ドッキリというドキュメンタリー映画

「ロンドンハーツ」の狩野ドッキリが金かかってましたね。


狩野英孝が脚本書いてしまったので、それで映画ドッキリ仕掛けるというのだから、本当に狩野という芸人はスタッフに愛されている。そうじゃなければ本当にただのポンコツだもんなぁ。ポンコツも極めると天才になる。普通の人なら疑ってやまない部分を何の疑いもなくこなすことが出来る。


実際に完成された作品も、「まあ、自主制作映画レベルなら十分にアリだよな」というもの。もちろん自主制作では考えられないほどお金かかっていると思うので(具体的な金額までバラしてほしかった)、それを差し引きしたらとんでもないことになっているのだろうけど、ちゃんとゴールデンに流して笑いに昇華できる作品に仕上がっているのだから、狩野はともかく周囲の人間のプロフェッショナルの成せる業だなあと。


個人的には脚本がとってもよかった。もちろんストレートに褒めているわけではなく、良くも悪くも「他作品のテイストを何の悪気もなくパクることが出来る」という点が素晴らしい。番組中でも散々指摘されていたが、「借金に追われて地下生活」はまんまカイジだし、「オネエ言葉の怖い人」は半沢直樹片岡愛之助。謎解きの展開こそ「あの作品の○○だ」との指摘はなかったけど、まあどっかで見たものに狩野なりの薄い味付けをしたんだろうと思う。


パクりをする人は「罪悪感を感じながらも意識的にパクっている」タイプと、「パクることに何も感じない」タイプに分けられる。


自分が敬愛してやまない田中義剛も、花畑牧場の事業において他社の良い点はなんの躊躇もなくパクる。それは「パクったらいいものできるよね」という酷く単純な動機であり、深い考えがあるわけではない。罪悪感など感じるわけがない。狩野の場合は「パクったつもりはないけど、自分のいいものを考えたらパクリになっていた」というピュアパクリタイプだろう。*1もちろんそれがいいことでもなければ狩野を擁護することにもならないけども、自分の思考回路を純粋に持ち出すことが出来るのも才能だ。普通なら「浅薄」の一言で片づけられてしまうが、そこは狩野。ロンハースタッフ様様である。有吉の「全てにおいて普通以下」以上の言葉が見当たらない。


最後の出演者全員のダンスおよび「甘噛みhold me」の楽曲はどう考えても「恋するフォーチュンクッキー」なのだが(ここらへんも元ネタを分かり易いくらいにパクっていて清々しさすら感じる)、自分はあえて「あれはヘンリー塚本オマージュだったのでは」と言っておきたい。


ヘンリー塚本とは昭和っぽいポルノAVを量産するAV監督なのだが、彼の作品には必ずエンディングに出演者が登場し妙な踊りを踊るという、いわゆる「ヘンリーダンス」なるものが存在する。一応裸の人が踊っているので動画は紹介しないが、検索すれば出てくるので知らない人はぜひ見てほしい。エンディングで出演者が踊る。これはAKBでもインド映画でもなく、ヘンリー作品のオマージュだったと思うんだが。


自分なりの根拠を挙げておく。それは以前バカリズムオールナイトニッポンGOLDで、バカリズムがこのヘンリーダンスの話題をしており、なおかつその翌週にFAプロ(ヘンリー塚本のAVを出している制作会社)から大量のヘンリー作品が謎の陰毛とともに送られてきた、という話をしていたのだ。バカリズムは狩野の事務所の先輩であり、「狩野会」と呼ばれる飲み会のメンバーでもある。バカリズム経由でヘンリーダンスの話が狩野に伝わっていてもおかしくないのでは、と思うのだ。


もっとも、狩野は狩野でAVに興味がないらしく(同ラジオより)、ヘンリー作品のことは全く知らなかった可能性もあるが、自分は敢えて「あれはヘンリー作品のオマージュだった」と言っておきたい。


こんなことを書いたのも、決して自分が入山法子に脱いでほしかったという願望によるものではない。ない。たぶん。

*1:かつて自分の写真集に他人の詞を掲載した安倍なつみはこのタイプ