不遜

思いっきり独断と偏見で書いてみる。北海道ローカルにおけるタカアンドトシの在り方が、自分にはとても不遜に思える。悲しいことである。


タカトシといえば北海道出身の漫才師。元々北海道よしもとの一期生であり、「オンエアバトル」などの活躍を機に東京へ進出。「欧米か!」のツッコミで一世を風靡し、今では番組の司会もこなすいわば「一流の芸人」である。そんな彼らの活動拠点は既に東京ではあるが、常に北海道でもレギュラー番組を抱えている。特にUHB(フジテレビ系列)との関係が強く、かつては日曜昼の生放送の番組を持っていたり*1したこともある。現在UHBでは「タカトシランド」という、いわゆる街歩きの番組を持っている。ローカルながら金曜19時というゴールデンの時間帯だ。


またここでも以前に話題にしたが「ジンギス談」という深夜番組をHBC(TBS系列)にも持っている。こちらは吉本の芸人をゲストに迎え、北海道ローカルの深夜番組をいいことに、結構言いたい放題やりたい放題やっている。いい言い方をすれば「肩の力が抜けていて、リラックスしている」のだが、悪い言い方をすれば「地方ローカルの深夜に対するあからさまな手抜き」である。これはもう断言していい。やる気がないわけではないのだろうけど。


まあ心情として地方ローカルの深夜くらい多少手を抜いて気を抜いてやってしまうのは無理もないのかもしれない。リラックスした番組があってもいい。しかし、自分が今も以前も北海道ローカルのタカトシの番組全般に思うことは「完全に地元(地方)であることをいいことに、テキトーにしかやってない(ようにしか見えない)」のだ。言い換えると「番組に、ローカルに対する愛が希薄なのが透けて見える」という感じだろうか。


地方ローカルの街歩き番組なんてきっちり真剣に見ている人間はそう多くない。そう多くないからこそ、タカトシが表面上きっちりこなしているように見えてしまう人も多い。しかし、少しでもちゃんと見れば、あらゆる場面でタカトシの雑さを垣間見る。「東京から来たスター様が番組やるんだから、こんなもんでいいんでしょ?」感がアリアリと見える。本人たちが否定しても、少なくとも自分にはそう見えるんだから仕方ない。そう見せてる「何か」があることを自覚したほうがいい。


今回の放送でいけば、以前取材で訪れた店を全く覚えていなかったこと。まあ全ての店を覚えているなんてことは無理なのだけど、彼らの場合はもう本当に覚えてない。たぶん覚える気がないんだろう。駅前に結構前からあるコーヒー店なんて一回行けば行ったことくらいは覚えていそうなもんだが、まあ覚えてない。同じローカルスターの華丸大吉では考えられないと思う。


北海道ローカルの番組はいくらでもある。いまや全国区になった俳優集団チームナックスも番組を持っている。全員忙しいはずなのに、しっかりロケ時間も取って地方ローカルとして充分楽しめるレベルのクオリティを維持している。芸人で言えば、なぜか北海道に縁のないサンドウィッチマンまで番組を持っている。しかもこっちは普通に面白い。タカトシの80倍くらい面白いし好感が持てる。同じ芸人のローカル番組だし同じようなことやってるのに、この差は何だろうか。


最近のタカトシのローカル番組は、見る度にどこかしら彼らの「イヤな部分」ばかり目につく。まあ自分がそのような目で見るようになったということもあるのだろうが、ここ半年から1年くらいで、自分における彼らの好感度は滑り台くらい下がり続けている。北海道から東京へ進出して売れたときには本当に嬉しかった。面白い人たちはちゃんと売れるのだと。しかし今彼らを見ても思うことは「なんだろうねえ」でしかない。


一時期の東京での出ずっぱりの時期を終え、地方での活動もまた盛んにし始めたタカトシ。北海道関連のCMもここ最近また増えた。それはそれで良いことではあると思う。しかしこんな態度を続けてローカル番組を「こなしている」ようでは、いずれ北海道での居場所はなくなるんじゃないかと自分は思う。これを読んだ人は是非北海道に来たらタカトシのローカル番組を見てほしい。

*1:今ではその枠は千原ジュニアベッキーがやってるんですけども