これが愛じゃなければ

金スマ」で和田アキ子特集。

 

なぜ今更このタイミングで(歌手生活51年)和田なのか、というそもそもの疑問を取り払えれば番組としてはまあまあ面白かった。和田の生い立ちを見るにつけ、有吉のつけたあだ名「リズム&暴力(R&B)」が秀逸すぎて涙が出る。

 

というわけで内容そのものは自分が改めて書くほどのことではなかったので(しいて言えばヒロミがインタビュアーとして登場することにあまり意味はなかったことが気になったけど)さらっと流すのだけども、それよりも書いておきたいことがある。年に数回「気になる」テーマだけ録画して見るこの番組において自分が確認すること、それは「ベックはまだ出演しているのか」だ。

 

そもそもベックとは誰よ、という話からすれば、元々「金スマ」のレギュラーとして出演していたのはベッキーだった。それが不倫騒動で休業を余儀なくされ、その間にレギュラーとなったのが韓国人モデルのベックである。誰から何の説明がなくても「ベッキーの代打(特に名前)」的なことは分かるわけで、それは番組から「ベッキーの復帰を待ってますよ」というベッキーと視聴者へのメッセージだったことは想像に難くない。

 

だから本来ベッキーが芸能活動を再開したときにベックのお役はご免となっても何ら不思議じゃなかった。現にベッキーは「金スマ」でテレビ復帰をしていたわけで、ここでベックとベッキーがそのまま入れ替わるのが自然だったのかもしれない。

 

しかし昨日放送された「金スマ」でもちゃんとベックはスタジオに座っている。ベッキーの不倫騒動が2016年のアタマで、テレビ復帰したのは約半年後。もうベッキーが復帰してから3年が経過しているわけだが、依然としてベックはそこにいる。

 

これが愛じゃなければ何と呼ぶのかハトヤは知らなかった。

 

このまま曲を作ればラグビーのドラマの主題歌になりそうな言い回しになってしまったが、これはもう愛としか言いようがない。それは金スマスタッフというより、たぶん中居正広の仕業なんだろうと思う。

 

スタッフはたぶん「ベッキーが戻ってくるまでのつなぎで」と思っていたはずだ。そしてそれは中居とて同じだっただろう。しかし「名前が似ている」というだけでイタズラに番組出演を決めた挙句、本人が戻ってくるときにハイサヨウナラ、はさすがに酷い。だからベックはいまだにそこにいる。これは愛だ。これが愛じゃなければ(もういい)。

 

いやもちろんこれは自分の勝手な想像でしかないんだけど、そういうことが出来るからこそ中居正広という人間はSMAP亡きあとも未だに第一線で活躍しているんじゃないのか。そんな気がするというだけの話。これで来週いなくなっていたら笑うな。これは愛じゃない。

 

好感度強盗

ここ数年「24時間テレビ」は感動ポルノとか言いだす輩がいてとっても不愉快ですよね。

 

まず「24時間テレビ」に失礼。もうここ10年くらいは「24時間テレビは批判して当たり前」みたいな態度がスタンダードになっていることにも腹立たしい。別に自分は募金とか一切興味ないですし、番組趣旨に賛同しているわけでもないのですが、番組の存在そのものは肯定し続けています。それは「偽善だろうが何だろうが、これで救われている人や助かっている人がいる」ことに何の文句があるのか。

 

これも何度も書いたけども、「出演者のギャラを募金しろ」というのは、本当にバカの発想ですよね。それはテレビ局のやることではないの。テレビ局がチャリティ番組を盛り上げて何が悪い。海外ではみんなノーギャラでやってるって?だからどうした。番組出演の対価をもらうのは当然のこと。海外ではチャリティを行うことがひとつのステータスであり、日本ではその意識が薄いことが若干悲しむべきことではあるけども、かといってチャリティ=ノーギャラでなければいけないことはないだろう。

 

そして24時間テレビは「障碍に対する啓蒙」の役割も果たしているんだぜ。それの度が過ぎて「感動ポルノ」と揶揄されることにもなるんだけど、1年に1回そういう機会があったっていいんじゃないかとは思うわけだ。NHKEテレのように恒常的に行っているほうからすればいい気分はしないのだろうけど、Eテレの視聴率が束になっても24時間テレビには敵わないわけで、そういう意味での強さは尊重して認めなければいけないだろうよ。間口の広さってのは大事。

 

