思い込み

先日見た「世にも奇妙な物語・秋の特別編」の感想を。

 

脱出不可

坂口健太郎主演。目覚めたら監禁されている主人公。そこから脱出するには3つのパスワードを入力するしかない。その部屋はネット配信されており、視聴者の力も借りながらパスワードを発見しては解読していく。しかしパスワードを解読していくにつれ、自分がなぜ閉じ込められているか、そして何を意図しているかに気づかされていく。

 

始まったときは「安っぽいSAWが始まりましたよ」と思ったんだけど、終わってみたら激安すぎてびっくりした。いやあまあ脱出ゲーム的な要素とネットの怖さ的な要素をリミックスして中学生に脚本書かせたらあんな感じになるんでしょうけど、いい加減「奇妙=投げっぱなしでもあり」ってことではないというのは徹底してほしい。一発目の子供だましは困る。

 

あしたのあたし

国仲涼子主演。平凡な毎日を送る主婦の主人公。しかし突如スマホに送信されてきた自分の明日の予告動画「あしたのあたし」の通りに日々が進行していく。配信が最終回となった翌日、動画の煽りにある「予期せぬ結末」とは?

 

今回の秀作。ドラマの予告編あるあるを交えつつ、コメディ路線を進みながらも最後にシニカルに終わるという、いかにも「世にも」な作品。1本目のショボさとの落差に耳キーンとなるやつね。国仲涼子のくたびれ感は嫌いじゃない。

 

幽霊社員

佐野史郎主演。社内でも存在感が全くないいわゆる「幽霊社員」の主人公。大きな仕事を目の前に亡くなり、成仏ができない「幽霊の社員」の思いを託され、仕事に奮闘する。

 

これも「世にも」テイストたっぷりで、起承転結がしっかりしているところにオチもよく出来ている。演出がさすがの星護よ。佐野史郎と「世にも」は本当に相性がよい。「バカばっかりだ!」という名作がありましてですね、ええ。

 

マスマティックな夕暮れ

玉城ティナ主演。黒魔術書に書かれた数学を解読するために不良が数学を学んでいく、というお話。説明が雑。元はヨーロッパ企画の脚本。

 

まあ、テレビ界では理系の出番はないですから、こんなもんだと思います。不良が勉強して数学が出来るようになるだけの話。突飛な展開も何もない。エセ理系の自分が気になったのは「動物の血液を薄めてできる水溶液」の問題よ。血液はコロイド溶液なので水に混ぜても水溶液にはならんでしょうよ。まあいいんだけどさ。こういう煩いこと言うから理系の出番はないのだ。

 

クリスマスの怪物

川栄李奈主演。クリスマスイブにIT社長と食事をする主人公。そこでクリスマスの思い出として過去にイジメによって大怪我を負った同級生の話をするが。

 

分かりやすいホラー枠。サンタさんの赤い服は返り血なんだよ、くらいのホラーかと思いきや、IT社長のサンタさんとは発想は面白い。けど話の中身は凡庸。まあこのくらい分かりやすいほうが初心者は楽しめるかもしれません。おじさん何せ30年見てますからねえ。

 

 

久々に丸々5本というスタンダードスタイルの放送。5本もあれば佳作も駄作もそりゃあある。それなりに楽しめてますよ。次の「雨の特別編」も早いとこ見なければ。

 

 

 

 

 

 

 

………お気づきだとは思いますが、この感想は自分が「先日見た」昨年放送された「秋の特別編」の感想です。1年間HDDに眠っていたのを先日見たもので、感想もついでに書いた次第です。みなさんの記憶が不安になったのであれば申し訳ない。ただ、それは「奇妙な世界」への扉の第一歩かもしれませんし、ただこれを書いている人間の性悪さかもしれません。それでは、ごきげんよう