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「千鳥のクセがすごいネタGP」が2回の特番で10月からゴールデンでレギュラー化だとか。うーむ。「有吉の壁」に悪い意味で触発されたか。

 

テレビにおける「お笑いブーム」と呼ばれるものは確かにあって、数年に一度の周期でネタ番組が盛り上がったりする。現在は「一段落」のタームであり、「ネタパレ」「もうすぐにちようチャップリン」などのネタ番組がないことはないけども、どちらかといえば下火だろう。そこにきて純粋なお笑い番組「有吉の壁」が数年の特番時期を経てのまさかのゴールデンでレギュラー化。誰しもが「大丈夫か?」と思ったが、特番時期から盛り上げてきたパンサーやとにかく明るい安村が大活躍。番組の躍進が認められギャラクシー賞を受賞するまでに。これはバラエティ界においてはちょっとした事件だった。

 

だから、というわけではないと思いたいが「千鳥のクセがすごいネタGP」がレギュラー化。千鳥の東京進出を分かりやすく出鼻をくじいた「ピカルの定理」以来7年ぶりのフジのゴールデンレギュラーだという。これだけでも不安要素しかないけど、もっと別の最大の不安要素がある。視聴者の誰しもが思っていることをわざわざ言っておく必要はやっぱりあるわけです。

 

この番組はただの「豪華なあらびき団」なのですよ。そこに未来はあるのか。

 

「クセがすごい」という千鳥ノブの言い回しは便利であるけども、それは言い換えれば「あらびき」です。ノブがレフト藤井なら大悟はライト東野。座り位置は逆だけど役目はこの通り。いや、今回の放送でいえばレフト藤井の役割は新木優子だったな。

 

もっとも「意図するところ」は「ネタGP」と「あらびき団」では大きく違う。「あらびき団」の笑いはもちろん「あらびき芸人がやるネタが面白い」こともあるが、それよりもっとどうしようもない人たちを東野藤井のコメントでぶった切ったり、悪意のある編集で晒してみたりと、裏笑いを提供するような「底意地の悪さ」がある。しかし「ネタGP」はさすがにゴールデンでやろうとしているので、芸人の持ってくるネタはいわゆる「あらびき」的なものが多いのだけど、出てくる芸人に力があるので(YouTuberはともかく)、そのままストレートに面白く、千鳥がネタ後に処理をしなければいけないものは「そんなに多くない」(ないとは言わない)のだ。だから裏笑い的なものもあるけど、基本的にはネタそのもので笑わせようとしている。そりゃ出場している芸人の実力が大きく違うのだから仕方ない。圧倒的に正しい。

 

ではこの形式で特番のようなクオリティが続くのかといえばそれは相当怪しく、いつの間にかどうしようもないことになっている、という未来しか自分には見えない。いっそのこと「半年限定」とか最初から謳っておけばいいのに、とすら思う。それともフジは何かとてつもない勝算があったりするんだろうか。あればいいね。やってみなきゃ分からんの精神です。それをヤケクソと呼ぶこともあるが。

 

千鳥は「(ピカルの定理で同じくレギュラーだった)モンスターエンジンが出るまでは続けたい」と話していた。モンスターエンジンが「神々の遊び」を出したら、それこそただの「あらびき団」でしかない。でもそんな最終回を目指して短距離で頑張ってほしい。