手放しで絶賛されるものではないのかもしれないけど、かといってなぜこんなに叩かれなければいけないのかも自分はよく分からない。自分はゴミクズのような人間なので、こういう番組を直視するのは照れくさくも恥ずかしくもある。しかしこういう番組が下らない批判によってなくなることのほうが自分はいかんと思う。なぜ本来「マラソンいとうあさこのおっぱいが揺れていたなあ。ババアだけど揺れていたなあ」とだけしか書きたくない人間がこんなマジメなことを書かなければいけないのか。由々しき事態でしかないよ本当に。

 

タイトル全然関係なくなってしまったけど、本当は水卜アナの話が書きたかった。マラソンでもちっとも崩れない表情、そしてマラソン走った後に普通にこなす総合司会。随所随所で感動する姿。揺れるおっぱい。歴代女子アナの頂点に君臨するであろう鬼好感度。「24時間テレビ」が感動ポルノなら、水卜アナは好感度強盗である。こちらの好感度を根こそぎさらっていき、そしてイヤミがない。最強すぎる。こんなことなら水卜ちゃんの好感度を募金すりゃあいいんだ。どうやって。

 

シンデレラフィット

東京タピオカランドに不満が続出しているようで。

 

東京タピオカランドは1ヶ月限定で原宿にオープンしたイベント。1200円の入場料で4店舗のタピオカを飲み比べることが出来ます(ただし別途ドリンク代は必要)。

 

してまあ、このイベントの評判がすこぶる悪い。「施設内にトイレがない」「そのくせ再入場禁止」「グッズがぼったくり」など、不満が出てくる出てくる。よくもまあこんな不満が続出しかねないようなイベントをやるなあ、とは思う。思うんだけど。

 

それだけ入場者はナメられているということです。もっと身も蓋もない言い方をすれば、「こんなイベントに来るような奴らはこのくらいの扱いで構わない」と主催側が値踏みしているんです。

 

そもそもこんな扱いがイヤなら行かなければいい。なんだか自己責任論みたいになってしまうんだけど、こんなことが予め分かっているなら誰もいかない。まあ最初のほうに行った人は不満が出るような事実が告知されていない(知りえない)状態で行ってしまったのだろうし、その点に関してはお気の毒としか言いようがない。

 

しかし、こんな批判が出るであろうことは誰だって簡単に予測がつくのに、なぜそれを最初から是正しようとしなかったのか。そこを考える必要がある。可能性はふたつあり、ひとつは「イベント運営スタッフが揃いも揃ってボンクラである」こと。もちろんこの可能性も捨てきれない。もうひとつの可能性は「それでもいいとスタッフが思っている」ことだ。おそらくこっちの可能性が高い。

 

トイレに関しては「タピオカをトイレで流す不届きものがいるので、最初から作らないつもりだった」という話がある。自分もこれなのではないかと思う。再入場禁止も外部にタピオカを流してからまた戻ってくる奴らを防ぐためだ、という話すらある。本当かどうかは知らない。

 

ひとつ言えることは、これが本当ならば「入場者は、タピオカを流行に乗っかってむさぼるような人間は、その程度の民度しか持ち合わせてない」と、あろうことかタピオカランドを運営している側からそう認識されているということだ。別にタピオカを文化として根付かせたいわけじゃあない。ただ儲かるからやる。しかも客はその程度の認識でしかない。本来的には悲しいことだが、自分は「間違ってないなあ」と思う。

 

そもそもこのイベントは1ヶ月限定なのである。多少の不満が出たっていいのだ。どうせ1回来たらもう来ない。リピーター狙いのイベントではない。であれば話題作りに訪れる、もっと言えば話題作りで来るような人間から一発入場料をかすめ取ることさえ出来れば万事OKだ。そういうカモになっている自覚がないから、「自分がお客様である」ことを声高に叫んでしまう。

 

もう日本人は「お客様は神様」意識があろうことに客側に根付いてしまっているので、何か不当な扱いがあると、それだけで「お客様は神様だろ!」と怒る。うんざりである。お客様はお客様でしかない。そのくせ不当な扱い(と客が考えること)があったときに「なぜそんな扱いを受けるのか」についてはあまり考えられない。考えたくもないんだろう。神様だから。

 

タピオカランドに不平不満を言う前に、「なぜタピオカランドはこんなに杜撰なんだろう」と考えたほうがいい。タピオカブームが生んだ歪みを全て体現しているのがこの施設でありこの運営じゃないのか。そこに安易に乗っかるような人間を搾取しようという意図を隠していないだけ、逆に良心的じゃあないのか。バカがバカに対してバカを怒っているのは全体的にバカだろう。あ、全部言ってしまった。

 

 

レベルE

欅坂46平手友梨奈が右ひじの負傷を理由にアリーナツアーを欠席。

 

あんまり知らないことにクビを突っ込むと怒られそうな気がするんですけど、毎度毎度あんまり知らないことにクビを突っ込んでしたり顔で書いているのでまあいいか、という感じで書きますね。だから熱烈なファンで寛容な心を持ってない人は読まない!予め警告!

