大宣伝

どうも、ハトヤです。今自分が気になる番組は3位「VIVANT」2位「真夏のシンデレラ」、そして1位は「キタに恋した!」通称キタコイです。

 

おそらくこれを読んでいる数少ないテレビ巧者の方ですら「なんだよそれ」的なことになっていると思いますが、無理もありません。北海道ローカルの番組です。

 

「キタに恋した!」通称キタコイは北海道のTBS系列であるHBCが制作している30分番組です。北海道出身のモー娘。OG飯田圭織がMCで、「道民目線で気になる話題のスポットや誰かに話したくなるディープな世界を東京で探す!」(HPより抜粋)という番組です。まあ飯田さん16で上京してもう20年以上東京に住んでいるので、とっくに道民目線ではないような気がしますけども、細かいことはいいんです。

 

この紹介文だけ見れば、「よくある地方ローカル局の番組」って感じがしなくもないのです。しかし地方ローカル局の番組であれば、「東京で活躍するタレントが地元をめぐって紹介する」みたいな番組に普通落ち着くのです。なのにこの番組の違うところはなぜか北海道のテレビ局制作でわざわざ謎に東京のスポットを道民に紹介してくれるというところ。もう番組のコンセプトからまあまあどうかしています。

 

しかし早々にネタバラシしてしまいますと、この番組はHBC制作と言いながら、おそらくほとんどアップフロントグループが作っている広報番組みたいなものです。制作協力クレジットに「アップフロントワークス」とちゃんと出ていますが、95%製作費出しているとウソを教えられても納得するくらいの感じ。そもそも飯田MCなんて番組普通の発想では思いつかないし(大失礼)、そこにゲストで登場するのは北海道出身のハロプログループアイドル。もうハロプロを信仰の対象としなくなって長いので、グループ名こそ知っているもののメンバーの名前はおろか出身地までは全然知らないこともあり、今現在こんなに北海道出身者がいるのだなと驚く。そしてみんな水着写真集出してますね。ハロプロの伝統芸よ。

 

そんなわけでこの番組、「北海道民に道民目線で東京紹介してやるぜ」という建前のもと、「ハロプロのアイドルがサクっと東京でロケ番組やるからファンはTVerで見ろや」という超ヌルい感じで制作されています。そもそも制作しているHBCが北海道で見られることを前提にして作っているとは思えない。理由はいくつかあって後述したいと思いますが、放送時間帯もそのひとつ。制作局のHBCでは土曜深夜1時という正直誰も見ない時間帯で放送していますので、録画をしてまで毎回欠かさず見ている道民は自分だけです(断言)。てことはもうTVerで全国にいるハロヲタに向けてやっているとしか思えんわけですね。

 

だから全国のハロヲタTVerでもって見ているのかと思ったら、全然そんなことない。さっきTVerでお気に入り登録数確認したら3000人弱でした。さすがにハロプロ好きは世の中にもうちょっと存在していると思うのです。ただ番組の存在が知られていないだけなのかもしれない。

 

このままでは超絶面白番組「キタコイ」が道民からもハロプロ好きからも見られていない番組になってしまう。これはよくない。というわけで私元ハロプロ信者である道民ハトヤが完全なるおせっかいでこの番組の魅力をプレゼンします。自分の願いはこれを読んで興味を持ったニヤニヤしながらいっぺんTVerで見てほしい。ただそれだけ。悪意などあるわけがない。

 

(余談。はてなブログが有料記事販売を始めたのでここから有料にしてみようと思ったのですが、間違いなく誰も金を払わないので、またの機会にします。しっかし自分のブログ記事有料にしたら誰が読むんだろうか。興味はある)

 

注目ポイント①「オープニング」

この番組のオープニングは元モー娘。で札幌出身の佐藤優樹(まさき)のソロ曲「ロマンティックなんてガラじゃない」が流れます。もちろんハロプロ広報番組なのでそれくらいは全然許容範囲です。しかし恐ろしいのは「歌詞がテロップで出てくる」ところです。札幌に住んでもいない飯田さんが北海道から飛行機で東京に飛んでくるアニメーションから始まるオープニングですが、この曲の歌詞のテロップが出てきます。

 

初見の方はまずここに度肝を抜かれます。オープニング曲が流れるのはまあよしとしても、そこに番組と1ミリも関係のない恋愛ソングの歌詞が堂々と出てくるのはかなりシュールです。ちなみに番組開始当初はこのテロップは出ていませんでしたので、数回番組を流したあとでアップフロント側が「歌詞のテロップ出してくんねえかなあ」と真顔でHBCのスタッフに詰め寄ったことが容易に想像できて、ここにも味わいがあります。

 

注目ポイント②大先輩OG飯田と後輩アイドルとの距離感

これはもう仕方ない話なのですが、MCの飯田に対して登場する後輩アイドルの「どう振舞ったらいいのか分からん」感がヒシヒシと伝わってきてよろしいです。そりゃあモー娘。の初期メンバーである大先輩飯田に対して、20前後の後輩アイドルができることなんて「愛想笑い」の一択しかありません。猫ひろしじゃなくても「縦社会!縦社会!」と言いたくなります。ちなみに番組中には飯田が進行上の場所やものに関して後輩アイドルにクイズを出す「かおりんクイズ」なるものが存在しますが、タイトルも飯田本人もアイドルも全部見てられなくて最高です。

 

あと飯田の進行とは別に、HBCのアナウンサーと後輩アイドルの2人だけで、その日紹介したスポットの近くにある別スポットを紹介するコーナーもあるのですが、その時の後輩アイドルのイキイキのびのびした感じが、より飯田との距離感を感じさせるギミックになっているという悪い構成です。これは本当に番組が悪い。

 

注目ポイント③「もう道民無視してますやん」

これもオープニングテロップと同じタイミングで発動したはずなのですが、いつの間にか「北海道の番組なのに、北海道のことを札幌出身モー娘。OG(現在旦那が日ハム所属により北海道在住)の紺野あさ美がわざわざ北海道のことを紹介する」という謎すぎるコーナー「紺野あさ美の北海道通信」が登場しました。これには鼻水吹きました。

 

先日の放送では、北海道民ならば夕方ワイド番組などで何回もこすり倒されている「生ノースマン」を紹介。ちなみに「ノースマン」は北海道民ならば誰でも知っているお菓子で、その生クリームが入ったバージョンを北海道では今売っているんですよ、という紹介。道民みんな知ってる。ノースマンそのものの紹介も含めて、もうこれ道民向けというより完全に道外でTVer見てるハロヲタ向けじゃねえかよ、と。あくまで建前として道民向けは装えよ、という香ばしい感じ。紺野がねじ込まれたのも、やはりアップフロント側が「どうせ紺野北海道に住んでいるから、北海道レポーターくらいやらせてやってくんねえかなあ」と真顔で詰め寄ったんだと思います。

 

 

というわけで、30分番組にも関わらず見所がたくさんすぎて、とてもじゃないけど1.5倍速以上じゃないと見る気がしないのですけども、以上のような点を念頭に置いて楽しむと、「テレビって素晴らしいな」と思えるんじゃないかと思います。自分はこういう番組を失くしちゃいけないと割とガチで思っています。普通に面白いだけの番組だけが面白いわけじゃあない、というのがテレビの本当のいいところ。みなさんTver登録してほしい。