シンデレラフィット

東京タピオカランドに不満が続出しているようで。

 

東京タピオカランドは1ヶ月限定で原宿にオープンしたイベント。1200円の入場料で4店舗のタピオカを飲み比べることが出来ます(ただし別途ドリンク代は必要)。

 

してまあ、このイベントの評判がすこぶる悪い。「施設内にトイレがない」「そのくせ再入場禁止」「グッズがぼったくり」など、不満が出てくる出てくる。よくもまあこんな不満が続出しかねないようなイベントをやるなあ、とは思う。思うんだけど。

 

それだけ入場者はナメられているということです。もっと身も蓋もない言い方をすれば、「こんなイベントに来るような奴らはこのくらいの扱いで構わない」と主催側が値踏みしているんです。

 

そもそもこんな扱いがイヤなら行かなければいい。なんだか自己責任論みたいになってしまうんだけど、こんなことが予め分かっているなら誰もいかない。まあ最初のほうに行った人は不満が出るような事実が告知されていない(知りえない)状態で行ってしまったのだろうし、その点に関してはお気の毒としか言いようがない。

 

しかし、こんな批判が出るであろうことは誰だって簡単に予測がつくのに、なぜそれを最初から是正しようとしなかったのか。そこを考える必要がある。可能性はふたつあり、ひとつは「イベント運営スタッフが揃いも揃ってボンクラである」こと。もちろんこの可能性も捨てきれない。もうひとつの可能性は「それでもいいとスタッフが思っている」ことだ。おそらくこっちの可能性が高い。

 

トイレに関しては「タピオカをトイレで流す不届きものがいるので、最初から作らないつもりだった」という話がある。自分もこれなのではないかと思う。再入場禁止も外部にタピオカを流してからまた戻ってくる奴らを防ぐためだ、という話すらある。本当かどうかは知らない。

 

ひとつ言えることは、これが本当ならば「入場者は、タピオカを流行に乗っかってむさぼるような人間は、その程度の民度しか持ち合わせてない」と、あろうことかタピオカランドを運営している側からそう認識されているということだ。別にタピオカを文化として根付かせたいわけじゃあない。ただ儲かるからやる。しかも客はその程度の認識でしかない。本来的には悲しいことだが、自分は「間違ってないなあ」と思う。

 

そもそもこのイベントは1ヶ月限定なのである。多少の不満が出たっていいのだ。どうせ1回来たらもう来ない。リピーター狙いのイベントではない。であれば話題作りに訪れる、もっと言えば話題作りで来るような人間から一発入場料をかすめ取ることさえ出来れば万事OKだ。そういうカモになっている自覚がないから、「自分がお客様である」ことを声高に叫んでしまう。

 

もう日本人は「お客様は神様」意識があろうことに客側に根付いてしまっているので、何か不当な扱いがあると、それだけで「お客様は神様だろ!」と怒る。うんざりである。お客様はお客様でしかない。そのくせ不当な扱い(と客が考えること)があったときに「なぜそんな扱いを受けるのか」についてはあまり考えられない。考えたくもないんだろう。神様だから。

 

タピオカランドに不平不満を言う前に、「なぜタピオカランドはこんなに杜撰なんだろう」と考えたほうがいい。タピオカブームが生んだ歪みを全て体現しているのがこの施設でありこの運営じゃないのか。そこに安易に乗っかるような人間を搾取しようという意図を隠していないだけ、逆に良心的じゃあないのか。バカがバカに対してバカを怒っているのは全体的にバカだろう。あ、全部言ってしまった。