 

とまあ卑怯な予防線を張ってから書き始めますけども(卑怯という自覚があるのか)、平手さん休みすぎですよね。いや正直な話。

 

自分は48グループも坂道グループも全く興味がないので、平手さんに関しては「コンテンポラリーダンス踊る人」くらいの印象しかないわけですが、何かにつけて「体調不良」「欠席」という記事を見る気がします。ファンがそれで納得、満足しているならいいんですけど、傍から見る分には「よく休んでるねえ、ハンターハンターの富樫なみによく休むよねえ」という感想が出る。そりゃ出る。だって休んでるもの。

 

今回の「アリーナツアー」も「右ひじの負傷」としか理由が発表されていない。どの程度のけがでどの程度安静にしなければいけないもんかは全く不明。完全なパフォーマンスは出来ないだろうけど、歌うことはもちろんツアーに帯同し出来ることはいくらでもあるだろ、とは思う。それを「右ひじ負傷したからツアー参加しませーん」という理由は、水商売を「飲食店勤務」、合コンを「友人の紹介」という言ったもん勝ちの言い換えくらいテキトーだなあと思う。ファンがそれでいい、つうならそれでいいんだろうけど。自分がファンならちょっとつらいなあ。

 

それでもファンは「平手さんはカリスマだからそれでいい!」と言うのかもしれないし、自分みたいに「働けよ平手」と思っているのかもしれない。別にファンの言葉が知りたいわけではないので調べる気にもならないのだけど、こんな殿様商売(に自分は見える)やっていたら、内部から刺されるんじゃないのかね。いやまあファンがいいならそれでいいんだけど。

 

自分はあくまで「よく分からないし興味もない人間」なので、ずーっと「ファンがいいならそれでいい」と書き続ける。ファンにしか分からないことってのがある。平手さんが休むことが欅坂の何か超大事なことを握っている可能性があるかもしれない。それは自分には分からない。あくまで、ファンがよければそれでいい。

 

ただ、裏を返せば「ファンが良くないと思っているなら、周りの人はもっと「なんだこいつ~」とジョイマン池谷ばりに思っており、あんまりいいことじゃないよ」とは言いたい。少なくとも自分はそう思っている。自分の好きなことだけやっていると、ガラガラのzeppツアーだったのにまた来春にツアー発表しちゃう人みたいになるぞ、とは思う。余計なお世話だった。

 

 

敵塩

マツコデラックスが国会議員に絡まれている。

 

さきの参院選議席を獲得したNHKから国民を守る党、略称N国の党首立花孝志に対してマツコが自身のレギュラー番組である「5時に夢中!」で

「この人たちがこれだけの目的のために国政に出られたら、迷惑だしこれから何をしてくれるか判断しないと。今のままじゃ、ただ気持ち悪い人たち」「ちょっと宗教的な感じもあると思う」「(票数には)冷やかしもあって、ふざけて入れた人も相当数いるんだろうなと思う」

 (引用「Abema Times」N国・立花党首のマツコ・デラックス突撃に弁護士「喧嘩の仕方が上手い」 | AbemaTIMES

 

と発言したことに立花氏が激怒。「5時に夢中!」の放送局であるTOKYO MXのスタジオ前で抗議。今後マツコの出演する月曜には毎週来るという。

 

 

一連の騒動、自分はどう思ったかを情報を整理しながら書いてみたい。

 

まず、マツコの発言は案外保守的である。

 

言いたいことを歯に衣着せずズバズバ言うマツコなので、古い価値観に対しても否定的なのかと思いきや、年を取ったこともあるのか保守的な発言が多い。N国に対しても「NHKなんてやっちまえばいいのよ」とか言いそうなもんだけど、言わない。それは立花氏が「NHKの犬」と揶揄したように、NHKの仕事もしている立場であるわけで、積極的な否定ができないという事情はあるのかもしれない。

