思い込み
先日見た「世にも奇妙な物語・雨の特別編」の感想を。
さかさま少女のためのピアノソナタ
玉森裕太主演。ある日主人公は図書館で古びた血染めの楽譜を見つける。そこには「絶対に弾いてはならない」と書かれており、実際に演奏し間違えれば指を怪我し二度と演奏が出来ない体に。しかし演奏をしている間は時間を止めることが出来る。ある日その曲の演奏をしはじめると屋上から投身自殺を図った同級生が空中に。主人公はどうにかその同級生が救えないかと思案する。
「曲を演奏すると時が止まる」「曲に失敗すると二度と演奏できなくなる」のメリットデメリットがよく分からないですよね。オチにも使われる「逆に演奏すると時間が戻る」も含めて、なんだか上手いこと出来ているのかそうでないのか判断に困る作品。最後に救った同級生が同じ曲を弾いたら今度は二度と演奏できなくなった同級生が飛び降りてくるのは完全に蛇足じゃない?
しらず森
吉田羊主演。自分が幼いころよく遊んだ森に自分の息子を連れて行く主人公。そこで息子は神隠しに遭ってしまう。離婚寸前の旦那と一緒に息子を探すが、そこでタイムカプセルに書かれた自分からのメッセージを基に、息子の救出を試みる。
タイムトラベルからのちょっとした感動ストーリーは王道。週刊ストーリーランドかと思いました。この後の「人間の種」とちょっと中身がかぶっているのは気にしないでおこう。しっかし吉田羊はシングルマザーとかシングルとか多いですよね。やっぱりそういう風に見えるんだろうか。
永遠のヒーロー
郷ひろみ主演。科学の発達により怪人と正義のヒーローが普通に存在する世界で奮闘するヒーローの主人公。離れて生活する一人娘のために奮闘するも、その存在が架空であると知り、自分の存在意義を失う主人公。そんな中存在しない娘からの電話により、衝撃の事実を知る。
世にもでは王道の「逆に」パターンである。やっぱりこの構図は話として美しく、そしてオチも美しいですよね。せっかくの郷ひろみ主演でヒーローモノなのに、結局郷ひろみはスーツアクトしない(そりゃそうだ)ってのはちょっともったいないような気はします。あと最後のスタッフロールで山寺宏一が声の出演ひとり10役は便利使いしすぎと完全に笑わせにきている。さすが。
大根侍
浜辺美波主演。好きな先輩にブリ大根を作ろうと思い、大根を買って帰ろうとする主人公。しかし帰りに大根を腰に差す男と大根がぶつかってしまい、そのまま決闘へ。
今回のバカ枠。超絶かわいい浜辺美波に珍奇なことをやらせたいスタッフのスケベ心と、超絶かわいく当時絶賛変な恰好で不倫中の小手伸也に珍奇なことをやらせたいスタッフのごく真っ当な意識のぶつかり合いによる珍作品。これが(広瀬)アリスだったらこんなことはならずに、超絶真剣なコメディとして成立してしまうのでアリス最高と全然関係ない感想をぶちこんでおく。
人間の種
木村文乃主演。プロポーズをされて踏ん切りのつかない主人公。自らが母親を間接的に死なせてしまったというトラウマがあった。そんな折花屋でみつけた「幸せの種」を花壇に植えたら、種から人間が生えてくる。その植物は自分の母親を名乗り、主人公の気持ちを動かしていく。
タイトルだけ見たらホラーでも不思議じゃないんだけど、れっきとした感動作。前述の吉田羊じゃないけど、木村文乃も軽不幸の女性を演じることが多いような気がします。嫌いじゃない。
タモリパート
タモリの語りパートには佐藤二朗が出演。疑心暗鬼の強盗犯が自分を刺して死んでしまう、というストーリーを各話ごとにうまく繋いでいる。超忙しいんだろうけども、佐藤二朗でやっぱり一本見たいな、という気にさせられる。主演あったっけなあ。たぶんないと思うんだけども。
前回に引き続きストーリー5本。うちコメディチックな「大根侍」は話を前後編に分けて最後に放送。この構図「引っ張り」の効果があるのかもしれないけど、あんまり好きじゃないなあ。引っ張る内容じゃないのだからなおさら。
………お気づきだとは思いますが、この感想は自分が「先日見た」6月に放送された「雨の特別編」の感想です。半年間HDDに眠っていたのを先日見たもので、感想もついでに書いた次第です。みなさんの記憶が不安になったのであれば申し訳ない。ただ、それは「奇妙な世界」への扉の第一歩かもしれませんし、ただこれを書いている人間の性悪さかもしれません。それでは、ごきげんよう。