。ウソをつくなら「茂雄」でよかったはずなのに、「三奈」の名前を出したということはやっぱりマジなのか。だったら


茂雄ではなく三奈を選んだ彼の「漢」ぶりを堪能し、笑ってあげるのみである。


「別にファンでも構わないけど、自宅に侵入するこたねえだろ」という一億総ツッコミを彼は余生で受けることになるだろう。しかしそれは彼が甘んじて受け入れた運命である。私たちにそれを咎める権利はないようだ。

誤解を招くといけないので断っておくが、別に長嶋三奈のファンがいけない、と言っているのでは全く無い。それは誤解なのではっきりさせておく。ただ自分は、逮捕されたオッサンが「Nステのスポーツコーナーの担当が三奈から真中瞳に変わったときに悔しそうな顔をしただろう」という場面を想像したらおかしくてたまらない、ということを言いたいだけである。