 

しかし単にマツコは「NHKを壊す必要性を感じない」と思っているのだろう。余計なことやってくれるな、と単に思っているんじゃないだろうか。だからこそ余計に「それだけのため」に国政に出て、しかも議席を獲得したN国および立花氏に対して嫌悪感をあらわにしたのは、なんら不思議ではない。だから世論におもねって「そういうのもアリよね」と言うより、こうやって「気持ち悪い」と発言しているほうがしっかりマツコらしいと自分は思う。

 

一方で立花氏からすれば「それのみ」(ワンイシュー、言ってしまえば一点突破)で当選した人。もちろん個人的に(投票してくれた有権者をバカにしている、なんてことも言ってはいたが)頭に来たこともあるんだろうし、何よりマツコにかみつけばまた話題になり、雪だるま式に話が大きくなっていくことを期待しているのだろう。何も考えなしに抗議をしているわけじゃあない。そこまでバカならさすがにここまで来ていないとは思う。

 

自分は「NHKの在り方はおかしいし見直す時期だろうなあとは思うけども、かといってそれのみで国会議員になられてもなあ…」とは思う。ただし議員になる目的は人それぞれで構わないし、国会議員になることそのものを否定するわけではない。冷やかしで入った票だとしてもそれは「そういうことにしか政治の意義を見い出していない」という民意と考えることもできる。だからマツコの発言が全て正しいとも思わないし、かといってN国を応援する気にもあまりなれないかなあ、とも思う。

 

その上で今回の立花氏の行動は「気持ちわりいなあ」と思った。

 

立花氏のこの行動はおそらく「今までやってきた方法」なんだろう。話題になるためにはどうすればいいか、を考えていけば、この行動はある程度「理にかなった」作戦であると思う。

 

しかしそれが「国会議員の振る舞い」となると、それはちょっと気持ち悪い。いちいち政治信条に合わない発言をした人に対してこうやって抗議活動をするのか。「するな」というルールはないのだろうから、しても構わないと思いますよ。しかしその代わりとして自分は「気持ち悪い」のレッテルをやっぱり張ってしまうんだろう。それも自由だ。

 

「気持ち悪い」と批判されていて、それに対する抗議の仕方が気持ち悪かったら、それはもう「気持ち悪い」というマツコの主張を補強しているに過ぎない。マツコが放った「気持ち悪い」と自分が感じた「気持ち悪い」の種類は違う。しかしそれらをひっくるめた「気持ち悪い」が全体のイメージとしてつくことがマイナスじゃないのか、とは考えないのだろう。N国側は抗議しているようで、「自分たちは気持ち悪いですよー、あっちの言い分は正しいですよー」と喧伝しているようなもの。敵に塩を贈りまくりである。争う前にもう結論は出ている。

 

立花党首は「民意」っていうけど、N国に投票した民意が全てじゃあないからねえ。マツコのような「気持ち悪い」と思っている民意が、もしかしたら投票した民意の10倍くらい大きかった場合、それは「民意」として自分たちに襲い掛かってくるんじゃないのだろうか。まあそのときは上杉隆丸山穂高がどうにかするんだろう。どうにもならんな。

 

キヨンセ

氷川きよしが隠すのに疲れたらしい。あるいはもう隠さなくてもいいと思ったらしい。

 

画像もなしに、そして詳しい説明をしないことで色々察してほしい。気になる人は「氷川きよし 始球式」で検索してほしい。twitterで「キヨンセに改名してほしい」というのを見たときは鼻水出た。

 

氷川きよしくらいのキャリアと実力と人気があれば、もう色々「いいかな」と思うときが来るのだと思う。ファンのほうも今更「もうきよしのファンやめます!」とか「もうズンドコする気がしない」とかはならんだろうし。むしろ面白みが5割くらい増してもっと楽しめるんじゃないかと思う。こうなればもう無敵だ。MUTEKIではない、念のため。

 

自分が一番危惧しているのは、このままキヨンセ化が進行していき、キヨンセがKABAちゃんばりに「声も変えたい!」とか言い出しかねないことだ。逆にそれさえなければもう何でもアリだと思う。声を変えてしまうのはさすがに商売道具だし、しないとは思うのだけど、もうあそこまで情熱があふれている場合は言い出しかねないから怖い。じゃなかったらもう取ったりするのも自由。何を、は言わないけど。

 

