めちゃイケ」が最終回。


この春フジテレビを牽引したふたつの長寿バラエティが終わった。ひとつは「とんねるずのみなさんのおかげでした」であり、もうひとつは「めちゃイケ」だ。バラエティ史、ひいてはテレビ史を紐解くときに、この2018年3月というのはひとつのターニングポイントとして記録されるのだろう。


「おかげでした」がレギュラー枠の1時間で、特に余計な事を言うでもなくとんねるずのヒット曲「情けねえ」の歌詞を一部変えることのみで、とんねるずの、スタッフの熱い想いをぶつけたのに対し、「めちゃイケ」は5時間という長尺でかつての名物コーナーから「めちゃイケ」お得意のお涙ちょうだいまで、まさに対照的な最終回。


自分のバラエティの原体験はとんねるずであり、やっぱりとんねるずのあの去り際が「かっちょええ」と思ってしまうのだけど、かといって「めちゃイケ」の今回の終わり方がダサいとも思わない。両番組が両番組の持ち味を存分に発揮した素敵な最終回だったと自分は思う。


ただやっぱり「めちゃイケ惜しいな」とは露ほども思わなかった。自分の中ではやはり「終わった番組」だったのだなあという感慨だった。番組前半で「オール新録」された名物コーナーは、どれもこれも岡村が倒れる前のものだった。もちろん懐かしさが優先される部分ではあるのかもしれないが、それと同時に「番組後期でやったことは番組の最後に相応しいものがない」と言っているようなもんだ。最後のスピーチで濱口が「新メンバーが入らなければ番組はあそこで終わっていた」と言っていたけども、それは「岡村不在」という理由と同時に「番組としてのパワーが明らかに落ちていた」ということを皮肉にも証明した形になってしまったのではないだろうか。


めちゃイケ」も「おかげでした」も存分に「らしさ」を発揮した最終回だった。前者では「終わりに相応しい」と同時に「終わるに相応しい」と思った。後者には「終わりに相応しい」と同時に「終わるには惜しい」と思った。この微妙な差が自分には「今、この番組はどうだったのか」という評価の違いだったんだと思う。ただ、なんにせよ去りゆく両番組への敬礼は忘れたくない。