成金チーズ

1か月も更新をほったらかしにして、何の話題かと思えば、そう、義剛です。


坂上&指原のつぶれない店」という番組がある。タイトルの通り坂上忍指原莉乃が司会で「なぜこの店はつぶれないのか」という観点で様々な話題を取り上げる経済バラエティ番組。「がっちりマンデー」の派生番組だと思えば分かりやすい。


そんな番組に田中義剛が登場しました。


ハトヤは自称「田中義剛ウォッチャー」です。「よしたけ」と変換して「義剛」の字が最初に出るのはおそらく本人と自分だけでしょう。てなわけで、もはやこのページを覗いているような方に説明は不要のような気はしますが、「義剛が取り上げられる番組を見て、そして唾棄する」という性癖のもと、今回も例のごとく義剛ウォッチをした感想をお伝えしたいと思います。


今回の義剛、自分はとても心配になった。それは今回の義剛が「自分のような穿った見方をしていない、誰の目が見てもゲスい」ことである。もう、久々に見たこの感じ。生キャラメルバブル以来のゲス義剛であった。最近は「実は堅実に儲かってます」というスタイルのもと、シブく決めても自分からすればゲスさを隠しきれない義剛が楽しかったのに、もう今回は誰が見ても明らかにゲスい。以下番組の流れに沿って説明。


まずはVTRの初めはちょいと小洒落た店で、全く小洒落ていない服装の義剛が待ち構えている。そんでもって注文したのがラクレットチーズの料理。もはや先を見なくても分かる「このチーズ花畑牧場が作ってます」アピールタイム。ここ数年の義剛は「業務用で一儲け」「ローソンのスイーツで一儲け」という流れなので、当然にここに出てくるチーズも義剛産。義剛産と書くと途端に食欲が失せる感じがして自分は好きだ。自分はローソンでスイーツを買うときには生産者を見て避けるようにしているのは言うまでもない。


大型のウォッシュチーズであるラクレット花畑牧場が前から作っていることは当然知っていたのだが、ここにきて世間でとても流行っているらしく、まあ売れているらしい(自分はそっちの事実を知らない)。現在日本流通の90%が義剛産とのこと。これは食べてはいけないと思った。これにかこつけて義剛はラクレットチーズを食べるときには必要不可欠な、チーズを溶かすオーブンまで自分のところで作って売りつけようとしているらしい。しかもお店には無料で提供するのだという。スタジオ大絶賛。ゲスい笑いの止まらない義剛。戦慄する自分。最近のブームだった「謙虚ぶるけど実は自慢する義剛」がもうそこにはいない。ただただ金儲けと自慢が止まらない義剛。自分でなくても嫌悪感の対象じゃないのかこれは。


お次のVTRはタイに進出する義剛。タイの街で日経新聞をチェックするというこれまた義剛お得意の謎アピールを挟み、東京ドーム約100個ぶんの敷地の牧場に金を出しているという話。タイからアジア全域へ義剛産のチーズを売りつけようということらしい。確かに以前「ソロモン流」でも海外進出の話はしていたが、ここまでしっかりと海外に魔の手を伸ばしているとは思わなかった。


タイの花畑牧場工場で作ったチーズを挟んだチーズトーストが現地でとても売れているようだ。その名も「北海道チーズトースト」である。タイで公開された北海道が舞台の映画の影響もあって、確かに北海道にはタイからの観光客も増えている。それを便乗(と敢えて言いきってしまう)したネーミングであるところの「北海道チーズトースト」だ。自分だけでなくこれを見ていた道民の100%が顔をしかめた(断定)。まあ義剛が、花畑牧場が関わっているのだから「北海道」の看板に大きく偽りはないのだろうけども、こういうところが義剛の義剛たる所以であり、自分がストレートに嫌いなところである。今後自分が「義剛のどういうところが嫌いか」を端的に説明するときに「こういうところ」と説明したいと思う。


タイのまとめとして「タイで成功したらアジア獲れるよ」「オレは狙ってんの、アジアのチーズレジェンド」と、義剛名言集に追加されそうな言葉をドロップ。義剛のこの手の発言はいつものことであり、出てきたら「よ!キャラメルヤクザ!」と歌舞伎の大向う(掛け声)のごとく叫ぶのがよいです。マトモに相手にしてはいけません。前にも書きましたが、誰も義剛に興味がないから言っても覚えてないし本人も忘れるので。自分だけが淡々と記録しておきます。