20年後とかオーラが見えているような気がする。気がするけど、とりあえず今は毎年始球式で投げてくれればそれでいい。

 

 

初めて猿轡をした日に読む話

35も過ぎると、人生初のことって少なくなります。

 

まあ自分は人生における大きなイベント事である結婚だとか出産(親になる)だとかを経験していないので、ふつうのアラフォー男性に比べれば経験値は低いのですけども、それでも日常において「ああ、初めてだなあ」ということは少ない。歳を食うというのは詰まるところそういうことである。

 

だからこの歳で「初めてのこと」は少しドキドキする。それが猿轡(さるぐつわ)なら、なおさらである。猿轡。物騒な響き。誘拐された人が目隠しとともにやられるやつ。あるいはSMプレイでやられるやつ。誘拐の場合は手ぬぐいなんかでやるし、SMの場合は専門器具(ボールギャグ)なんてのがあったりする。

 

さて自分はいかにして猿轡をすることになったのか。

 

8/12(月・祝)。世間はお盆前の3連休。あるいは10日あたりから長期お盆休みに入っていたりして。こちとら予定では11(日)まで仕事。しかし予定外の仕事が急に入ってしまい、12日も泣く泣く休日出勤である。ファッキンサラリーマンである。

 

この日はどうしても行きたい場所があった。アリオ札幌。サッポロビール日本ハムファイターズの練習場が隣にあるショッピングモールである。ここで何が行われるのかといえば、ラジオの公開収録である。これにどうしても行きたかった。

 

今北海道のラジオ局は聴取率週間である。それを「感謝週間」という言葉に置き換え、年に2度のお祭り騒ぎだ。その一環として北海道ローカル局STV(日テレ系列)のSTVラジオがアリオ札幌で公開生放送をするというのだ。

 

中でも自分のお目当ては正午から放送される「洋二と明石の無口な二人」の生放送だ。道外でも知名度がある北海道の誇る名物アナウンサー木村洋二(現STVラジオ取締役エグゼクティブアナウンサーという偉い人)と、長年「どさんこワイド」で双璧をなした明石英一郎元アナ(現STV制作スポーツ局長という偉い人)の熟年コンビによる15分ノンストップの帯番組。昼間っから縦横無尽かつ無軌道な話題で下ネタでもなんでもこいの15分。会社のお偉いさんになった二人だからこそ許される(のか?)「無口な二人」のトークが面白くないわけがない。

 

ここでも何度か書いているが、自分にとって最初のラジオスターは明石英一郎なのである。「うまいっしょクラブ」「アタックヤング」が自分のラジオの原体験である。未だにラジオを聴いているのは絶対に明石英一郎あってのこと。大袈裟に言えばラジオ現人神です。

 

そんな明石アナ(本当は「元」であるが、自分にとって明石さんは明石アナでしかないので今後の表記もこれで統一)の生放送が間近に見れる!洋ちゃん(大泉さんじゃないほう)も見れる!仕事も休みだ!と昨日まではノリノリだったわけです。昨日までは。

 

しかしあろうことか12日も午前中だけとはいえ仕事が入ってしまい、現地に12時に到着できるかはかなり微妙。職場からアリオまでは20分くらいかかるのだけど、休日の自動車の混み具合は正直読めない。仕事が早く終わるのと道路がすいているのを祈るような気持ちで午前中を過ごし、無事11時20分くらいに仕事が終わる。後片付けをして職場を後にし、自動車を飛ばしてなんとかアリオについたのが11時50分。やればできる。

 

予め公開生放送の場所は押さえてあったので、迷うことなく生放送の場所へ。放送開始前であるが、既に木村明石2大巨頭が喋っている!もうこの時点で興奮を隠せない。アイドリングトークを聴きながら、直線状に明石アナが見える場所をキープ。生放送が始まるのを待つ。生放送1分前に一旦ステージの奥に消えるお二人。

 

すぐ放送が始まるのに消えるのはなぜなのか、といえばそれは「猿轡をするため」である。

 

先週分の放送で「ラジオの公開生放送でリスナーの証として猿轡をしてきてほしい」とのトークがあった。自分は明石アナの忠実なリスナーであり、ラジオにおける明石アナのモットーである「マジメにふざける」を体現しなければならない、という熱い思いのもと、しっかりと猿轡を用意してきていた。つまり職場に猿轡を用意していた。正気ではない。

 

