やっぱフジテレビだな

「お笑いオムニバスGP」を見たのですが、面白7の切なさ3。

 

「オムニバス」と銘打たれており「バク速-1GP」「ドッキリツッコミGP」「2億4千万のものまねメドレーGP」の3つのパートに分かれている。別々にやってもそれなりに番組として成立すると思うのだけど、千鳥をメインに据えて(MCは麒麟川島と白石麻衣だったようだが)まとめて放送して一貫性を持たせたかったのだろうか。逆にそれが「今一つパンチに欠けるものを合わせましたよ」感が少し出ていたような気がする。

 

「バク速-1GP」に関しては、これはもう「爆笑レッドカーペット」の焼き直しでしかない。作っているほうも見ているほうも分かっているのだから、言えばよかったのに。しかも悲しいかな「レッドカーペット」がショートネタブームの元祖であるのに、また最近ショートネタを流す番組が出てきていた(「爆笑!ターンテーブル」や「水曜日のダウンタウン」内で放送された30-1グランプリなど)ので、なんかこっちのほうが後追いのような感じがしてしまう。出てくるネタもあまり新鮮味がなかったような。

 

「ドッキリツッコミGP」は現在放送中の「芸能人が本気で考えたドッキリGP」の延長線にあるものだけど、ドッキリを受けた後の芸人のツッコミに照準を合わせたもの。それはそれでいいんだけど、最後のドッキリがまさかの「みなさんのおかげでした」の「全落」仕様。ロケ地も聖地東京ドイツ村。この後の放送順だった「2億4千万メドレー」と併せてそれはもう石橋貴明仕切りでいいじゃん、って話になると思うんだけど、予算が出なかったんだろうなあ。

 

カンニング竹山が深い落とし穴に落ちた所で「やっぱフジテレビだな!」と突っ込んだシーンと映像をポスターにしろとしきりに言われていた。浅い落とし穴から深い落とし穴に落とすこの攻め方こそバラエティのフジテレビだな、という意味での発言だ。そんなことを言わせるフジテレビであってほしい、という意味でポスターにしろと言っていたのだ。

 

しかし、自分はこのコーナーそのものを石橋でとんねるずで全落という形で出来ていないところが「やっぱ(今の)フジテレビ(の限界)だな!」と自分は思ってしまった。もちろん竹山にもスタジオの芸人にもその意図はないんだろうけど。ここがとても切ない。

 

そして「2億4千万のものまねメドレーGP」は見た人全員言ってると思うのだけど「バナナマンはいないんかい」に尽きる。そもそもこのコーナーの発端であるバナナマン日村がいないのにやる意味はあるのか、というところですね。もちろん裏かぶりとかスケジュール調整がきかないとか色々あるんだろうけど、最後は必ず日村が優勝というところまでが形式美のはずなのに、なにやってくれてんの、じゃないですか。

 

そりゃあ物事には事情ってものが存在しますから、今回の全てのコーナーのダメなところ全てに「何らかの事情」はあるんでしょう。作っているほうだって全落はやりたいだろうしバナナマンは出てほしいって思っているはず(思っていないのだったらもうこんな企画全部やめたらいいわけよ)。けどそれが出来ない叶わないというときに、妥協案を探りながら進めた結果こうなっていることも、いいかげんオジサンになった自分には分かる。しかしそれでも譲れない部分ってのはあってしかるべきで、特にバナナマン日村はそこの部分じゃなかったのだろうか。もちろんモノマネそのものは面白かった。しかし「純粋にモノマネメドレーを楽しめ」というコーナーだったかあれは。そうじゃないと自分は思っていたんだけど。

 

HPの番組紹介には

とんねるずのみなさんのおかげでした』で人気を博したものまね企画のアップデート版「2億4千万のものまねメドレーGP」

と書かれている。アップデートとは何を指すのか。日村要素を消しただけにしか思えなかったぞ。白石麻衣を優勝させることはアップデートじゃあなかろう。むしろ優勝の決め方が茶番である、というのは何も変わっていないということだと思うけど。

 

新しく大型のお笑い番組を立ち上げてくれることは何より嬉しいし、過去にやっていた企画を復活させてくれるのも嬉しいのだ。しかしその復活の仕方が「味が以前と違いぼんやりマズくなっている老舗」みたいな、マヌケ感があるんだよなあ。今一度繰り返すが、「やっぱフジテレビだな」ってのはいい意味で使いたい。だけどこの番組には肝心な何かが欠けていて、それが意図的なのかそうでないのか分からないところが「やっぱ今のフジテレビだな」って思う。何でこんなことになってるんですかね。