最後はお馴染み「新製品と向き合う義剛」である。これおそらくだけど取材の条件として「必ず新製品のくだりを入れる」ってあるんじゃないだろうか。じゃないと毎回毎回「品質に厳しい義剛」とか「新製品のダメ出しをする義剛」とか見せられないもん。目新しくもないし。誰が得するのか、って考えたら義剛しかないんだもん。もしこれが取材の条件でなければ、今後の取材は絶対に新製品のくだりは扱わないでほしい。


それはともかく、今義剛が狙っている新チーズは「ブラータ」。VTRで「イタリアでは有名なチーズだけど、日本ではまだまだ誰も知らない幻のチーズ」と真剣な顔で語る。その真剣な語りにかぶせてくるMC指原の「大好き 大大大好き」のリアクション。指原としてはただ好物のチーズが出てきたことに対するリアクションだったのだろうが、義剛の「日本ではまだ知られていない」を軽く台無しにするナイスリアクションだった。指原が知っていたチーズを勝手に幻にするところが義剛イズム。


そして、そもそもその「ブラータ」だが、自分も知っている。いや、正確に言えば「数年前からずっと義剛が売り出そうとしている商品として見た事ある」だ。以前「ザ・ノンフィクション」の中でも語っている。その時は促音が入って「ブッラータ」のはずだったのだが、いつの間にか「ブラータ」呼ばわり。「ザ・ノンフィクション」が2015の話なので、もう既に3年売ろうとしてブレイクしてないっつうことだ。何が「これは今年流行るチーズ」「クリスマスシーズンあたりにはブレイクする」「わかるんです私には」だよ。ずっと売り出しあぐねているじゃねえかよ。


そんな事実はおくびにも出さず、義剛はこのブラータを「改めて」売り出す際に「誰も知らない名前では売れないから、名前を変える」と宣言。番組ではクイズの内容にもなっていたのだが、その変更した商品名は「生モッツァレラ」だった。出ました久々の「生」。スタジオでは「勝負の時は生ってつけます」とか言っていたけども、キャバクラあたりでも「勝負の時は生だから」とか言ってドン引きされている姿が目に浮かぶが、まあそれはいい。そもそも「ブッラータ」と呼ばれるチーズを「生モッツァレラ」という商品名で売り出していいものなのか自分にはよく分からない。チーズって厳しい呼称制度があったりするんじゃなかったっけかと「美味しんぼ」でかじった知識を思い出してもみたが、義剛がオッケーならばそれでいいんだろう。


また「個人的に買いたいものはない」「本当にやりたいことで楽しいことが仕事」「お金のことは考えない」とか言ってたけども、義剛の「本当にやりたいこと」は「金儲け」なのよ。金儲けで何かする、じゃなくて金儲けそのものが趣味になってるわけで、それが悪いことだとは全然思わないけども、それを「仕事が楽しいからやってる」みたいな言い方してしまうところが義剛ですわ。


義剛パートの最後には、経済学者の岸博幸から「(これだけ凄いアイディアに対して)全部自分で考えているか?」と質問。義剛は「ブレーンはいない。全部自分で感覚でやっている」と回答。これは義剛嘘ついてないと思う。ただし誤解があって、正しくは「義剛そのものが考え付いてやっているわけではなく、色々な情報を仕入れてはそれを悪気なくパクっている」だけである。義剛が「閃いて」いるわけではなく「閃いたと勘違いするくらいに情報を収集し、パクっている」のだ。なんか自分の経験と勘を頼りにやってるみたいなニュアンスを出していたので、そこは全力で否定したい。




とまあ、いつもの調子で義剛ウォッチを行ってみたけども、映像から伝わってくるのはこんな情報は些細なことに感じるくらいの義剛の「金儲かって仕方ない」という感じの不遜さ。久々に感じ悪かった。たとえ謙虚に謙虚にしても、内なる自慢が漏れてくるのがここ最近の義剛だったんだけども、今回は隠す気がなく自慢が自慢にしかなっていない。これは悪い義剛だ。もっとも「良い義剛って何?」って言われても困るんだけど。


今までは「自分が改めて嫌いだということを確認する」ことでこの文章を締めることが多かったんだけど、今回あまりに義剛が義剛すぎて、自分以外の人間にもストレートに嫌われやしないか少し不安にすらなってくる。自分が見たいのはこんな義剛じゃない。まあ義剛本人は知ったことではないだろうが。ネクスト義剛でお会いしましょう。