ちなみに猿轡はタオルをねじれば出来上がり、という代物ではあるのだが、自分は「時間がギリギリだった場合により簡便に素早く装着できる猿轡は何か」と考え、部屋の中を探したところ、これ以上相応しいものはないというものを発見した。

 

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2012年のももクロちゃんの男祭りのLVで購入した「男の漢字タオル」だ。頭に巻きつける部分と、そのタオルを巻きつけて縛る部分から出来ている(画像のマネキン参照)。頭に巻きつける部分を口に含み、そして巻きつける部分で縛ればあっという間に完成だ。おそらくこのグッズを猿轡として使用している人間はそう多くはないだろう。

 

というわけでものの数秒で猿轡完成。番組が始まり両者が再びステージに戻ってくる。すると二人もしっかりと猿轡で登場。当然何喋っているか分からない。

https://pbs.twimg.com/media/EBvcKr1UYAMYP6k?format=jpg&name=4096x4096

STVラジオのtwitterから拝借。こんな感じでした。左が明石アナ、右が木村アナ。

 

このあと当然二人は猿轡をはずしてから喋り始めるのだけども、明石アナがしていた猿轡は赤いふんどしでした。ヒモ部分と口にする部分、という発想では自分のタオルに近いものがある。勝手にそう思った。

 

本当に猿轡をしてきた人をカウントする二人。自分の前にも男女そろって猿轡のご夫婦(おそらく)や「いかにもラジオが好きでたまらない」という猿轡の男性二人組もいた。その後ろにいた自分もちゃんと数えてもらいました。10人いました。個人的には会場が全て猿轡で埋まると思っていたので、「案外少ないなあ」なんて感じていた。

 

いつも通りのトークで生放送の15分はあっという間に終了。大満足である。

 

トーク終了後、空腹だった自分は「とりあえずメシでも買おう」と思って会場に隣接していたパン屋でパンを購入。そしてまた生放送ラジオブースのそばを通ったら、あろうことか明石アナが立っているではないか!なんでそんなところにふらっと立ってるんだ現人神よ!(注:パーソナリティを身近に感じるそういうイベントです)

 

近寄ってみると明石アナは話しかけてきたご夫婦とスマホで記念撮影をしている!羨ましい!しかしスマホは夫婦が互いに撮影しており、自撮りはちょっと失礼な感じになるかな?とか思っていたらご夫婦がいなくなり、目の前に現人神こと明石アナ。一瞬で訪れる緊張。

 

かつてももクロの玉井さんが通路側に座っていた自分のすぐ真横を通ったり、イベントのお見送りで玉井さんに笑顔で目を見られたときは完全に魂を持っていかれたことがあったけども、いやあそれと同じ感覚。だって自分にとっては25年憧れ続けたラジオスターなんですもの。緊張しないほうがおかしい。

 

それでも現人神に「自分の思いを伝えたい!」との意気込みで猿轡を見せながら「猿轡で参加できてよかったです!」と話しかけることに性交、いや成功。もう自分の中では性交と同じようなもんです(違う)。現人神は「こんなくだらない企画に参加してくれてありがとうございます」とご丁寧なお言葉!さすが神!

 

こんな自分のようなガキにもしっかり敬語で話していただけるとは、と感動したのです。てっきり自分は「いや~、ありがとね~」くらいのフランクな感じで笑ってくれると思っていたのだ。しかしよくよく考えたら、現人神から見れば自分もしっかりとしたただのオッサン。社会人として一般的なオッサンに対するごく普通の対応だったのだと気付く。どうしても明石アナの声を聴いている自分の気分は中学生のままなのだ。自分の見た目と年齢をその瞬間錯誤していた。

 

そんなやり取りの後、握手をしていただきました。一生の思い出です。いやマジで。堅く握っていただいた掌は、しっとりと暖かかった。パワーとパッションを感じる。ラジオを通じて25年聞いていた声の元から伝わる体温。そりゃあ感動するよ。こんな人間でも感動します。ありがとう明石アナ。

 

贅沢を言えばスマホで一緒に写真を撮っていただきたかったけども、オッサンが写真に執着するのもそれはそれでおかしい話なので、そこはオッサンらしく諦める。そしてそんな未練で携帯を見ると職場から本当にしょうもない仕事の連絡。現人神遭遇の余韻もそこそこに職場に戻るハメに。休みなのに。しかも戻ってみたら先方のただの勘違いだったというオチ。喜びと悲しみは表裏一体なのだと知った2019のお盆。これで心置きなく成仏できそうです。