不発

タイトルが全てなのですが、一応「世にも」の最新作「22秋の特別編」の感想を。

 

元カレと三角関係

土屋太鳳主演。現在の彼との間にしっくりこないものを感じる主人公。ある日主人公の部屋に見知らぬロボットが訪れる。そのロボットは事故で入院している別れた元カレの脳波によって動かされるロボットだった。見舞いを拒否することを訝しく思うも、付き合っていた頃のことを思い出したり、元カレの優しさに触れるにつき、心を動かされる主人公。ある日元カレのロボットは「先が長くないので、結婚式を挙げてくれないか」という。主人公は本気にするも、信用できない元カレが実際に入院している病院を突き止めると、そこには本当にベッドに寝かされ、脳波でロボットを動かしているらしき元カレを発見。結婚式をお膳立てすることに。砂浜で結婚式の真似事をしている最中、元カレの容態は急変、そのまま帰らぬ人となってしまう。

 

とまあ、今書いたあらすじ以上のことがない話。どこかにヒネリがあるわけでもなく、毒気があるわけでもなく、そしてあらすじ以上の感動があるわけでもない。そして無駄に長い。ただ土屋太鳳が土屋太鳳だけだった話。

 

コンシェルジュ

観月ありさ主演。元旦那との不倫騒動により、娘とともに引っ越しを余儀なくされた主人公。引っ越しした先のマンションには、何でもやってくれるその部屋専用のコンシェルジュがいた。コンシェルジュは住人である主人公の思い通りのことを叶えてくれる。いなくなればいいのに、とつぶやいたら元旦那は刺し殺され、ドラマやCMの仕事も次々と決まっていく。何より娘のことを優先してきた主人公だったが、仕事が忙しくなっていくと両立が難しくなる。それを察したコンシェルジュは家庭を優先できるようにと、仕事を自分が肩代わりしていくが「私から一番大事な仕事を取らないで」という発言でスイッチが切り替わる。結果コンシェルジュは「ママとずっと一緒にいたい」という娘の願いをかなえるべく、主人公が殺されるように仕向け、その願いをかなえることになる。

 

まあいかにも「世にも」という作品ではありますが、やはりそれ以上でも以下でもない感じ。

 

わが様

沢村一樹主演。仕事に忙しく家族や周囲を顧みない主人公。母親の葬儀で実家に戻った際、実家の蔵で母親からずっと話に聞いていた「わが様」を発見する。わが様の願いをかなえると幸せになるという言い伝えを聞いていた主人公は、わが様の欲しがるものを与えようとするが、ことごとく上手くいかない。それどころか不幸が重なっていく。なぜこんなことになっているのか、自分や周囲のことを顧み始める主人公。そこで「わが様」の正体は、自分自身の子供の頃の姿だと気づき、その時に自分が一番欲しかったもの、それは家族のだんらんであることを与えると、わが様はいなくなり、そして自分自身の心も満たされる。

 

これも「世にも」テイストではあるんだけども、最初の「元カレと三角関係」と同じ感動路線にちょっと寄っているような気がして。ブラックなユーモアが感じられないのよ。「週刊ストーリーランドかよ」って言いたくなる。これじゃあ「ノンレムの窓」にしてやられるぞ、と言いたくなる。

 

 

ちょっと待った!

渡辺翔太主演。今まさに意中の彼女にプロポーズしようとしている主人公。しかし彼女の様子がおかしい。気づくと彼女は二人いて、一人は未来から来たもう一人の彼女だった。その未来の彼女は「結婚するな」という。しかしさらにちょっと待ったをかけてきたのは未来の主人公。次々と未来の二人が登場しては「結婚したほうがいい」「しないほうがいい」と散々言われる始末。最終的に「今日はやめておこうか」と二人で席を立とうとしたら、同じ店にいたカップルが「未来がどうであれ、大切なのは今だから結婚したほうがいいんじゃないですか」というアドバイスをもらう。結果主人公はプロポーズし、結婚することに。同じ店にいたカップルは未来の夫婦の子供たちであり、自分たちがいなくならないように過去に戻ってきて若かりし両親を結び付けていたのだった。

 

これもまあ、よくあるタイムスリップものであり、何か目新しさとかあるわけではないですね。なんかこのくらい雑で分かりやすい話がいいのかな、くらいに思えてしまいますよね。

 

 

というわけで、いいところがほぼナシという久々に残念な結果に終わりました。最近は調子よかったので、素直に肩透かし食った感が満載です。原作ものが一本だけだったのが逆に悪かったのか。原作ものに頼り切るのもどうかと思うけど、オリジナルであってもこのクオリティじゃあ本末転倒よ。オリジナルでコケるにしても、何か光るものがあればいいんだけど、ただの凡作じゃあなあ。また春に期待。冬でもいいよ。