レッドスネークカモン

「Mr.スーツマンSHOW」を見ました。

 

TBSの看板アナウンサー安住紳一郎がホストとなり、著名人を招いてライブ形式で行われるトーク番組。要するに同局で放送されている「A-studio」の安住版である。なんてことはない。

 

初回のゲストは堺雅人をはじめとした「半沢直樹」の出演者たち。誰がどう見てもドラマの番宣であり、ドラマが4月からスタートするタイミングで放送するはずだったんだろうが、ドラマ放送日程が決まりこちらもようやく放送されるという運びになったのは誰でも分かること。

 

んでまあ「安住アナがメインでトーク番組を仕切る」というのは、テレビ好きには「これは見ておくべきだろうなあ」という気にさせる。TBSの看板アナであると同時に、今のテレビ界を代表するアナウンサーである安住が満を持して的な感じで始める番組、力が入っていないわけがない。「不定期放送という名の番宣時期にのみ垂れ流す都合のいい番組」だったとしても、それを仕切るのが安住アナなら何か面白いものが見れるのではないか、と思わせてくれるのだ。

 

そんな期待を込めながら見た感想が「うん、まあ、こんなもの」ですよね。

 

安住アナが仕切るとはいえ、ゲストに招かれた俳優たちがメインなのは当然だ。しかもそれが堺雅人柄本明及川光博香川照之となれば、そりゃあ濃い話になるし香川照之がグイグイ前に出ますよね。安住アナがでしゃばることは絶対にない。しかし安住アナがホストだからこそ、彼が「ぴったんこカンカン」などで見せてきたゲストに対する絶妙な間合いでもって、何か今まで見ることができなかったゲストの一面を見ることが出来るのでは?という期待もあったんだけど、少なくとも初回の放送では「トークの整理役」でしかなかった。もちろんあれだけの人たちに対してそれが出来るというのは凄いことなのだけど。

 

また、ちょっとした音楽で始まってみたり、番組の終わりには「またいつかお目にかかりましょう see you next time」と言ってみたり、カーテンが閉まる前におどけてみたり、海外のトーク番組を意識したような振る舞いをしている(させられている)のが、やっぱり肌に合わない。以前にフジが「サタデーナイトライブ」を半年間放送していたことがあったけども、あまりなじむことなく終わってしまった。もちろん慣れもあるんだろうけども、いまのところ「海外のトークショー」を真似てみても、少なくとも自分には「なんか無理してる」としか思えなくて辛い。

 

中身が豪華なだけに「面白くなかった」ということはないのだけど、「これだけの装置があるなら、もっと出来ることはあるだろう」というのが正直なところ。安住アナでなければ出来ないような気もするが、かといって安住アナである必要性はあまり感じない。また「番宣番組としては豪華」なのだが「番宣だとすればもっと安っぽくても別にいい」ような気もする。何ていうのだろう、超高級なお肉を使っているのに作っているのは牛丼、みたいな「そりゃあ美味いんだけど、なんかムダじゃない?」という感じ。

 

自分が安住アナに期待するのは海外トークショーの真似事ではなく、「テレビ変態(テレビが好きすぎてテレビに対するこだわりが変態的)によるテレビ変態にしか出来ないトーク番組」だ。次はもうちょっと色々なことが整理されていることを願う。